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2015年01月10日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「自民党1強多弱」下、保守的な衆参両院議員のなかで、「チャンスさえあれば自民党に
復党したい」「自民党に鞍替えしたい」という強い願望を抱いている者が、増えている。自民党側から見れば、「自民党の糾合力」が強くなっているということだ。自民党に糾合されるにしても、「選挙区事情」が許さなければ、簡単ではないけれど、「寄らば大樹」という心理に抗するのは、難しいようだ。
先般の総選挙で「自民党より右」を掲げて選挙戦を戦った次世代の党は、改選前の19議席から、ほぼ10分の1の「2議席」、すなわち、平沼赳夫党首(岡山3区、当選12回)・園田博之党両院議員総会長(熊本4区、当選10回)の2人だけにとどまり、社民党と同数となってしまった。「壊滅的敗北」であった。
次世代の党は、旧太陽の党の田母神俊雄、西村眞悟の2人を公認し、さらに一時引退も噂された石原慎太郎党最高顧問も比例擁立した。だが、比例ブロックでは、1議席も獲得することができなかった。
◆次世代の看板的存在だった石原慎太郎党最高顧問が議席を失うなどの惨状のなかで、次世代の党は1月9日、臨時総務会を開き、園田博之党両院議員総会長の離党を了承した。園田博之党両院議員総会長は太陽の党に移籍したと明らかにした。総務省は同日、「太陽の党から代表に園田博之衆院議員が就任したとする政治資金規正法に基づく届けが8日にあった」と発表した。太陽の党は母体となった「たちあがれ日本」が2010年参院議員選挙で獲得した票に基づいて、同法上の政党要件を満たしているという。
園田博之代表は、無所属→自民党→新党さきがけ→無所属→自民党→たちあがれ日本→太陽の党→日本維新の会→次世代の党→太陽の党と所属政党を転々としてきた。今回は、「自民党に復党するための腰掛」として太陽の党代表に就任したという。なお、臨時総務会では、アントニオ猪木参院議員が提出していた離党届の受理も決めた。アントニオ猪木参院議員は、すでに新党「日本を元気にする会」のメンバーとなっている。この結果、次世代の党の衆院議員は、平沼赳夫党首1人のみとなっており、いつ自民党に復党するか注目されている。
◆さらに、自民党関係者のなかでは、「これからネコも杓子も、草木がなびくように自民党に復党を希望し、糾合されていくのではないか」と観測されている。
それは、維新の党ばかりでなく、民主党のなかでも、自民党寄りの政策、とくに安全保障政策で大きな違いがなかったり、賛同したりしている衆参両院議員が少なくなく、気がついたら、自民党に復党したとか、自民党に入ったとかいう者が、跡を絶たない状況になることが予測される。やがて、維新の党も民主党も、ますます弱体化してしまい、自民党に対抗できる野党は、「共産党のみ」ということにもなりかねない。
そうなると、自民党の「補完政党」である公明党は、自民党と連立する必要がなくなり、場合によっては、解党して、衆参両院議員が、自民党入りすることもあり得る。社民党は、完全に消滅しているかも知れない。こうして自民党が結党以来、党是として悲願・宿願としてきた「日本国憲法改正」が実現する。
【参考引用】熊本日日新聞が1月9日付け朝刊で「次世代園田氏、太陽の党に移籍 自民復党へ布石」という見出しをつけて、以下のように報じた。
園田博之衆院議員(熊本4区)が次世代の党を離党し、太陽の党に移籍したことが8日、分かった。太陽の党は、自主憲法制定を掲げてきた、次世代の党の「別動隊」のような政党。両党は合流に向かう公算が大きい。園田氏は自民党県連や後援会の幹部らに「合流後はすぐに無所属となり、自民党に復党したい」と伝えた。
園田氏は昨年12月の衆院選で自民党県連の推薦を得て当選した。関係者によると、移籍は、動きやすい環境を整える「自民復党に向けた布石」。園田氏は当面、国会審議や採決で次世代の党が自民党に協力するよう橋渡し役を務め、復党の道を探るという。
太陽の党は、園田氏らが自民党を離党して結成した「たちあがれ日本」から名称を変更する形で2012年11月に誕生した。「たちあがれ日本」は10年夏の参院選比例代表で2%以上の票を獲得。太陽の党となった後も存続していた。所属国会議員はいなかったが、園田氏が政党交付金の交付基準日(1月1日)までに移籍したため、政党助成法上の政党要件を満たして交付金を受け取ることができる。8日、自民党県連の新春の集いに招かれた園田氏は「3カ月ぐらいで自由の身になって皆さんと仕事をしたい」と復党に意欲を示した。(潮崎知博、山口尚久)
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