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1月7日、共同記者会見での3人の様子。細野氏は余裕の笑み
民主党、「岡田vs.細野」の泥仕合が始まった 出遅れの岡田氏が細野氏を攻撃
http://toyokeizai.net/articles/-/57602
2015年01月09日 安積 明子:ジャーナリスト 東洋経済
野党第一党である民主党の代表選は、「ひょっとして、ひょっとする」かもしれない。
同代表選は1月7日に告示され、長妻昭元厚生労働相、細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行が立候補した(届け出順)。
「本命」と思われているのは、代表経験もある岡田氏。3人の中でもっとも政治家としてのキャリアが長い。しかし岡田氏は、昨年末に網膜剥離で緊急手術を行い、10日間の療養を余儀なくされた。そのうち5日間は病床に伏せなければならず、体力の消耗は著しかったようだ。さらに他の候補に遅れをとった焦りもあったのだろう。眼帯を付けたその顔色は冴えなかった。
それに対し、「挑戦者」である長妻氏と細野氏は準備万端。いち早く11時に決起大会を開いた細野氏は、その顔に始終笑みを浮かべ、最初に手を挙げた「ファースト・ランナー」としての余裕を見せた。
政治家の「運」はどこに転がっているかわからない。こうした様子を見る限り、細野氏に運が向いているようにもみえる。
■僅差で前原代表が誕生した過去も
例えば2005年9月の民主党代表選だ。菅直人氏と前原誠司氏の一騎打ちとなったが、菅氏には小沢一郎氏の側近だった平野達夫氏が推薦人に名前を連ね、横路グループや鳩山由紀夫氏らが支持を表明していたため、当初は菅氏の優勢と見られていた。
ところが投票箱を開けてみると、96対94票の僅差で前原氏がまさかの勝利。その瞬間、会場にどよめきが湧きあがったことを覚えている。選挙演説で前原氏が若くして命を絶った父親についてしみじみと語ったことが決め手になったのだ。
鍵となるのは経済政策だ。分配を重視するあまり成長を軽視したことは、民主党が2012年に政権を失った原因のひとつである。それを誰よりも痛感してきたのが細野氏だろう。決起大会で、細野氏はこう述べている。「まず経済政策。アベノミクスに代わる経済政策を作らなければならない」
そんな細野氏に期待を寄せるのは、長島昭久氏や松本剛明氏ら党内で自由主義者と思われているグループだ。細野陣営のある議員は目を細めてこう言った。「岡田さんや長妻さんの主張は旧来の民主党と変わらない。細野さんは新しい民主党だ」。
■世代間対立の側面も
しかし「新しい民主党」に賛同する者ばかりとは限らない。党員・サポーターの多くは旧来的な民主党支持者が多いと聞く。さらに障害は、守旧派ともいえる世代交代反対派だ。
もし細野氏が代表に就任すれば、世代交代が一気に進む。43歳の代表が誕生して、「長期政権」になろうものなら、自分たちの出番が大きく損なわれる。それを警戒しているのか、枝野幸男氏、玄葉光一郎氏、安住淳氏など50代前半の党の重鎮たちは61歳の岡田氏を応援している。
そうした「ライバル心」は岡田陣営の選対本部長を務める玄葉氏の言葉に見ることができる。玄葉氏は岡田氏の決起大会で、「(代表選は)仲間内の建設的な戦いであるが、勝たなくてはいけない」と挨拶した。これは細野陣営の羽田雄一郎選対本部長が「元気にさわやかに、はつらつと代表選を行おう。敵は安倍内閣、自民党内閣だ」と述べたことと対照的だ。
ただし細野氏にも「ネック」がある。民主党関係者はこう語る。「細野氏は『野党再編より党内再編が優先だ』と述べているが、もともと野党再編論者で、維新の党と合併を望んでいる。だがそれでは党内をとてもまとめきれないので、ひとまず持論を封じているのだろう」。
それを暴露したのが岡田氏だった。8日に日本記者クラブで開かれた討論会で、細野氏と激しいやりとりを繰り広げている。「細野氏は『民主党が維新の党と合併するのは難しい』と言ったが、11月19日に長島氏や松本氏と一緒に私や海江田万里代表(当時)のところに来て、『衆議院だけでも維新の党と合併すべきだ』とかなり強く提案してきた。あれは何だったのか。きちんと説明してほしい」。
岡田氏のこの問いかけに対し、細野氏は、「やや残念だ。というのは、政治家同志のきちんとクローズドの場所で話したことを、こういう場所で公開で質問されること自体、岡田氏らしからぬことをされたと思う」と述べた上で、こう釈明した。
「維新の党側からひとつのサインとして、『関西を切り離すことも考える』という案がきた。考えが一致しない人と一緒にやるのは難しいと思っていたが、すでに選挙区調整は始まっており、残念ながら地域の軋轢も出ていた。中途半端に棲み分けをして『打算的だ』と見られるより、そこまで(注:衆議院での維新の党との合併)やるのも選択肢ではないかと言った。考えが一致しないと一緒にやれないというのは変わらないので、私の考えにブレがあるわけではない」。
■禍根を残す可能性も
ひとまずはおさまったが、このやりとりは後に禍根を残すかもしれない。すでに前日の共同記者会見で岡田氏は、自誓会の立ち上げの経緯を話した細野氏に対して「党の中で派閥のようなものを作ってはいけない。日本の政治を悪くしたのは派閥政治だ」と批判。両者の間の火花が話題になるとともに、「あの冷静な岡田氏らしくない発言が続く」と驚きの声も上がった。
ちなみに8日夜になって、細野氏は「維新側から打診があったわけではない。1つのアイデアとして浮かんだもの」と訂正している。再編を巡る経緯について、この後にも泥仕合が続く可能性がある。
日本記者クラブから記念に贈呈されたネクタイ。岡田氏と長妻氏は緑色のものを選び、細野氏はシルバーにピンクのドット入りのものを選んだ。代表選の選択肢も、事実上、岡田氏か細野氏の2つに1つといえる。そのどちらを選ぶかによって、党再生を含めた民主党の将来が決まるのかもしれない。
(撮影:尾形文繁)
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