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<天皇発言に喜ぶお年寄り>
1週間ぶりに玄愛華さんの自宅を訪れた。玄関に入るなり、彼女は天皇の「歴史に学べ」という新年発言を,笑顔を浮かべながら紹介してくれた。よほどうれしかったのだろう。中国の新聞テレビが大きく伝えたことを、戦争体験者なりの鋭い反応で、北京在住の日本人ジャーナリストに教えようとしたのだ。僕も天皇発言を、やや驚きながら受け止めていたものだから、平成天皇の平和主義を認識してくれた中国人に感謝した。
<安倍は悪い人間>
反射的に彼女の口から「安倍は悪い人間だ」という言葉が、続いて飛び出した。安倍の積極的平和主義は、国家主義復活狙いのだましの論理に過ぎない。それに騙されるカルト教団・創価学会に対して、中国人は断じて騙されることはない。
そういえば、時事通信がホテルのパーティー会場で、安倍と創価学会会長の親しげな接触場面を伝えていたものだから、彼女の正常な反応に感謝した。何ゆえに創価学会は13億の中国人を裏切って、国家主義復活に手を貸すのか?
中国人ばかりではない。敬虔な戦争遺児の信仰者までも裏切っている。指導者の変質に振り回されるカルト教団に、もはや大義はない。年老いた中国人の「安倍は悪い」という一撃を、学会員はどう受け止めるだろうか。
<いい日本人を知る解放軍看護婦>
彼女は、日本敗戦後の人民解放軍・八路軍の看護婦時代のことを話してくれた。医師と看護婦不足の八路軍は、投降した日本の病院関係者に支援と協力を求めた。
そのため、彼女は一人の日本人医師と二人の日本人看護婦と任務についた。そこで意外な事実を知って驚愕した。二人の日本人看護婦は、いつも涙を浮かべていたことである。
理由を聞いて、さらに驚いてしまった。
敗戦による関東軍の日本への逃亡に際して、日本軍は幼児は足手まといと判断して、非情にも現地で殺すように命じた。これが日本軍・皇軍の真実である。国民を守るはずの日本軍が、満蒙開拓団の男子は軍に徴用、3歳以下の幼児に対して「殺せ」と厳命してきたのだ。
<歴史の真実>
2人の看護婦は、自分で幼児の首を縄で絞め殺した、その重すぎる罪に泣いていたのだった。これが出来ない母親は、貨物車に押し込んで、ガソリンで焼き殺したという、この世の地獄を直接聞いて、激しく心を揺さぶられてしまったのだという。
これが歴史の真実なのである。僕も戦争の醜さ・凶暴さに愕然としてしまった。多くの日本人はこの真実を知らない。運よく、この二人の日本人女性が生きて日本に帰国したとしても、この真実を口外することはないだろう。歴史は闇に葬られる。
だが、愛華おばあさんの証言によって、再び真実はよみがえったのだ。感謝したい。悪人は真実を隠して新たに悪事を働いて、暴利を得ようとする。財閥である。彼らの手先で働くネットウヨクは、それでも真実に蓋をかけようとする。正論に水をかけてくる。
無駄なことである。
<戦争を拒絶した勇気ある日本兵>
彼女は「いい日本人」のことを、ほかにも記憶していた。国家主席の劉少奇が「侵略戦争に反対した日本兵もいた」という話である。
河北省の山奥の洞窟に、二人の日本兵が隠れて生きていた。彼らは日本軍と中国軍双方におびえて生きていた。発見したとき、二人は栄養失調で亡くなる寸前だった。
あらゆる戦争に反対した日本兵のことに、彼女は看護婦時代のことを思い出したという。侵略戦争を拒絶して逃亡、狩猟漁労の自給自足で生きた日本人が、河北省の山奥にいたという、これまた歴史の真実を聞かされて、僕の胸は痛くなった。
日本軍国主義に抵抗した日本兵の逃亡生活、その過酷な人生を思うと涙が出てくる。彼らの両親や家族・兄弟はどうしているだろうか。
<飢えと恐怖の地獄の難民生活>
玄愛華さんの子供たちは、倹約生活に徹する母親に不満である。もっと楽な生活をしようとしないからである。その原因を知ると、僕はそれが当たり前のように思えてならない。
彼女の少女時代は、悲惨そのものだった。現在も中東のイラクなどに多くの避難民がいるが、愛華さんのそれはぜんぜん違った。住み慣れた吉林省延吉は、日本の植民地である。そこは抗日朝鮮軍・抗日中国軍の戦いの場所だった。
砲弾と硝煙が当たり一面を覆い、人々は右に左に逃げ惑う日々だった。愛華さん10歳前後のことである。関東軍の掃討作戦にもおびえる恐怖の場所だった。抗日軍の攻勢に比例して、掃討作戦も激しさを増した。
抗日兵をかくまったという容疑がかかると、家族全員が撃ち殺され、家が焼かれた。食料も略奪されて、人々は飢えに泣かされた。油断してると、女性はレイプされた。着の身着のままの戦場を逃亡する日々に、人々は病にも冒された。
<正月に素足で、豆腐の殻を買うため、凍てついた川を渡った少女時代>
愛華さんは母親と姉の3人の逃亡・避難生活である。夫を亡くした母親は、14歳で長女を嫁に出している。愛華さんも16歳で抗日の戦士と結婚したのだが、まだ物心つかない8歳、9歳のころの逃亡・避難生活は、現代人には到底想像もつかない悲惨なものだった。
正月に食べるものがない。わずかな金では豆腐も買えない。母親は娘に豆腐の殻を買ってくるように頼んだ。豆腐屋に行くのには、凍てついた川を渡らねばならなかった。
足底は人間の皮である。そう、靴も履いてなかった。真冬の東北地方は、凍りついて暖をとらないと生きられないというのに、である。娘は氷が赤くなるのに気付いた。足底が切れて出血したのである。
<電線に頭部をさらした関東軍掃討作戦>
寒くて眠れない。家もない。農家の穀物保管の穴倉に隠れての睡眠である。身を守るための母親の知恵だった。しかし、眠れない。昼間見た電線の情景が目に浮かんで離れないからである。
関東軍掃討作戦の被害者は、その場で殺害、首を切断、頭部をいくつも電線に縛り付けての、この世の地獄の情景が、幼子の脳裏から離れない。電線の下の土は鮮血で赤く染まっていた。
これは映画の場面ではない。これも皇軍蛮行の真実なのである。
飢えと恐怖の避難民生活が、必然的に人民解放軍の衛生部隊へ、そこを安住の地とした。彼女の生き様が贅沢を拒絶している。
今も日本人に対して「いい日本人がいる」と信じている。僕の「中国の大警告」を何度も、繰り返して読んで感動してくれている。悪い日本人は、一部の軍国主義者だと信じている愛華さんを、本心から感謝をこめて抱きしめたい。
2015年1月8日記
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