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【民主党代表選】長妻氏、細野氏、岡田氏が共同記者会見
http://blogos.com/article/102975/
2015年01月07日 12:51 BLOGOS編集部
衆院選の結果を受けて辞任を表明した海江田万里代表の後任を決定する民主党代表選挙がきょう告示され、長妻昭、細野豪志、岡田克也の3衆院議員が立候補を届け出た。今月18日に開催される臨時党大会での投開票に向け、選挙戦がスタートする。
14時からは、3候補による共同の記者会見を行われ、この模様はインターネットでも生中継された。
長妻昭候補
なぜ立候補したのか。私は民主党に強い危機感を持っております。といいますのも、今回の衆院選では、これまでと違った経験をしました。頂いた声を大きく3つに分類しますと、格差の拡大が限界にきている、という本当に切実な、涙ながらのお訴えを聞きました。高齢者の方からは、きな臭い、戦前の匂いがするからなんとか変えて欲しい、これも切実なお話を頂きました。
もうひとつ、民主党は何をしたいのかわからない、もっとしっかりしろ、こういう叱咤激励もいただきました。
涙ながらのお訴えもあって、私ももらい泣きを何度もしました、こんな選挙は初めてでした。
自民党に変わる強い野党が望まれている、国民のみなさんは渇望している。それに応えなければいけない。これが最後のチャンスになるかもしれない。
日本はもっと良くなる、という政策を競い合っていきたい。
相対的貧困率、格差を示す指標もアメリカに次いで二番目に大きい。一昨年、はじめて貯金ゼロの世帯が3割を超えた。
人の能力を潰して何が成長なんだ、過労死の若者が増えて、若者を潰しておいて、なんで成長なんだ。
非正規雇用を4割近くまで増やして、能力を最大限に発揮できる環境を作らないで、なんで成長なんだ。
子育てで、親の介護で会社を辞めざるを得ない。そういう人達がどんどん増えているのをほったらかして、なんで成長ができるんだ。
子どもの進学、これも親の年収が400万円以下のご家庭では大学進学率が3割です。金がないと学校に行けない。こういう傾向がどんどん強まっている。人の能力を埋もれさせておいて、何が成長なんだと。
私は、格差を是正して、ひとりひとりのの能力が最大限発揮できるそういう環境、社会をつくることこそが日本全体の活力を大きく引き出して、全体のパイを広げていく。人への投資、それこそが民主党が目指す道だ。
分配か成長かどっちだ、そうではない。持続的な成長のためには適切な分配が必要である。これを強く申し上げたい。その政策を実行すれば日本は良くなる。これをきちっと民主党は打ち出して、堂々と安倍内閣は問題有り、我々の政策を採用すれば日本はもっと良くなるという具体的な政策を、筋道を示していけば必ず道は開けると確信している。
そしてもう一転、日本という国は情報を制限して、空気さえ作り上げれば一気に極端な方向に持っていくことができる。70年前の戦争の反省です。安倍内閣は本当にその反省に立っているのか。私には到底立っているとは思えない。非常に危うい動きが加速している。それに歯止めをして転換していく責任が民主党に課せられていると強く強く思っている。
最後に、野党の本当の役割は、政策を磨いて、内閣を倒して、内閣をつくっていく。これが真の野党であると思います。意識合わせ、腹合わせ、政策合わせをして、民主党を再建して、そして他の野党のみなさんに民主党に移っていただく、そういう受け皿となれるようなしっかりした政党したい。その先頭に立たせていただきたいと思い、立候補しました。
細野豪志候補
私は代表選挙に向け、2年前から準備をして参りました。
4年前の東日本大震災、そして福島での原発事故。この国をもう一度立て直していきたい、被災地のために頑張りたい。こんな思いが、2年前から非常に強くなりました。
今回代表選挙に立候補いたしましたのは、そういう状況の中で今の政治に危うさを感じたことも原因の一つです。
安倍政権に任せておけば、この国の民主主義が危ない。集団的自衛権の問題も、国会閉会中に我々野党が仕事ができないところでやられた。あれは典型的な事例だろうと思います。
今こそ民主党がしっかりした野党として再建することによって、そして与党を目指すことによって、この国の民主主義を守りたいと思います。
私は今回の代表戦を通じて、これまで民主党が言ってきたことを、もう一度みなさまにしっかりお伝えをしていきたいと思います。
まず第一に、私たちは共に生きる社会をつくってきました。
個人的な話になりますが、私、大学生のときに父親が会社を辞めました。短い間ではありましたが、大学の学費をタダにしてもらって、バイト先でもお世話になりました。ちょうど20年前、大学4年生の最後の時に、阪神・淡路大震災がありました。
社会に支えてもらって大学に行かせてもらったならば、自分に何かできることがあるときには、社会を支える側に回れる、そういう人間になりたいという思いがありました。
そして現地でボランティアをする中で、これではいかんという思いがあって、政治の世界を志しました。
それが東日本大震災のときに"逃げることはできない"という思いで取り組んだことにもつながっています。
社会保障というのは、世代間の助け合いの仕組みです。それが今、危機的な状況に立たされています。教育というのは、貧困の連鎖を止める上でも極めて重要です。これも民主党の大きなテーマです。もう一度我々はこの"共生"をしっかり掲げて、民主党として再生をしていく必要があると思います。
第二に、私は"多様性"を挙げたいと思います。
多様性こそ強さです。いろんな生き方をする人、そしていろんな地域があって、それぞれが個性を発揮してのびのびとやっていく。それが日本の強さにもなります。
まず、地域のあり方。自民党型、安倍政権のやり方というのは、今でも中央が権限と財源を持ってそれを地方に配る。これでは元気になりません。我々が目指すのは、地域が地域で決めることができる、自律分散型の国家。これ目指して政策を訴えかけていきたいと思います。
生き方も多様になってきました。
家族のあり方、これも実に多様になってきた。そういう中で私は、血縁主義に頼りすぎた家族のあり方も変えていきたい。
この国には親に育ててもらうことができない子どもたちが4万人もいます。こういう子ともだちが施設で生活をしています。彼らに家庭的な環境をしっかりと提供することも国家の役割です。里親であるとか、特別養子縁組であるとか、血縁主義に偏らない家庭のあり方をこれから模索していきたいと思います。
また、LGBTの問題にも取り組んでいきたい。みなさんがいきいきと活躍できるような、差別のない社会をつくることによって、多様性を守ることによって、この国をしっかりと強い社会、強い国にしてきたいと思います。
"共生"や"多様性"という考え方は、民主党の背骨で非常に重要でありますから、これからも訴えていきたいと思いますが、しかし民主党は国民の信頼という、最も大切なものを失ってしまった。私は閣僚をやり、幹事長をやっておりましたので、その責任があります。自らを否定するのは苦しいことですし、決別するのは難しいことです。
しかしそれをやらない限り、民主党の考えをしっかりお伝えをすることはできないと思います。
私は3つの点で、民主党が過去を決別をして新たな出発をすることを訴えたいと思います。
まず第1は経済政策。アベノミクスのトリクルダウンはもはや限界です。ボトムアップで中小企業が頑張れるような環境をつくらなければならない。今、政府が法人税の減税を言っていますが、これは大企業の一部にしか効果はありません。むしろ企業の社会保障負担の軽減をすることによって、非正規社員でやっておられる方々が正社員になれるような、企業の経営者の方々も元気で頑張れるような環境をぜひとも作りたいと思います。
今回の選挙戦を通じて、中小企業やボトムアップの経済に強い民主党をもう一度作り直したいと思います。
2つ目に安全保障です。
普天間の問題の反省が必要だと思います。沖縄に寄り添っていきたい、私も思います。しかし理想だけを掲げて、現実の前進をさせることができなかった、この反省は必要です。
私は、この国が戦後歩んできた平和主義の原則に立って、尖閣諸島の問題、朝鮮半島有事にしっかり対応することができるような安全保障の法整備と態勢の整備に努めたいと思います。
そして最後に民主党の文化の問題です。
自由闊達な民主党の文化は大変重要です、しかし、いざというときにバラバラとなる、これでは決して国民の信頼は戻りません。東日本大震災や消費増税のときにバラバラになってしまったその反省に立って、民主的な党運営をしながら、最後はまとまっていく。そしてそれができないということになれば、場合によっては厳しい対応もやっていかなければならないと考えます。
リーダーも変わらなければなりません。
私は統一地方選をはじめ、全国を周りまして、先頭に立って民主党の勝利のために頑張ります。そして自らは総選挙のときには小選挙区のみで立候補して、比例に重複はしません。
退路を断って、自ら先頭に立って戦い抜く、そういうリーダーの姿勢を示すことによって、民主党は変わったんだということを国民のみなさんにお示しをしたいと思います。ぜひとも多くのみなさんおご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
岡田克也候補
私は二十数年前に、与党であった自由民主党を離れ、そして一貫して政権交代がきちんとできる政治、これをブレること無く目指してまいりました。
民主党は残念ながら国民の皆さまの信頼を失っている状態です、私は民主党再生のラストチャンスだと思っています。必ず民主党を立て直す。そのために私は先頭に立つ。その決意で立候補を決めさせていただきました。
民主党を立て直す際には私は過去の全否定ではなく、原点回帰ということを強調したいと思います。
民主党綱領にもあるように消費者、納税者、生活者、そして働く人たちの立場に立つ政党です。そして今ひとつは、未来志向の改革政党です。この原点に立脚して、そしてしっかりと立て直していきたいと思います。
今ひとつ私が感じるのは、民主党の多様性がいつの間にか失われてしまったのではないかということです。
最初の民主党には色んな方が集っておられました。例えば障害のある方や、あるいは外国人から日本国籍を取得した方や、様々な人が民主党を形作っていました。今、見渡すと、だいぶ変わってしまったなという気がします。
もう一回、この多様な日本で、様々な人達、特に女性、あるいは若者、あるいは地域社会で頑張って居る人、あるいは困難に立ち向かっている人、そういう方々に結集していただいて、そしてあたらしい民主党を作っていきたい、民主党の原点に還りたい、そういうふうに考えております。
そういった多様な人々が集った民主党で希望ある日本を作っていきたいと思います。
さて、民主党を考えるときに、10年前、私は代表を辞めるときにこういうことを申し上げました。
いろんな議論があるのは民主党のいいところだ。だけど決めたらやっぱりリーダーのもとで結束する。そういう民主党であってって欲しいと申し上げたわけです。残念ながらそのことは今でも実現していません。
"熟議"。これは大事なことです。しかし、決めたらきちんと守る。リーダーが引っ張る。従っていく、そういった民主党にしたい。私は決断できる政治家だと自負しております。
さて、安倍自民党です。2つほど申し上げます。
一つは、安倍さんは"戦後レジームの見直し"ということ一時期言われておりました。私はやはり戦後70年を迎えるにあたって、この70年の日本の良さを改めて見直し、そして大事していきたい。つまり平和を重んじるということです。
そして今ひとつは、格差が広がっている、あるいは中間層の厚みが無くなっている、そういったことに対してしっかりと手当していくのが政治の役割である。一言で言えば公正な社会をつくるということを申し上げたいと思います。
今申し上げたことに加えて、多様な価値観を尊重しあう。そういった公正な社会を作っていくことが民主党の使命であると考えています。
以上申し上げたことを先頭を切ってリーダーとして実現し、これは民主党のためではなく日本の政治のため、日本の国民のためにしっかりと全てを投げ打って頑張って行きたいと思います。
【民主党代表選】長妻氏、細野氏、岡田氏が共同記者会見 質疑応答(一部抜粋)
http://blogos.com/article/102975/?p=2
それぞれの候補の立候補の理由
―何故、ご自身が代表にふさわしいと考えるのか?他の2名との違いは?
長妻:私は、明確に日本をもっとよくする社会像、そしてそれにたどり着く政策を持っていると思います。それは仲間と共に作り上げたものです。先ほど申し上げたように、格差を是正をして、ひとりひとりの能力を最大限発揮できる。そういう環境を作っていく。すべての人に居場所と出番のある社会を作る。
それを具体的に示す社会像、そして格差是正。格差を解消していく。誰でも重要だとおっしゃると思いますが、私は本当に日本全国の格差の現場を歩いて腹におちております。本当にこれは限界にきて、危機的な状況まで来ているという、強い強い危機感を持っているという風に思います。
その社会像を明確に提示できるということと、もう一つ重要なのは、やはり野党として今の政権をきちっと監視をしていく。特に徹底的に調査をして隠された情報をチームで表に出して、国会で徹底追及して、是正をしていく。その指揮官として、チームをまとめて突破していく。そういう力もあると自負をしております。
細野:私が代表に立候補する最大の理由は、民主党に対する愛着の強さです。私は、本当に何もないところから政治に挑戦しました。その私にチャンスをくれた民主党、これをよくすることによって、国を本当によくしていきたいという思いをもっていました。この思いがありましたから、15年間私は1度も党議に反して造反をしたことはないんです。そして、党員サポーターについても最大限努力をし、綱領も作ってきた。綱領にはこう書かれています。「生活者、納税者、消費者、そして働く者の立場に立つ」。この根っこをもう一度しっかりしたものにして、政策を形作っていく。この役目を私自身がやれるのではないかと考えたからです。
ただし、先ほども申し上げましたが、残念ながらこのままじゃダメです。過去と決別をして「変わったんだ」という姿をお見せすることでしか、我々が実現しようとしていることは前に進めませんので、それをやるのは私、細野豪志ではないかという思いで、今回立候補させていただきました。
岡田:私はいままでどちらかというと、No2としてトップを支えるという仕事が多かったように思います。幹事長を何回もやったり、外務大臣や副総理として時の総理を支えてきました。一生懸命そういったことをやってきましたけれども、今回この民主党の現状を見て、ここは自分が出てしっかりと今までの経験を活かし、そして信念を貫いて民主党を立て直さなければいけないと改めて感じました。
しばらく安倍政権は続くでしょう。民主党が政権の座に戻るということは容易なことではありません。しかし、野党第一党である限り、いつでも総理大臣が務まる、そういった思いでしっかりと国会での議論もしていかなければなりません。反対のための反対ではなくて、対案を持って、安倍総理と堂々の議論が出来る。そのためには自分が適任であると考えました。
維新の党との再編は?
―民主党再建の先には、「野党再編」も見えてくると思うが、野党第二党である維新の党との関係をどのように考えるか?
岡田:まず維新との関係ですけれども、国会の中での共闘、あるいは参議院選挙も近づいてきますけれども、候補者の調整、そういったことはしっかりとやっていかないと、野党が分裂をしていて与党が得するだけということになってしまうと思います。
ただ、同じ党になるとか、そういったことになるとやはり越えなければならないハードルはいくつかあると思っています。例えば、維新の党の橋下さんが従来言われてきたことは、「民主党の一部と一緒になる」と。つまり、我が党が分裂することを前提とした物言いですね。これは到底受け入れられません。そして、特定の労働組合を厳しく批判する。これもやはりですね、いろんな議論は当然あっていいし、私も労働組合の皆さんといろんな議論しますけれども、一方的に批判するような、そういう考え方である限り、やはり一緒になるということは考えられないと思います。
最近、江田代表が連合との協議というようなことも言われていて、少し変わってきたのかもしれません。あるいは、維新の中に、いろんな考え方があるのかもしれません。維新が従来の考え方から変わってくるということであれば、いろんな議論というのは出来る余地はあると思う。しかし、現時点では、一緒になるということは到底考えられないと思います。
長妻:国会の中で、維新に限らずすべての野党と連携して、議員立法を作るとか国会の対応を統一するとか、これは今までもやっていて、これはどんどん国対委員長レベル、幹事長レベルでやるべきだと思います。ただ、その野党で、政策がかけ離れている政党と一緒になるとか、あるいは候補者をかなり綿密にあわせていくとかですね、そういうことの前に我が党の中でもまだまだ詰めないといけない政策というのがいっぱいあるわけですね。
それをきっちりと詰めて、まずは民主党が明確に旗を立てるということが先決だと思っています。それが終わらないうちに他党と云々というのは私は順番が違うんじゃないかと。我々はどっしり構えて、ただ時間はありませんけれども着実に民主党の再建を進めることで、必ず道を拓けて、他の党から、あるいはほかの無所属の方がですね、「民主党で頑張っていこう」という方がどんどん増えていくと、私は確信しております。
細野:維新との関係なんですが、私は特にこの一年ぐらいの間、維新の議員といろんな議論の場を共にしてきました。それは彼らが一体何を考えている人たちなのか、ということをしっかり聞く必要があると考えたからです。
一致できる部分も確かにあります。しかし、相当な違いがあるということは認めなければならないと思います。したがって、党として一緒になるのは現実的には難しいという風に思っています。ただ一方で、やはり安倍政権にしっかり対峙をしていくためには、少し増えたと言っても数が足りませんから、国会での共闘は最大限模索していくべきでしょう。それをしていく中で、さらに政策的な接点がどこにあるのかということについては、岡田さんもおっしゃいましたが、柔軟な対応をしていくべきだと思います。
特に目の前に、統一地方選挙がありますから。ここは我々にとって最大の戦いです。そこは民主党として堂々と戦える体制を作らなければいけないと思います。
岡田「中道リベラル」、長妻「リベラル」、細野「共生と多様性」
―二大政党を目指す上で、どのようなイメージの政党を目指すのか?民主党は、党内のガバナンスが効いていない「寄り合い所帯」とよく言われている。自民党は「保守」というイメージがあるが、その対抗軸としての「リベラル」なのか?一言でわかりやすく教えてほしい。また、集団的自衛権について党として明確なスタンスを示すべきではないのか?
岡田:集団的自衛権の閣議決定、これは私は撤回すべきと考えています。本来であれば、私は国会で何回か申し上げたのですが、やはり国民の半数以上がやもえないというところまで、内閣総理大臣として説明を尽くして、その上で閣議決定をするのならまだしも、そういった手続きのまったくないまま、いきなり閣議決定したことは立憲国家として極めて問題があると考えております。
民主党を一言で表すと、私は「多様な民主党」ということはむしろメリットだと考えていますけれども、リベラルという考え方、これは民主党の一つの要素だと思います。しかし、私はもう少し幅広く、「保守中道」というか、「中道リベラル」というか、かつて自民党の宏池会が持っていたような考え方、そういうものが失われて、自民党は安倍さん一色になっています。
そういったかつて自民党がもっていたような考え方も包含する形で民主党というのは存在するんだと。そんな風に考えております。
集団的自衛権については、先ほど申し上げたようなことで、どういう風に概念構成するかということはあると思いますが、日本自身が攻撃を受けるのと同じような大変な事態に国民が陥ったということが本当に想定されるのであれば、それは何らかの対応が必要になる。それをどういう風に法律構成するかということは、それぞれ議論を重ねていけばいいと思っています。
長妻:今「寄り合い所帯」に見られているという話がありましたが、私はそこをまとめていく理念というのは、「リベラル」という言葉を使っています。この意味というのは、新自由主義に対応して私はリベラルという言葉を使っているんですが、新自由主義的な考え方というのは、やはり自立が基本だと。自立、自助が基本だと。そして、セフティーネットは失敗した人に張り巡らしますので、どうぞご自由に、という考え方だと思います。
私は、それでは格差が拡大して、社会全体としても成長の基盤や民主主義の基盤が崩れると思っておりますので、自立は必要だ、これは当たり前でありますが、その自立を支えるための共助とか公助。つまり、支えるための政策も随時組み合わせて、なるべく格差が拡大しないようにして、社会を安定化させていくことこそが成長の基盤を作る。こういう意味で「リベラル」という言葉を使っているんですが、そういう考え方であれば、社会保障とか格差の考え方では、私は民主党、いろんな考えの議員がいると思いますが、その考え方では、包摂というか一つまとまるんじゃないかと思って、私はそういう理念で民主党をまとめていきたいと思っています。
集団的自衛権、そのものの是非というお話ですが、私は政府は、歯止めをかけた集団的自衛権を閣議決定したという風に説明をされているようですが、果たして集団的自衛権というのは歯止めをかけられるものなのか。このことについて、私は確証を得ておりませんので、集団的自衛権、歯止めがきかないということで、私はその行使には否定的、反対であります。
細野:私は民主党が掲げるべき考え方として、「共生と多様性」、この二つは非常に大事だと思っています。その考え方がどこからくるかというのが、記者さんの質問だと思うのですが、私は歴史から来ると思っています。
元々日本は、多様性のある社会だったし、共同体にしてもそこで助け合いが機能していました。私は落語が好きですけど、例えばそれこそ長屋なんか行くとしょっちゅう火事になるからお父さん、お母さんが亡くなると、そこで子どもを育てたりする。これなんかは、むしろ昔から日本にあったのにいつの間にか失われてしまった。そういうことも含めて、私は共生とか多様性というものは保守から出てきていると思っている。
その意味では、安倍総理は保守と言っておられるけれども、本当の日本の元々あったものを総理自身が咀嚼しておっしゃってる保守なのかということについて、やや疑念があります。その上で、今わたくしが申し上げた多様性とか共生を中にはリベラルという言葉を使っておっしゃる方もいる。それを排除する必要はない。我々が大事なのは、どういう社会を目指すかですから、多様性、共生が大事なんだということは、綱領に書いてありますから、堂々と主張していけばいいのではないかと思います。
集団的自衛権の問題は、今、三人がそれぞれ説明しましたけれども、私が安心したのは、みんな言っていることは一緒ですよ。現実的な脅威に対応できるために、どういう風に知恵を絞るかということについては、三人とも共通だということを確認できて、非常に安心しました。集団的自衛権という言葉自体が大事なのではないです。朝鮮半島有事や尖閣諸島の問題、現実的な脅威に民主党は対応できるのか、ということが問われている。
残念ながら、今国民は民主党は安全保障が危ないと思っているから。そうじゃなくてきちっと頼れる。安倍政権の危うさと逆です。「安倍政権はちょっと怖い」、そういう方も多い。一方、民主党は頼りないと思われている。そうじゃない民主党の姿を見せることによって、現実的な脅威については対応できるような民主党の姿を示すことこそ、安全保障の議論では重要だと思っています。
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