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「定常経済・相互扶助社会は「夢想」ではなくて、歴史の必然的帰結です:内田樹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/16285.html
2015/1/6 晴耕雨読
https://twitter.com/levinassien
昨日平川君と話したのは、経済成長の終わりと定常経済への移行は経済の自然過程であるという話でした。
別に日本だけが特別であるわけではなく、いずれすべての資本主義国で成長が止まる。
人々がそれを恐れているのは、そのあとは国民資源の「フェアな再分配」の仕組みを作らなければいけないからです。
「パイ」が増大しているときは再分配の方法がどれほどアンフェアでも、人はあまり気にしません。
自分の「パイ」も増えているからです。
でも、「パイ」の増大が止まったとき、あるいは縮減してくるとき、分配方法のアンフェアに対しての視線はいきなり厳しいものになります。
そのとき社会的混乱を引き起こさないためには「パイ」が大きいうちに「フェアな再分配」の仕組みについて衆知を集めてプランを立てておくべきだったのです。
でも、久しく「パイの増大」以外に解はないと思い込んでいたので、「社会的安定をもたらす再分配方法」については誰も、何もアイディアがない。
アベノミクスというのは「資源の再分配のアンフェアネスを徹底的に進めることでパイを大きくする」方策です。
成長が止まったとたんに社会的混乱が起きるように意図的に作り込んである。
だから成長する以外に社会的安定の道がない。
カオスを忌避するなら経済成長の夢にすがりつくしかない。
平川君との暫定的結論は「再分配のための社会の仕組み」を政治が構想できない以上、とりあえず市民レベルで再分配をはかるしかないだろうということでした。
そして、すでに多くの人々が自力で相互支援の仕組みを作り出そうとし始めています。
その動きが同時多発的であり、かつ主導的な理論も組織も持たない運動であることに、僕は希望を感じます。
イデオロギーではなく、身体実感をベースにして手作りされる運動の方がずっと持続力も創発性も豊だからです。
凱風館はいま「雇用の創出」、「生きるための技術の伝授」、「相互扶助相互支援のネットワーク形成」をめざして動いていますが、それは19世紀の「空想的社会主義者」の夢想に近いものかもしれません。
「一挙にかつ根源的に世界を変える構想以外は無意味だ」という批判に今度は抵抗してみたい。
凱風館に似た相互扶助ネットワークはいま日本中のあちこちで、さまざまなサイズ、さまざまな形態で形成されつつあります。
いくつかの運動体との出会いから、僕はその手応えを感じています。
格差の拡大による若年層の急激な貧困化はこの流れを加速させてゆくことになるでしょう。
定常経済・相互扶助社会は「夢想」ではなくて、歴史の必然的帰結です。
意図的に創り出さなくても、自然にそうなります。
この企ての合理性が理解できない人たちは「弱者を支援するために作られた組織」の方が「勝者が総取りする組織」よりも淘汰圧に強いということを知らないのでしょう。
ピョートル・クロポトキンの『相互扶助論』をぜひお手に取って頂きたいと思います。
クロポトキンは相互扶助する種はそうしない種よりも生き延びる確率が高いという生物学的視点からアナーキズムを基礎づけようとしました。
なぜアナーキズムが弾圧されたのか、その理由が読むと分かります。
国家による「天上的介入」抜きで市民社会に公正と正義を打ち立てることができるような個人の市民的成熟をアナーキズムは求めました。
「公正で雅量ある国家」を建設するより前に、まずその担い手たる「公正で雅量ある市民」を建設しようとしたことに国家は嫉妬したのです。
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