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2015年01月01日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「過ぎたるは猶及ばざるが如し」(論語・先進=何事も程ほどが肝心で、やり過ぎることはやり足りないことと同じように良いこととは言えない。良いと言われることでも、やり過ぎは害になる。人の言行には中庸が大切である)、「More than enough is too much.(十分以上は多過ぎる)」「The orange that is too hard squeezed yields a bitter juice.(オレンジを強く絞り過ぎると苦いジュースができる)」「Too much of one thing is not good.(何事によらず過度は良くない)」「いくら体にいいからといって、一日に4リットルも水分を摂取するなんて、やりすぎだよ。過ぎたるは猶及ばざるが如しだ」などなど。
これは、「わが世の春」を謳歌している安倍晋三首相の現状を表わす「箴言」(戒めの言葉)に聞こえる。「新年早々、縁起でもない」とお叱りを受けるかも知れないけれど、安倍晋三首相へのフォーカスを引いて、遠望してみると、「勝利に酔い、浮かれている側近たち」の歯の浮いたようなおべんちゃらに囲まれて、喜んでばかりではいられない。ミイラ化しているマスメディアも、「本当のこと」を教えない。
◆安倍晋三首相は、すでに「数多くの敵」に遠巻きにされている。米国オバマ大統領、中国北京政府の習近平国家主席、李克強首相、ロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵大統領、北朝鮮の金正恩第1書記=元帥らは皆、敵である。親密になっていると信じているプーチン大統領は、「安倍晋三首相からの招待は、受けられない」と通告してきているという。四面海に囲まれている日本のとくに安倍晋三首相は、文字通り「四面楚歌」なのだ。
しかも最悪なのは、どの敵とも関係を改善するための打開策が見つからないということである。これでは、「外交の安倍晋三首相」も形無しである。
それどころか、「オバマ大統領が安倍晋三首相に仕掛ける大陰謀〜米国を恐怖させる日・欧の景気後退危機迫る!」(第36回 板垣英憲「情報局」勉強会=1月10日)という有様だ。乞うご期待!!
◆しかし、遠望とは真逆に、よく接近してみると、安倍晋三首相が、「総選挙大圧勝」を最大強力な武器として圧倒し黙らせている「財務省財務官僚」はじめ、各省庁官僚群が、完全に軍門に下っていると思いきや、実態は、差に非ずである。官僚得意の「面従腹背」(うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わない)しているにすぎない。
「面従腹背」と対をなしているのが、「合法的サボタージュ」(合法的不作為)である。1月26日に召集される次期通常国会から、この官僚群の陰湿なる「合法的サボタージュ」による仕返しが始まる。衆参予算委員会で、各閣僚が野党の追及にあって立ち往生したときから、官僚群の本領である「いけず」が威力を発揮し始める。要するに、官僚群は、安倍晋三政権を助けようとせず、ピンチに立たされても、「知らぬ半兵衛」を決め込むのだ。緊急に補正予算を組まなければならなくなっても、香川俊介財務事務次官(竹下登内閣・小沢一郎官房副長官の秘書官、義父・斉藤次郎元大蔵事務次官は、小沢一郎代表の腹心)はじめ財務官僚は本気では動かない。
◆そうした国内の難局、とりわけ官僚群の「合法的サボタージュ」(合法的不作為)に対して、安倍晋三首相は、「国民の意思を聞こう」と再度「衆院解散・総選挙」で突破することを側近たちに漏らしていると言われている。
だが、国民有権者は、「もう二度とその手は食わぬ」と安倍晋三首相の子どもじみた策略には乗らない。先般の「衆院解散・総選挙」では、国民有権者の約半数が、安倍晋三首相の子どもじみた策略に乗らず、ミイラ化したマスメディアのなかから自慢気に喧伝された「逆桶狭間合戦」(この言葉を、大軍が弱小軍を攻め滅ぼすときに使うことはあり得ず、誤用)を無視したのであり、自民党は公示前の勢力から5議席減らし、実質的に後退し、敗北していた。つまり、何のための総選挙か分からなくなっていた。安倍晋三首相は、国民有権者からバカにされていたのである。
にもかかわらず、「この手」を再び断行しようと本気で考えているとしたら、大きな間違いである。権力を私利私欲のために使ってはならないのは、言うまでもない。徳川家康公の遺訓「及ばざるは過ぎたるより優れり」の一節を拳拳服膺すべきなのだ。
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