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視点:女性活躍・消費増税・TPPが日本に必要な訳=アダム・ポーゼン氏
2014年 12月 29日 18:12 JST
アダム・ポーゼン 米ピーターソン国際経済研究所所長
[東京 29日] - 米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長(元イングランド銀行金融政策委員)は、日本経済の課題として、女性の労働市場参加の促進、20%超への消費増税、環太平洋連携協定(TPP)交渉妥結に向けた農業改革の重要性を説く。
消費税は税率20%超を目指し半年ごとに0.5%ずつ引き上げることを検討すべきだとする一方、農業改革は食費引き下げを通じて平均的な世帯の実質所得を1%超増加させる効果があると述べる。
同氏の見解は以下の通り。
●女性の労働市場参加を一段と促進する
短期的な成長や平均生産性の向上という点から、日本にとって(より自由な社会にとっても)これが最も重要かつ有益な改革であることに変わりはない。
女性の労働参加率を引き上げるという点では、これまで大きな成功を収めている。たとえ労働参加率が今までの上昇ペースを維持できなくても、今後も推進していく価値がある。
安倍政権は、子供や保育所への公的補助を増やし、共働き世帯が不公平を被らないよう税制を改正するとともに、アファーマティブアクション(差別是正措置)の目標を拡大し、現職(男性の年配者)の労働者を過度に優遇している規制の緩和を行うべきだ。
●消費税率の引き上げを緩やかだが着実に再開する
(2015年10月に予定されていた8%から10%への)消費再増税を2017年4月まで延期したことは、日本の財政安定化には妨げとなる。ギリシャとは異なり、日本が大混乱に陥ることはない。しかし、利払い負担によって良い政府支出までもが抑制されることなしに、あるいは思い切った支出削減が行われることなしに、財政収支を均衡させるのが一段と難しくなったことは確かだ。
財政を安定化させるための最善の選択は、消費税率を20%以上に引き上げることだ。インフレ率と成長率がそれぞれ平均で2%、1.25%と妥当な数字に落ち着けば、支出削減や税金面における残りの調整がやりやすくなるだろう。
したがって、国会は消費税を(数年ごとに2─3%引き上げるのではなく)6カ月ごとに0.5%ずつ上げ続けることにコミットすべきだ。
●TPP日米協議合意に向けて農業改革を迅速に行う
環太平洋連携協定(TPP)は日本にとって、経済的(国民所得が年間2%増加)にも、戦略的(アジア諸国と米国との同盟強化)にも、非常に大きな利益となるだろう。
米国と日本が、農業分野において日本への市場アクセス協議で二国間合意に達しない限り、TPP交渉は進展できない。日米は、両国が望む(知的所有権や投資家保護、国有企業への補助金削減などの)事柄について、より経済規模の小さな他のTPP交渉参加国と合意に持ち込むために、この市場アクセスを使えるだろう。
障害となっているのは、日本の牛肉と豚肉に対する輸入関税だ。安倍政権が現在申し出ている以上にこれらの関税率を下げることで、上記のような恩恵が得られるようになる。
また、平均的な日本の世帯において、食費を年間15万─20万円減らすことにつながる。これは実質所得で1%超の増加に値する。
*アダム・ポーゼン氏は、米ワシントンに本拠を置くシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所所長。2009年9月から2012年8月までイングランド銀行(英中銀、BOE)金融政策委員会(MPC)委員。米連邦議会予算事務局経済顧問を務めているほか、米外交問題評議会、日米欧三極委員会などのメンバーでもある。日本経済に関する著作多数。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0K708720141229
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