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古村治彦の酔生夢死日記
http://suinikki.blog.jp/archives/19539221.html
2014年12月28日
古村治彦です。
昨日、2014年12月27日、毎日新聞が山田美樹代議士(自民党所属[細田・安倍派]・当選2回、東京一区選出)の運動員が選挙期間中に人身事故を起こしていたということをスクープの形で報道しました。
写真;山田美樹代議士(自由民主党[細田・安倍派]、当選2回、東京一区選出) 冒頭URL先
交通事故は不幸なことですが、根絶することはほぼ不可能なことです。私たちが道を歩いていても、自動車や自転車の運転にヒヤッとさせられることは多いですし、完全に防ぐことは残念ながら、現在はできません。ですから、大事なことは事故が起きたら、状況を確認し、何よりも負傷者が出たら救護を最優先し、周囲に危険が及びそうであったらそれを防いで、被害を拡大させないことです。
2014年12月12日(投開票日は14日・金曜日)午後1時30分ごろ、不幸にして交通事故が起きてしまいました。金曜日の午後、恐らく昼食後ということもあったのでしょうから、ついつい油断もあったことでしょう。また、選挙戦終盤、東京一区は海江田万里民主党代表の選挙区ですから注目を集め、大接戦とも報じられていましたから、運動員は連日フル回転で働いていて、疲れもたまっていたことでしょう。
事故が起きたのは千代田区神田神保町の交差点です。この交差点の辺りは、私も何度も足を運んだことがある場所ですが、出版社や古書店が密集し、人通りも自動車や自転車の通りも多い場所です。少し歩けば明治大学や日本大学もあります。ここの近く、岩波ホールの前で街頭演説をするというのは頷けます。ここで事故が起きてしまいました。
事故現場と演説場所地図;冒頭URL先
自動車を停めた運動員が後部ドアを開けたところ、そこにバイクに乗った男性が衝突して転倒してしまったのです。男性は一時意識不明に陥ってしまったとのことです。救急車で搬送され、診断は外傷性くも膜下出血ということです。
個人的なことで恐縮ですが、私の父は、私が生まれて間もなく、このくも膜下出血で倒れました。意識不明で発作などもありましたが、幸い一命は取り留めましたが、重い後遺症が残ってしまいました。私にとっての父は体が不自由で、意志疎通も困難な存在でした。ですから、私はこの病名を聞くと、心が粟立ってしまって冷静さを保つのが難しくなります。私から「父」を奪った病気だと憎む気持ちがあるからです。外傷性の場合はまた違うかもしれませんが、事故に遭われた男性が快癒されることをお祈りするばかりです。
この病名を見て、私は「交通事故が起こることは仕方がない」と書くのは本当は嫌だったのですが、それが現実ですから仕方がありません。事故を起こしたら、その後の対応が何よりも重要です。被害者の方は救急車で病院に搬送されたようなので、事故直後の対応は良かったようです。しかし、事故後の対応は非人間的、杜撰なものでした。私が問題だと思う点を4つ挙げたいと思います。
@山田氏らは救急車が到着後に現場から約30メートルの場所で街頭演説を始め、事故処理中も続けた。
候補者にとっては街頭演説は重要です。東京一区は日本の首都東京の中でも一番の繁華街やオフィス街を抱えているので、その場所取りや場所の選定は大変だと思います。ですから、街頭演説を優先したい気持ちは分かります。しかし、サイレンを鳴らして救急車がやって来たわけです。それなのに、事故処理中も大音量のマイクで演説を続けたというのはどういう神経なのか、理解に苦しみます。「事故処理が終わるまで、少し待ちましょう」となるのが当然ではありませんか。この非人間的、非人道的な行為を日本の政治家が行ったということに私は悲しみを覚えます。
A山田氏本人に事故の報告をしたのは同日夕方だったという
この点もおかしいなと思います。自分が街頭演説をしている時に恐らく人々が自分ではなく、別のものを取り囲んでいて、救急車が来ていて、自分の選挙陣営の車がそこにあったら、少なくとも「何かあったのか」と不思議に思うはずです。そして、演説が終わった後に陣営の人々に「何があったのか」と聞くはずです。報告を受けたのが夕方というのはおかしいと思います。事故が起きたのは午後1時半、救急車が着いた後に演説を始めた訳ですから、夕方に報告を受けて初めて知ったというようなことはまずありえないはずです。その場で、「私の陣営の運動員が事故を起こしてしまった」と知ったはずですから、事故が起きて、被害者が渋滞であることを知りながらも、その後も何事もなかったかのように選挙運動を続けたことになります。事故の翌日は選挙戦最終日で、東京一区に含まれる秋葉原には安倍晋三総理大臣、麻生太郎財務大臣がやって来て、最後の打ち上げ演説を行いました。その場に山田美樹氏もいた訳ですが、どんな気持ちだったのでしょうか。
写真;山田氏と麻生、安倍両大臣 冒頭URL先
B翌日に被害者の入院先を訪ねてきた秘書が、応対した親族に「(投開票後の)月曜まで待ってくれ」などと言って身分を明かさなかった
事故の翌日は2014年12月13日(土曜日)です。翌日ともなれば、被害者の状態もだいぶ落ち着いた頃でしょうから、この日に秘書がお見舞いに行ったのは良かったですが、ここで、秘書が自分の身分を明かすことを拒み、「月曜(2014年12月15日)まで待ってくれ」と言ったという部分は最悪です。事故が起きたら、お互いの姓名や連絡先、出来たら勤務先を交換しておくことをまずやるべきだということは常識です。どこの誰とも分からない人と事故後の対応ができる訳がありません。それを拒むというのは、間接的な「ひき逃げ」行為です。
被害者の家族や勤務先の人々は、おそらく、「選挙運動の車で事故に遭ったんだろう」という推測は現状から判断していたと思います。ここで、きちんと「自民党公認候補の山田美樹の運動員が事故を起こしました。申し訳ありません。誠実に対応させていただきます」と言えば、被害者の家族や勤務先の方々も事故に対して怒りを持っていたとしても、「逃げ隠れするようなことはないんだな」と事故後の対応については安心できたと思います。
それを「月曜日まで待ってくれ」などと言って身分を明かさないとなっては、「こいつら逃げようとしている。被害者のこと、事故後の対応よりも選挙を優先している」と感じるのは当然でしょう。
今回の選挙では、安倍晋三首相(自民党総裁)と茂木敏充選対本部長は、民主党の執行部や幹部の選挙区を重点的に狙い撃ちし、重点的に大物を選挙応援に投入していました。
事故発生時の演説には、小池百合子元環境相が応援演説に来ていたという話もあります。東京一区は海江田万里民主党代表の選挙区で、海江田氏が元々選挙に強くないということもあって、「何としてでも落とせ」という厳命が山田氏陣営には自民党本部から降りて来ていたことは想像に難くありません。これは当選1回の山田氏にとっては大きなプレッシャーになったでしょうし、陣営全体にも重くのしかかったことでしょう。
こうした状況下で、非人間的な対応が起きてしまったのではないかと私は考えます。これは、ブラック企業とそっくりです。
C山田氏が病院を訪れたのは、毎日新聞が取材を申し込んだ翌日(20日)だったという。事故当日の経緯や事故後の対応について、国会周辺で山田氏本人に直接聞いたところ「イレギュラーな取材は勘弁してほしい」とだけ述べた。
山田氏が直接事故を起こした訳ではありません。しかし、事故を起こした運動員の上司です。それならば、せめて選挙期間中は無理にしても15日以降にすぐに病院に駆けつけて、謝罪の言葉を述べるのが当然ではないかと思います。それを新聞社から取材の申し込みがあって慌ててお見舞いに行くなど、対応があまりにも杜撰です。政治家として理想も理念もおありで、立派なことを言われても、このような対応一つで、「この人の言うことは響かない」ということになります。政治家にとっては言葉は命であり、それが人々に響かないとなれば、潔く身を引くしかありません。
この事故の記事が今頃になって出てきたことは、東京一区の有権者にとっても不幸なことでした。有権者は候補者のあらゆる情報を知って自分の一票を投じる権利があります。立候補者は有権者の審判を仰ぐわけですから、それこそあらゆる情報が開示されることになります。そこには「下半身事情」やら「健康情報」すらも含まれます。それが嫌ならば、人々から選挙で選ばれる公職に就こうなどと考えないことです。
今回の事故のことも有権者にとっては当然知らされて当然の候補者情報です。それを隠蔽するかのような山田氏陣営の行動は、有権者の不利益となります。有権者の不利益を敢えて行うような候補者が国民の代表、選良にふさわしいとは賢明なことで知られる東京一区の有権者の方々はまさか思われないと思います。
私が今でも引っかかっているのは、山田氏の秘書が述べた「月曜日まで待ってくれ」という言葉です。これは「月曜日になったらきちんと身分や連絡先を教える」ということだと思いますが、「月曜日には恐らく当選して、再び議員になるのだから、議員になってしまえば、こんな事故なんて揉み消せる。ただ落選してしまえばそうもいかない」という気持ちがあったのではないかということです。
最後になりましたが、事故で負傷された男性の一日も早い快癒を心からお祈り申し上げます。
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
●「山田美樹氏:運動員人身事故、近くで演説 秘書が身分隠す」
毎日新聞 2014年12月27日 15時00分(最終更新 12月27日 18時28分)
http://mainichi.jp/select/news/20141227k0000e040214000c.html
◇被害男性、一時意識不明 秘書「月曜まで待って」
衆院選公示期間中の12日、東京1区の自民党、山田美樹氏(40)の運動員が選挙区内で人身事故を起こし、被害者が救急搬送される近くで山田氏ら陣営が街頭演説を行っていたことが毎日新聞の取材で分かった。翌日に被害者の入院先を訪ねてきた秘書が、応対した親族に「(投開票後の)月曜まで待ってくれ」などと言って身分を明かさなかったことも判明。被害者側は「非常識だ」と批判しており、山田氏の事務所は取材に対し、山田氏本人に事故をすぐ報告すべきだったなどと釈明している。
警視庁神田署などによると、事故は12日午後1時半ごろ、東京都千代田区神田神保町2の神保町交差点そばで発生。道路左側に止めた車の右後部ドアを運動員の30代男性が開けたところ、後ろから来た都内の印刷関連会社に勤務する60代男性のバイクと接触した。男性は転倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。半年間の通院が必要で運転もできない状態だという。
車に乗っていた山田氏事務所の吉沢昌樹政策秘書らによると、遊説支援で山田氏と合流するため神保町へ向かい、到着直後に事故が起きた。山田氏らは救急車が到着後に現場から約30メートルの場所で街頭演説を始め、事故処理中も続けた。終了後に選挙カーで移動し、山田氏本人に事故の報告をしたのは同日夕方だったという。
被害者の男性は勤務中で、勤め先の会社会長(68)は「運動員の事故も知らず、近くで演説するのはおかしい」と指摘。「吉沢秘書らが親族を訪ねたのは事故翌日で、名刺を渡すことや身分を明かすことを『月曜(投開票翌日)まで待ってほしい』と言って拒んだと親族から聞いた。不誠実だ」と批判する。
取材に対し、山田氏の事務所は「候補者(山田氏)への事故発生の連絡が遅くなった点については厳重に注意した」と文書で回答。被害者側への対応については「捜査中で詳細について説明できないが、誠意を持って対応している。山田もお見舞いに伺った」としている。
しかし、山田氏が病院を訪れたのは、毎日新聞が取材を申し込んだ翌日(20日)だったという。事故当日の経緯や事故後の対応について、国会周辺で山田氏本人に直接聞いたところ「イレギュラーな取材は勘弁してほしい」とだけ述べた。
山田氏は東京大法学部卒業。米コロンビア大経営学修士の元経済産業官僚で、東京1区で民主党代表だった海江田万里氏を破り再選された。【鈴木泰広】
(新聞記事転載貼り付け終わり)
(終わり)
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