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衆院選:自民の中立要請、選挙報道に影響 テレビの在京6局
http://mainichi.jp/shimen/news/m20141229ddm004010057000c.html
毎日新聞 2014年12月29日 東京朝刊
自民党が衆院解散前日、テレビ局6社の記者に街頭インタビューの集め方など、「公平中立」「公正」を求めた要望書を出した問題が波紋を広げている。「政治的に公平な報道」を明記した放送法を根拠にしたものだが、影響力の大きい政権与党がこのような文書を出すことは許されるのか。受け取ったテレビ局側がどのように扱ったのか。検証したところ、各局の選挙報道に有形無形の影響があったことが分かってきた。【望月麻紀、須藤唯哉】
◇「街の声」に不快感 首相発言が契機に
11月20日。東京・永田町の自民党本部の部屋に、NHKを含む東京のテレビ6局の記者が1人ずつ呼ばれた。自民党担当の「キャップ」と呼ばれる記者らで、同党筆頭副幹事長の萩生田光一衆院議員からそれぞれ1枚の紙を手渡された。
「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」と書かれた紙は、萩生田氏と福井照・同党報道局長の連名で、各局の報道局長と編成局長あて。出演者の発言回数及び時間▽ゲスト出演者の選定▽街頭インタビュー、資料映像の使い方▽特定の立場から特定の政党出演者への意見集中がないこと−−の4項目にわたって対応を求める内容だ。今月14日に投開票が行われた総選挙の報道に対する要望だった。
11月18日夜、安倍晋三首相は、TBSの番組「ニュース23」に出演した際、アベノミクスに対して厳しい「街の声」が紹介されたことに「(声を)選んでますね」と不快感を示していた。萩生田氏は毎日新聞の取材に「街の声がかなり偏っていて、党の役員連絡会で話題になった。選挙期間中に同じことがあると、有権者の印象にも影響があるので、党の機関で文面を作った」と番組でのやりとりが文書作成の動機だったことを認めた。そのうえで「『偏向報道がないようくれぐれもよろしく』というごあいさつ。政治的に圧力をかける意図はなかった」と話す。
テレビ局関係者への取材によると、複数の民放では要望書のコピーが各番組の責任者に配られた。ある報道局デスクは「報道よりむしろ、(情報番組などの)制作が完全に萎縮した」と振り返る。要望書が配られた情報番組担当者は「生放送はトラブル回避が難しい。選挙はほとんど取り上げなかった」と話す。ある民放関係者は「具体的にどの番組の企画がとりやめになったかは分からない」としながら、「直接、指示がなくても、『これやっちゃうと上がまた何か言われるのでは』とみんなが空気を読むからたちが悪い」と嘆く。
この問題を、ニュースとして報じた局はなかった。NHKは要望書を受け取ったことを明らかにしていない。テレビ自身が問題を伝えないことに、関係者の中からは「視聴者の不信を招きかねない」と懸念の声も上がった。
◇ゲストの2人に「朝生」出演断る
影響が形となって表れたのは、11月29日未明放送のテレビ朝日系の討論番組「朝まで生テレビ!」で評論家の荻上チキさんとタレントの小島慶子さんの出演がとりやめになった件だ。衆院選について政治家と討論する予定だったが「ゲストの質問が特定の党に偏る可能性などがある」として出演を断られたという。
調査会社エム・データによると、在京6局の選挙期間中の選挙関連の放送時間は前回衆院選(2012年12月)の同期間に比べて約4割減った。
与党からの要望にテレビ局が萎縮するのは、制度上、政治との関係を断ち切れないからだ。民放は電波法に基づき、総務相から放送免許を交付され、5年ごとに更新を迎える。総務相の意向や判断は、その任命権者である首相を中心とする政権や、与党の影響を免れない。NHKの予算は国会が承認する。こうした仕組みを背景に、政権与党が「公平中立」をテレビ局にはたらきかけるとき、それは野党が「公平中立」を求めるのとは意味合いの異なる「圧力」になる恐れがある。
砂川浩慶・立教大准教授(メディア論)は「他の先進国では政府から独立した機関が免許を交付する。日本は放送に対する政府の関与が大きい」と指摘する。さらに「放送法4条には『政治的公平』の後に、『意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにするように』とあり、それが実は公平公正。いま国民が知っておくべき論点はどうなのかと考える中で、テレビ局が自律的に判断するしかない」と強調する。
ジャーナリストの江川紹子氏は、自民党が「公平中立」という言葉で報道のあり方を説いていることについて「『公平中立』には主観が含まれる。絶対的な尺度ではない。自民党が求めているのは自民党にとっての公平中立であって『批判的な声を抑制するように』と求めているに等しい」と指摘する。
◇共産、新党改革も公示日前に要請
今回の衆院選で、公平公正な報道を求める要望は政党によって対応が分かれた。
自民以外で公示日(12月2日)前に申し入れしたのは共産党と新党改革。共産党は11月26日にNHKと在京民放キー局を訪れ「不偏不党」「公平・公正」を要請。2012年12月の前回衆院選でも同様の申し入れをしていた。
民主党によると、同党は今回は申し入れをしていないが、過去には、放送後に「割り当ての時間が不平等」などと訴えたことがあるという。これまで放送前に要望したことはないという。
新党改革は党首討論に参加できないケースがあることなどから選挙のたびに要望しているという。「番組での取り上げ方ではなく、出演できるかどうかの入り口のところでの不公平を是正してほしいというお願い。自民党とは違う」と話す。
その他の政党はいずれも、今回の総選挙で放送局に要望はしていないと取材に答えた。=次回は1月12日に掲載します
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◇今回衆院選でのテレビ局への要請
自民 ○
民主 ×
維新 ×
公明 ×
共産 ○
社民 ×
生活 ×
次世代 ×
新党改革 ○
※○…あり ×…なし
◇
衆院選:自民の中立要請、選挙報道に影響 テレビの在京6局 萩生田・自民党筆頭副幹事長に聞く
http://mainichi.jp/shimen/news/m20141229ddm004010058000c.html
毎日新聞 2014年12月29日 東京朝刊
◇「放送法順守求めたまで」
テレビ局に文書を出した萩生田光一・筆頭副幹事長は今月24日、国会内で毎日新聞の取材に応じた。一問一答は以下の通り。【聞き手・青島顕、望月麻紀】
−−選挙を前に(党として)文書を出すのは今までもあったのか?
武部(勤)幹事長の時代に同じ対応をしたと聞いている。(国政選挙では)毎回、放送法を軽んじて事実と違う作り込みをされることがあり、複数の社と選挙期間中に「正しい報道をしてほしい」とやりとりをせざるを得ない。前回の参院選でも(一時取材拒否をした)TBSを含め3社と話をした。
−−文面を作ったのは。
前々日(11月18日)のTBS「ニュース23」で(安倍晋三首相が出演した際)「街の声」としてかなり偏った報道があった。党の役員連絡会で話題になった。選挙期間中に同じことがあると、有権者の印象にも影響があるので党の機関で文面を作った。「こういうことがあると正式に抗議をしなければならない。(選挙の)始まる前にごあいさつをさせてもらいます」というお願い文だ。
−−どのように渡したのか。
(6社の記者に)個別に来てもらい「よろしく」と渡した。1社ものの1分くらい。TBSとは前々日の放送内容について意見交換したが、クレームをつけたわけではない。
−−文面では細かい注文も付けている。局側が萎縮している。
(政治的公平を求めた)放送法を順守してほしいと申し上げたまでだ。批判は構わないが、視聴率を稼ぐために、うそ、でたらめの報道は困る。言論の自由を奪おうとか、政治的圧力で報道の中身を変えさせようという意図は全くない。
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