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<メディア批評>民意とのズレ広げる安倍政権の暴走と翼賛報道への懸念
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投稿者 pochi 日時 2014 年 12 月 23 日 20:40:34: gS5.4Dk4S0rxA
 

<メディア批評>民意とのズレ広げる安倍政権の暴走と翼賛報道への懸念

2014年12月22日 上出義樹


特別国会が12月24日に召集され、第三次安倍晋三政権がスタートする。それに先立ち、14日に投開票された衆議院選挙の結果と、さまざまな重要政策で民意とのズレを広げる安倍政権の体質については、既に数多くの分析や批判・指摘が公にされ、それぞれの筆者の視点から卓見も示されている。出稿が一周遅れとなってしまったが、本稿では、今回の衆院選が示した民意の特徴と併せ、暴走政治の一層の加速が懸念される第三次安倍政権の危うさと、政権与党に腰が引けたマスコミ報道の問題などに光を当てたい。


衆院選で自公は本当に「圧勝」したと言えるのか
今回の衆議院選では与党の自民が選挙前より5議席減らして290議席(追加公認を含まず)となり、4議席増えて35議席を得た公明と合わせ、与党の獲得議席数は現状維持だっ
た。両党で引き続き衆議院の3分の2の議席は確保したものの、議席数の増減を見れば決して勝利とは言えない。しかし、全国紙の15日付朝刊1面を見ると、読売や産経が「自公圧勝」、朝日が「自民大勝」の見出しを付けている。朝日は編集局内で「大勝」の見出しに異論もあったそうだが、「自民横ばい自公3分の2維持」の見出しを付けた毎日新聞の判断が妥当なところだろう。「圧勝」や「大勝」の表現に対しては「安倍政権に迎合する翼賛報道」「誤報に近い見出し」との指摘も聞かれる。全く同感である


全有権者に対する自民の比例区得票率はわずか17%
一方、全国の比例区で自民党が獲得した1765万の得票数を投票者数の5333万で割った得票率は33%、さらに、投票に行かなかった有権者を含めた当日の全有権者数1億396万人を分母とした自民党の得票率(絶対得票率)は17%しかない。得票率の点から見ても「圧勝」「大勝」とは言い難い。得票数の差は小さくても議席数で大きな差がつきやすい小選挙区制ならではの仕組みと、衆議院選挙としては史上最低の52%という低投票率がもたらした自民党の290議席ではあるが、1党だけで過半数をはるかに超えた議席数ほどには、国民は自民党を支持していない実体がよくわかる。

沖縄選挙区での自民全敗を一面で扱わない全国紙
それでは、メディアが報ずべき衆院選の眼目は何だったのか。まず、その一つは、沖縄の4つの小選挙区で、米軍新基地に反対する共産、社民、生活の党、無所属の各候補者が全員勝利し、自民党の候補が全敗したことである。11月の沖縄知事選に続き、米軍基地に明確に「ノー」を突き付けた「オール沖縄」の画期的な民意の表明にほかならない。ただ、この自民全敗を一面の見出しに取った在京紙は東京新聞だけ。痛恨の「全敗」を悔やむ安倍首相を刺激しないように、新聞社によっては1面の扱いをあえて避けたのかもしれない。


共産党の躍進も衆院選の眼目のはずだが…
もう一つの眼目は、自民党と対極にある共産党が、選挙前の8議席から13議席増えて、議案提出権を持つ21議席へと躍進し、全政党の中で最多の議席増となったことである。これとは対照的に、自民党のさらに右側にいて、「憲法改正」を党是とする次世代党が17議席から2議席へと惨敗した。共産党躍進の背景にある民意などを深掘りする記事は必携なはずだが、東京新聞などを除き、共産党関連の新聞記事は総じて地味な扱いだった。政権与党に真っ向から反対する「オール沖縄」の完勝と共産党躍進は、自公「圧勝」の紙面にかき消されがちだったが、今回の選挙結果の核心であり、「民意の逆襲」とも言える。


国民がいくら反対しても数の力で強行突破
今回の衆院選で安倍首相は、「アベノミクス」による景気回復を最大の争点とし、「この道しかない」と与党への支持をアピール。引き続き与党が国会で3分の2を超える議席を得た第三次安倍政権は、選挙期間中に争点とならなかった集団的自衛権の行使容認や原発再稼働の推進、さらに、26nある自民党の「政権公約」集で最後の数行分しか書かれていない「憲法改正」など、国民が望まないことにも次々手を付ける構えを見せている。しかし、いずれの問題も最近の世論調査では反対や慎重論が賛成を上回っている。こうした民意とのズレを平然と無視し、数の力で強行突破する安倍政権の乱暴な流儀は、昨年末に国会を通過し、この衆院選の最中の12月10日に施行された特定秘密保護法などにも端的に表れている。


有権者は自民党の個別の政策まで白紙委任したわけではない
朝日新聞の12月18日付朝刊に掲載された衆院選直後の電話世論調査の結果によると、自民党が「大勝」した理由として、「安倍首相の政策が評価されたから」を選んだ人が11%に過ぎなかったのに対し、「野党に魅力がなかったから」を選んだ人は72%にも上った。今回、自民党に投票した有権者の多くは、進んで入れるというよりは、入れるべき野党の候補者がいないので、消去法で自民党の候補者に投票している。また、筆者(上出)の通学する大学のキャンパスや、繁華街の街頭などで学生、市民らにインタビュー調査をしたところ、半分近くが投票に行っておらず、その理由として「投票すべき候補者や政党を投票日になっても結局、絞り込むことができなかった」と回答する有権者が多かった。こうした調査の結果からもわかるように、自民党に投票した有権者を含め、国民は自民党に決して白紙委任したわけではない。にもかかわらず、安倍首相は国民の信任を得たとして、きな臭い「いつか来た道」さえも突き進もうとしている。


選挙後にマスコミ各社の編集幹部が安倍首相との会食を早速再開
そんな暴走政治を厳しくチェックすべきマスコミは、開票から2日後の16日夜に読売、朝日、NHK、日本テレビなど大手7社の編集幹部らが完全オフレコの約束で安倍首相との会食を再開するなど、政権与党への相変わらずの迎合ぶりを見せている。朝日新聞などが、原発再稼働の問題など個別の政策でいくら安倍政権に批判的な記事を書いても、これではマスコミが政権与党に甘く見られるはずである。




(かみで・よしき)北海道新聞社で東京支社政治経済部、シンガポール特派員、編集委員
などを担当。現在フリーランス記者。上智大大学院博士後期課程(新聞学専攻)在学中。

www.shibuya-west.com/pdf/kamide_141222.pdf

 

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コメント
 
01. 2014年12月24日 13:24:11 : uMcHfTnA4o
全くその通り
だが安倍はバカだから自分に都合のいいようにしか
解釈しない
そして自民党国会議員たちは目先のことにしか興味がないから
いや?
先見の明がないから安倍に盾つくこともできない
先見の明があったら
来年には安倍が窮地に陥る次を狙って
今から安倍に反旗を翻す議員が出てくるのが当たり前なんだがねェ

安倍とともに去りぬ!
390人の民主党衆議院議員たち

次を狙って野党も安倍の真逆の政策を掲げたもん勝!


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