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19日、次世代の党選対本部総括会議に臨む(左から)平沼赳夫党首、石原慎太郎最高顧問、藤井孝男総務会長=衆院第2議員会館(酒巻俊介撮影)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141223/plt1412231011002-n1.htm
2014.12.23
次世代の党が、衆院選大敗により結党からわずか4カ月で存続の危機に直面している。衆院の勢力は選挙前の19から平沼赳夫党首と園田博之顧問の2にまで激減し、発信力に優れた石原慎太郎最高顧問は政界を引退、離党の動きも出ている。政権とは「是々非々」で臨んできた次世代の後退は、安倍晋三首相の政権運営や憲法改正にも影響しそうだ。(内藤慎二)
「全国で応援したが、力が足らず、皆さま方につらい思いをさせてしまった。心から反省している」
19日、国会内で開かれた党選対本部総括会議の冒頭、平沼氏は沈痛な面持ちで、こう語った。会議は重苦しい空気に包まれ、ある落選議員は終了後、石原氏の手を握りながら「選挙区まで応援に来ていただいたのに申し訳ありません」と謝罪の言葉を口にした。
次世代は、比例代表で2.65%を獲得、「2%以上」という政党要件を満たしたこともあり、平沼氏は会議で党を存続させる考えを示した。
だが、投票2日前の12日、アントニオ猪木参院議員は離党届を提出した。園田氏は古巣・自民党への復党を希望し、「実現性は低くない」(次世代幹部)とみられる。
山田宏幹事長や中田宏国対委員長ら党幹部が軒並み落選した。後任の幹事長に、衆院解散後に入党した参院議員の松沢成文副党首の名前が挙がっている。
野党の弱体化は本来、安倍政権には大歓迎に違いない。ところが、次世代の後退は悩ましい問題だ。
山田氏は2月の通常国会で、慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話の欺瞞(ぎまん)性を取り上げた。これを受けて安倍政権は談話作成過程の検証に着手。有識者チームが「いわゆる『強制連行』は確認できない」との報告書をまとめた。朝日新聞が慰安婦問題に関する32年前の誤報を認めることにもつながった。
慰安婦問題は首相が重視してきた課題だが、足下の自民党では大きなテーマにはならなかった。首相と次世代は「保守」という共通理念の下、与野党の立場を超えて役割分担してきたといえる。首相が目指す憲法改正でも、足並みをそろえたいところだった。次世代の後退は、政権にとって野党からの側面支援を失うことになりかねない。
落選した次世代幹部は寂しげにこうつぶやいた。
「いったいだれが国会で慰安婦問題を聞くの? これから安倍政権は漂流していくよ」
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