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2014-12-20 09:31:28
「従軍慰安婦問題はなかったことにする」運動が勢いを増し、ボクが住む大阪北摂の箕面市でも市議会に「撤回する意見書」が提出され、一昨日12月18日の本会議で賛否同数の結果、議長判断で可決される残念な結果になりました。
あらかじめこうなると予想できたので、かぎになる議員に面会を求め話をしたのですが、その議員は「慰安婦問題は外交問題であり、そうした国の専決事項に地方議会がうんぬんすべきではない」などという珍妙な理屈にこだわり、話し合いは物別れになりました。
もう少しましな議員がいるものと思っていましたが、箕面市の劣化も相当ひどい程度にまで進んでいました。
これは、日本全国で見られる現象です。維新の党とつながりが深いヘイトスピーチ集団が主導して、全国で「見直し決議運動」を進めています。
朝日新聞の誤報問題をきっかけに、「慰安婦問題はなかった」ことにしたい勢力が力を増し、こうした歴史修正主義が一定程度勢力を伸ばすことができるのは、歴史をきちんと継承する力を失ってきたメディアに大きな原因があるといえます。
そのメディアの有力論説委員は、安倍首相との会食がしばしば伝えられています。官邸から会食のお誘いがあると、まるでしっぽを振るかのように応じるのが当たり前だそうです。時の権力者の供応に応じることに躊躇はなさそうなのです。
むしろ、自分が時の権力者といかに近いかをひそかに誇っているように見受けます。
メディアがそんな政治風土だから、時の権力者を本気で批判はできません。いわば飼いならされているので、いざという時は権力者に有利な論説を展開します。普段は当たり障りのないところで、少しだけ批判してお茶を濁す。
いやそれどころか、日本で最大部数を誇る読売新聞にいたっては、社説でも安倍政権の政策を全力で支えてきました。大本営発表新聞に化してしまっているのです。
政権党の暴走をチェックする最大の役割があるはずの野党は、「1強多弱」の多弱でやられっぱなし。
学者の立場から批判できるはずの政治学者も、権力にすり寄る御用学者が幅をきかすご時世です。
メディアのなかのジャーナリズムだけは、本来の役割が権力の監視機能にあります。しかし、見てきたとおりのお粗末さ。かくして日本の劣化は、とどまるところなしといった風情です。
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