04. 2014年12月20日 09:45:00
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つくづく時事通信は時代遅れであり、化石であることを証明している。 米国の中の革命であることに気づいていない。 軍産複合体・企業民主主義・国際金融資本の最終段階にさしかかっている証である。 米国の世界支配体制(独裁)が終わっただけである。[原田武夫氏]「逆オイルショックを考える~これから何が起きるのか?~」 https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=81540 現在、本当に苦しんでいるのはロシアではなく、シェール頼みのアメリカで、このまま行くとシェール関連の金融商品が吹き飛ぶ可能性があるようです。 また一連の動きの本当の目的は、シェール関連の金融商品を炸裂させることでドル離れを起こし、「多極化の仕組み」づくり、つまり複数の基軸通貨を持とうという話しを推し進めることではないかと分析しているようです。さらに、アメリカもそれを見据えて1つの役割を演じているに過ぎないのではないかとのことです。 今のこの状況は、追い込まれた連中の破れかぶれなのか、それとも意図的なのか分かりませんが、「多極化の仕組み」を加速させる方向に向かっていると言えそうです。 ———————————————————————— 「逆オイルショックを考える~これから何が起きるのか?~」 皆さんこんにちは。 今回、ホワイトボードセミナー11回目といたしまして、"逆オイル・ショックを考える"〜これから何が起きるのか?〜ということで、皆様方と一緒に現状における世界マーケットの大問題である価格の崩落とその影響について考えてみたいと思います。 とにかく今、ルーブルですね。ロシアの通貨のルーブルが大暴落していると。ロシアの中央銀行が金利を引き上げたにもかかわらず暴落しているという、これはもう大変な異常事態が生じているわけであります。 それのみならず、それ以来、新興国の通貨も軒並み崩落しているということでありまして、一体、何が起きているんだろうかという風に思われている方もたくさんいらっしゃるのではないかと思うわけです。 これまでホワイトボードセミナーの場で何度も申し上げてきましたけれども、今起きている事というのは、実際の実態の経済がどうのこうのというよりも、1970年代、或はもっと前からずーっと続いてきたヨーロッパ、アメリカが主体となって進めてきた、所謂、マネタリズムですね。或はその別名は、ファイナンシャルキャピタリズムという風に言いますけれども、この金融資本主義がいよいよ行く所まで行っちゃったという所にあるわけであります。 ここでは詳しくは振り返りませんので、是非、前回の、或はその前のこのホワイトボードセミナーを見比べていただければと思うんですけれど、簡単に言いますと、要するにこれからデフレ縮小化の世界経済になってくるということを前提にしながら、インフレ誘導を敢えてヨーロッパ、アメリカはしてきたわけであります。その中であまりにもなっちゃったので、これはインフレが止まらなくなっちゃったというのが1990年代の後半にアジア通貨経済危機というのを招くということになってきたわけであります。 このアジア通貨経済危機が生じたこの反省から、ディスインフレーション政策ですね、インフレ率を極力抑えるということを為替レートと金利を使ってやり始めた。その結果、極超低金利に各国がソフトランディングしてしまって、その結果どうなったかと言うと、金利は少しでも安い所でお金を借りて、金融商品で相場を張って、バーッとそこで儲かったら別の所に売り抜けて他の所に行くと。そういうものすごい動きがヘッジファンドを中心にして生じてしまったわけであります。 ですから、今回はルーブルが暴落して、或は新興国の通貨が動いているというのも、必ずしもこれらの国々の経済の実態がどうのこうのと言うよりも、これはマーケットにひずみが生じたなということで、バーッと動いているという要素が非常に強いんだということについて、まずは冷静に考えておく必要があるんだと思う訳であります。 それではですね、この原油マーケットに一体どんなことが実態としてあるのか。その実相についてお話しをしていきますとですね、これは簡単に申し上げますと、所謂、シェール革命という風に言っておりますけれども、無理矢理地面の奥底から掘ってくるという、アメリカ、或はカナダで実際に起こっていますけれども、これに対して既存の採油国、特にアラブ諸国、湾岸諸国が非常に危機感を抱いているということがあるわけであります。 要するに、今回ですね、元々原油価格というのは、1990年代が始まる位は1バレル当たり20ドル位から始まっているわけですよ。ですからそれがワーッとなって、200ドル近い状況までになったというのは、これは明らかに実需によるというよりも1990年代の前半、一番最初にモルガン・スタンレーという都市銀行が始めた所から始まっていますけれども、所謂、金融商品のアセットのポートフォリオの中に、この原油の先物を入れたという所から状況が大きく変わってきたという風に考えていただく必要があるわけであります。 すなわち、これもですから実体経済がどうのこうのと言うよりも、金融の世界で原油価格は、特に先物主導で変わっていくという状況になっている。 その中で、更に輪をかけて状況を複雑にしているのは、そのシェールガス、シェールオイルを掘るために、これは出て来るまでに5年とか或はそれ以上かかったりするわけですよ。ということは、金利が非常に高くても、これからどんどんシェールが出てきて、アメリカというのは産油国になって、今でも産油国ですけれども、世界最大の産油国になって、アメリカ経済は全然どんどん良くなるんですよという夢を投資家に対して語るということを通じて、結局何が生じてきたのかと言うと、ハイ・イルードですね。高金利の金融商品、こういったシェール関連の企業の社債が大量に売られてきた。或はそれに紐づけられるかたちでたくさんの金融商品が組成されてきた。 これが結局、原油価格がどんどん下がってくる。先ほど申し上げた既存採油国側、特にサウジアラビアを中心とした産油国側が、様々なかたちで今まで追い詰められてきた。その追い詰められてきたしっぺ返しをするかたちでヨーロッパ、アメリカに対してですね、或はもっと具体的に言えば、アメリカとロシアを対象にしながらどんどん原油を増産こそしないけれども、減産をしないという消極的な不作為を通じて原油価格をどんどん下落させているわけです。下落をさせていくと、実は1バレル当たり80ドル位というのがシェールオイルのシェール革命で出て来るその石油のベンチマーク(水準点)、損益分岐点になりますのでこれより今はどんどん下がっているわけです。下手したら1バレル当たり40ドルだなんてことになった場合には、これは先ほど申し上げた一連のシェール関連の金融商品が吹っ飛んじゃう可能性があるというところが出てきているんです。 なので、今世界経済は勿論、ヨーロッパ、アメリカを中心にしながら芳しくないという状況があるわけでありますけれども、アメリカも結局これは(景気が)いいと言っているのは、シェール革命のせいでありますので、その事も考えるとですね、今の金融マーケットの実相というのは、そもそも論として1バレル当たり百何十ドルだなんていう状況、或は百ドルだと保ってきたのがおかしいんですけれども、その後、ドーンと落ちているというのもまたこれも、実際は特に実体経済を必ずしも反映しているのではなくて、そういった戦略的な意図、或は金融主義独特の特異な現象が今生じているというのが実相であるという風に考えていただく必要があるんだと思います。 本当に苦しいのは、先ほど申し上げた通り、アメリカであります。すべてはシェール頼みの状況になっています。ですので、今失業率がどんどん下がっているのも、シェール革命をやっているシェールを掘っている所の失業率が非常に下がっているので全米としてそうだと。 これはシェール革命はそういうことで、全然、ファイナンス側、先ほど言ったように高金利でかりてますので、シェール関連の話が全部吹っ飛んじゃうということになってくると、シェール革命は何だったんだろうという話になっちゃうわけです。そうするとアメリカ全体がこれから景気が良くなってきて金利を引き上げようかなんていう、だからドル高だなんていうそんな状況にならなくなってくるんですね。 それを捉えて何が起きてくるのか。結局この動きは何が目的なのかと言うと、私どもとしては、所謂マルチ・ポーラー・システム、これは「多極化の仕組み」というのを作っていくというのが、今回の一連の動きの焦点なんじゃないかなと。要するに、国際基軸通貨としてのアメリカのドルがあると。これを中心にして作られてきた今までのブレトン・ウッズ体制というのはですね、大きく変容する。その大きな原動力、枠組みを変えるという作業を実は今、こういうかたちでやっているんじゃないだろうかと。 当然、ヨーロッパ、アメリカ、特にアメリカもこの事を織り込んだ上で、1つの役割りを担っているにすぎないのかなという感じもあるわけです。ですので、直近において、こういった石油関連の、シェール関連の金融商品がボーンと炸裂する事を通じて、大きく金融マーケットが揺さぶられるということのみならず、その向こう側でアメリカ自身がですね、更にもう1回金融危機ということになってくると、やはり米ドルはだめだよと。米ドルだけでは非常に世界経済全体が危ぶまれるので、マルチ・ポーラー・システムですね、すなわち基軸通貨を複数、持とうじゃないかという話になってくる。 来年の後半、国際通貨基金のIMFにおいてはまさにこれに関する議論に直結するような、所謂、通貨バスケットの議論が行なわれることになっています。どうもそれを睨んで、各国が動いているんじゃないか。 ということは、ロシアも今追い詰められている感じがしますけれども、果たしてほんとに追い詰められているんだろうかと。むしろですね、そのマルチ・ポーラー・システムができた先において、アメリカではなくてこれから盛り上がってくる国、具体的には中国でありますけれども、それとの関係で緊密になればですね、今の騒動において1つのこれも歌舞伎をやっているだけじゃないか。ルーブルは大暴落と言ってもロシアが1998年のような債務危機に陥る事はないんじゃないか。むしろ、マルチ・ポーラー・システムになった時に、一体どういう風にすればいいのかという事を今の間から最終的に考えて決める必要があるんじゃないかということなんですね。 すなわちこれは、個人のレベル、或は企業のレベルを超えて、我が国としてどうすればいいだろうかと。我が国に対するインパクトは、要するにマルチ・ポーラー・システムになったらば、対米依存ということではなくなってくるんですね。 要するにアメリカはむしろ、いやいやもういろんな多極化の世界ですからそんなアメリカに対してだけおんぶにだっこで頼りにしないで下さいという風に言い出してくる可能性があるわけですよ。 ということは、じゃあ経済はどうするの、政治はどうするの、防衛はどうするの、安全保障はどうするのと様々な点で、要するにマルチ・ポーラー・システムに沿ったかたちでの我が国の在り方というのを作り直さないといけないと。 一体どっちにいくんだろうかと、クオ・バディスですね。一体どうなっていくんだろうかということが、この年末に向けて国際経済全体、とりわけわが国、私たち日本人に対して突き付けられている大きな課題、宿題なんだろうなという風に思っているわけであります。 文字起こし:はちコ |