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誰が新代表になっても民主党の再建は容易ではない 永田町の裏を読む/高野孟
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2014年12月18日 日刊ゲンダイ
史上最低の投票率ということは、史上最高の政治不信と同義であり、自公合わせて3分の2議席を超える安倍政権の圧勝とは、実はこの政治不信の深さの裏返しでしかない。こうした事態を招いた元凶は、もちろん、あらゆる虚言と詐術を用いて有権者を攪乱してきた安倍晋三首相自身であるけれども、それに対してきっぱりとした対抗軸を立てることを怠った民主党の罪も、同じくらい重い。
民主党政権は未熟きわまりないものであったが、それでも鳩山由紀夫元首相は沖縄県民の心に寄り添って辺野古基地の「県外」移設に、菅直人元首相は自然エネルギー拡充による原発ゼロへの転換に、それぞれ政治生命をかけて挑戦した。もし民主党が全党を挙げてこのトップの挑戦を支え抜いて闘っていれば、少なくとも、その2つの国の命運にかかわる重要課題については明確に保守VSリベラルの対抗軸が形成され、今度の選挙も全然違う図式となったはずだ。しかし、民主党はそうしなかったばかりか、2人をトップの座から引き下ろすことを選択した。野田佳彦元首相にいたっては、対抗軸どころか、原発再稼働、消費増税、TPP推進、尖閣で中国挑発など、自民党が喜びそうなことばかりやって民主党を瓦解させ、ついでに、せっかく芽を出したばかりの2大政党制の可能性をも破壊した。
その後始末を引き受けた海江田万里代表にとってはいかにしてリベラル理念の再建と党の再生を図るかが使命であり、そのためには、野田をはじめ自民党の“トロイの馬”のような連中を叩き切ってでも前へ進もうとする蛮勇が必要だったろう。しかし実際には彼は、「この2年間、党の団結に心を配ってきた」という本人の言葉が示すように、理念や政策の議論をしないことで、ちんまりと現有勢力を維持することだけに腐心してきた。敗北の総括も1年半が過ぎてようやく出てきたけれども、それは「穏健中道の国民政党」をめざすというお粗末なものだった。
「中道」というのは、左と右が対立している時代にその中間で是々非々の態度をとるという、55年体制下の旧民社党のようなことを言うのであり、左右対決図式が壊れた今こそ保守VSリベラルの座標軸が必要になっているということをまるで理解していない。
海江田が辞任して「次は誰だ」「自主再建か野党再編か」などと取り沙汰されているが、誰がなっても、高い理念と強い対抗戦略で全党が一致しなければ、再建も再編もありえない。
▽〈たかの・はじめ〉1944年生まれ。「インサイダー」「THEJOURNAL」などを主宰。「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
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