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2014年12月17日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「自民党の圧勝に終わった衆院選。安倍首相は、してやったりでご機嫌かと思いきや、当日の選挙特番でキレまくっていた。既報のとおり公示前に自民党がテレビ局に圧力をかけた影響か、選挙期間中の選挙報道の時間が、2年前の総選挙の3分の1になるという体たらく」−lite−raが12月15日、「安倍首相がZERO村尾にブチギレ完無視!古舘は口封じ状態!大荒れ選挙特番」という見出しをつけて報じている。
今回総選挙(12月14日)の開票が午後8時始まった途端、自民党が大圧勝の結果予測が報じられ、最終的に「自民・公明3分の2突破=326議席獲得」となった。
安倍晋三首相「高笑い」の様子が報道されているとだれもが思ったはずであった。ところが、豈はからんや、テレビ報道のキャスターとのやりとりで、大喜びどころか、「不機嫌、イラつき、激怒、当たりチラシ」と常軌を失した異常反応ぶりを示していた。安倍晋三首相の「病状」と「総選挙の真の目的」を知っている有権者たちは、「きついステロイドの飲み過ぎによるひどい副作用の仕業」と理解と同情の念を示していたけれど、知らない有権者のなかには、キャスターの質問ぶりを追及して、丸で悪者扱いする向きも少なくなかった。
◆安倍晋三首相は、総選挙結果予想について、マスメディアが「300超」、自民党選挙対策本部が「320」を打ち出していたのに、フタを開けてみると「291」(それも1は、無所属候補者を追加公認)と公示前勢力295を下回っていたので、「当てが外れた」とガッカリしたのかも知れなかった。だが、公示前には、「自民党単独で過半数(238)取れば、責任を問われない」と公言していたハズだったので、「300」に迫っただけでも十分誇れる。だから、不機嫌になったのは、別の理由と見るのが順当だ。
マスメディア各社は、「自民単独で過半数超え」を報道するよりも、「自民・公明で3分の2(317)突破」の方に重点を置いていた。憲法改正発議要件(3分の2)をクリアして、安倍晋三首相が、いよいよ本腰を入れて憲法改正に取り組むつもりであるかのような報道ぶりであった。
数字上は、確かにその通りだが、「平和の党」公明党は、安倍晋三首相にとっては、「疫病神」にしか見えていない。安倍晋三首相が思い描いている「国防軍創設」に猛烈反対してブレーキをかけてくるのは目に見えているからだ。
その不満を公示前の31議席から35議席へと4議席増やした公明党が、憎くてたまらない。腹の中は煮えくり返っていたに違いない。その怒りを公明党にぶつけられないので、テレビ・キャスターに当たり散らした。中国の言葉で言えば「指桑罵槐」(本来の相手ではない別の相手を批判し、間接的に人心をコントロールする)ということだ。
◆こんなみっともない言動とあられもない姿を見せつけられたのでは、安倍晋三首相を「本物の将帥」とは認められない。尊崇する国家最高指導者と仰ぎ見ることは、到底できない。
大日本帝国陸軍の士官学校が教えていた「統帥綱領」は、将帥としての条件や、あるべき姿を以下のように示している。
「将帥の具備すべき資性としては、堅確強烈なる意志及びその実行力を第一とし、至誠高邁なる品性、全責任を担当する勇気、熟慮ある大胆、先見洞察の機眼、人を見る明識、他人より優越しありとの自信、非凡なる戦略的識見、卓越せる想像力、適切なる総合力を必要とす」
「将帥は事務の圏外に立ち、超然として、つねに大勢の推移を達観し、心を策按と大局の指導に集中し、適時適切なる決心をなさざるべからず。これをなし得ると否とは、実に将帥その人の自覚と信念に関す」
「将帥の決心を準備し、これを実行に移すための事務は幕僚以下の職務にして、将帥は幕僚を信任して、その局に当らしむるを要す」
「将帥の真価は実に難局に際して発揮せられる」
これらの指針に照らしてみると、安倍晋三首相は、将帥が具備すべき不可欠な資性のなかでも特に根本的な「至誠高邁なる品性、全責任を担当する勇気」が欠如しているのが、だれの目にも明らかである。言うなれば、「総理大臣=首相の座」に就いていること自体が、大きな間違いなのである。「大器」でもない凡庸な人物が、国家最高の指導者になっているとその国家は、間違いなく道を誤り、必ず滅亡する。その前に、国家最高の指導者に相応しくない人物は、その座にいて精神を病み、国民を不幸のどん底に陥れる。
【参考引用】lite−raが12月15日、「安倍首相がZERO村尾にブチギレ完無視!古舘は口封じ状態!大荒れ選挙特番」という見出しをつけて、以下のように報じて、インターネット上で議論百出している。
自民党の圧勝に終わった衆院選。安倍首相は、してやったりでご機嫌かと思いきや、当日の選挙特番でキレまくっていた。既報のとおり公示前に自民党がテレビ局に圧力をかけた影響か、選挙期間中の選挙報道の時間が、2年前の総選挙の3分の1になるという体たらく。早くから自民党圧勝が予測されたなか、選挙特番も期待できるのは、“池上無双”のテレ東か、古舘のテレ朝くらいのものだろうと思われていた。
解散発表当日、テレビ各局のニュース番組にハシゴ出演した安倍首相は、テレビ朝日の『報道ステーション』にだけは出演しなかった。本サイトで以前報じたが、これは、批判的なスタンスの古舘に対し、テレ朝上層部があまり厳しい質問をしないよう釘を刺したため、古舘が安倍の出演を拒否したからだといわれている。そんな経緯から、古舘が安倍と一戦交えるのではないか、そんな予想があった。
しかし、テレビ朝日の『選挙ステーション』は、古舘の口封じシフトを敷いていた。番組中に選挙とはなんの関係もないフィギュアスケートグランプリファイナル関連の映像を何度も挿入するのだ。この日のテレ朝は、選挙特番の直前まで、早朝に行われ羽生結弦が見事優勝した男子シングルのフリーを録画放送。特番と同時間帯に行われていたグランプリファイナルのエキシビションは特番後の11時半から録画放映する予定になっていた。ところが、選挙特番中にも、さっき放送したばかりの羽生のフリー演技に、エキシビションの生中継、羽生のインタビュー、羽生のシーズンふりかえり、とやたらフィギュアを入れてくるのだ。安倍首相インタビューの直後には、試合すら地上波放送していないペアのエキシビションの生中継を入れるという、徹底した口封じぶりだった。羽生選手の登場ぶりは「羽生くん当確」と錯覚するほどで、ついには古舘も「またフィギュアですか!?」と驚きの声をあげていた。
そして、意外なことに安倍と全面対決となったのは、身内のはずの日テレ『ZERO×選挙』のキャスター・村尾信尚だった。といっても、村尾がとくだん辛辣な質問を浴びせたわけではない。まず、アベノミクスに関連して女性の活用について、具体的な数字を示していただきたいと村尾が訊いたのに対し、安倍首相はイラッとしながら「できもしない数字をあげるのは、民主党のやったこと!」と関係ない民主党ディスで返す。さらに、村尾が実質賃金が下がっていることを指摘すると、突如キレ始め「実質賃金が減っていることに意味はない」「ボーナスは増えている」などと強弁。あげく、スタジオからの音声を届けるイヤホンを外してしまい、とうとうと自説をまくし立て始め、ムッとした村尾が「安倍さん、安倍さん!」と呼びかけても、無視し続けたのである。
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