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2014年12月16日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆米国務省の報道官が12月14日、総選挙の結果、過半数を53議席上回る「291議席」を獲得して大勝した「安倍晋三首相と自民党」に向けて、「祝意」を示す談話を出した。ただ、安倍晋三政権は、公明党との連立政権であり、公明党は公示前31議席だったのが、35議席となり、自民・公明で326議席(3分の2=317議席を9議席上回る)を獲得したにもかかわらず、米国務省が、「平和の党」を標榜する公党である公明党の存在は、丸で眼中にないという扱いをしているかのようだった。
米国オバマ政権の当面の最大関心事は、同盟国である日本とともに「日米防衛協力の指針いわゆるガイドラインの見直し作業を加速させる」ことである。本来は、2014年12月末までに見直し作業を終える予定だったが、日本が急遽、衆院解散総選挙に突入したことから、2015年に先延ばしになった。このため、オバマ政権としては、安倍晋三首相が安定した政権基盤を築いたとの認識の下、日米関係を一段と強化していくことに全力を上げてくれるものと期待を示している。
しかし、現実問題で言えば、沖縄県米軍普天間飛行場の辺野古への移設をめぐって、沖縄県知事選(11月16日に投開票)で、辺野古への移設に反対の翁長雄志知事が誕生し、那覇市長選でも、翁長雄志知事と連動した選挙運動を展開していた城間幹子市長が生まれた。しかも、今回の総選挙は、沖縄県内4つの小選挙区で自民党当選者がゼロだった。このことをオバマ政権が、気にしているのは明らかである。
米国務省の談話は、この件に触れていないけれど、安倍晋三首相が、普天間飛行場の辺野古への移設を強行すれば、現場で反対運動がますます盛り上がる可能性があり、強制執行に踏み切れば、移設阻止派と警官隊とが激突する場面も発生することも予想される。このとき、公明党は、おそらく移設強行に賛成する立場を鮮明にしなければならず、「平和の党」の欺瞞性が浮かび上がってくる。
◆日米外交の裏舞台では、「オバマ大統領は、安倍晋三首相を信用しておらず、できれば首相の顔を変えて欲しい」と伝えてきていると言われてきた。これは、「祝意」とは裏腹の本心が隠されていることを意味している。沖縄普天間飛行場の辺野古への移設が、さらに大幅に遅れる事態に発展すれば、オバマ大統領の安倍晋三首相に対する不信感は、なお一層深まり、日米関係がこじれることが予想される。
オバマ大統領は、安倍晋三首相が7月1日に集団的自衛権行使容認・憲法解釈変更・閣議決定を強行し、総選挙で大勝したことによりこのテーマを含めて安倍晋三首相が国民有権者から「白紙委任」されたと思い込み、これに自信を得て、強気姿勢をさらに高めてくるのではないかと警戒している。強気姿勢とは、「右寄り姿勢」のことである。「靖国神社公式参拝」を堂々と行うのではないかと疑っているのだ。
◆米国内では、オバマ大統領のみならず、いわゆる「ジャパン・ハンドラーズ」(日本操縦者)の間では、「集団的自衛権行使容認・憲法解釈変更・閣議決定と靖国神社公式参拝のパッケージが悪い」という悪評価がある。安倍晋三首相が、中国や韓国と関係改善を図ろうとする真摯な態度が見られないと憂慮しているのだ。
国務省の談話は、表向き「祝意」を示していながら、相当本音を隠している感が強いので、額面通り受け取ると大きな間違いを犯すことになる。同盟国であるからと言って、油断していると、とんでもないしっぺ返しを食らうことになる。
【参考引用】NHKNEWSWebが12月15日午前 3時23分、「米国務省 安倍首相と自民党に祝意示す」という見出しをつけて、以下のように配信した。
衆議院選挙の結果についてアメリカ国務省の報道官は14日、談話を出し、安倍総理大臣と自民党に祝意を示しました。そのうえで「地域や世界規模の幅広い課題で日本政府と引き続き緊密に協力していくことを楽しみにしている。日米の2国間関係は民主的な価値観の共有に基づいており、幅広く支持されている」として、安倍総理大臣が安定した政権基盤のもとで日米関係を一段と強化していくことに期待を示しました。
アメリカ政府は安全保障面で安倍総理大臣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことを高く評価しており、この決定を踏まえて安倍政権と共に日米防衛協力の指針いわゆるガイドラインの見直し作業を加速させたい考えです。また、経済面では、安倍総理大臣がTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉妥結に向けて歩み寄りを見せることに期待しています。オバマ大統領は日本のGDP=国内総生産の伸び率が2期連続のマイナスとなったことに懸念を示していて、アメリカ政府は日本に対して停滞から抜け出すためにもTPPを通じ構造改革を進めるとともに成長を重視した経済運営を行うよう求めています。
一方、アジア重視政策を掲げるオバマ政権は、地域の平和と安定のため、同盟国・日本が周辺国と良好な関係を築くことが望ましいとしています。このため安倍政権のもと戦後70年となる来年、日本と韓国や中国との関係改善が進むのかどうかも注視していく方針です。
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