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2014/12/14 06:19
「明日の天気は変えられないが、明日の天気は変えられる」とは岡野 加穂留 著の政治評論集の表題だが、それはイタリアの哲学者・歴史家であったクローチェの言葉を日本語に翻訳したものだ。民主主義の政治体制なら、有権者によって選挙で支持勢力が過半数の議席を獲得したなら「明日の政治は変えられる」という事実を述べている。
今日は衆議院総選挙投票日だ。有権者諸氏の意思が問われる日で、この二年間の政治家たちが何を仕出かし、今後の四年間に何を仕出かそうとしているのかを見極める日だ。それにより明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる。
この国には羊頭狗肉政治が蔓延している。民主党は2009総選挙で官僚政治の打破を主張したが、政権二代目の菅氏が首相になると「消費増税10%」とマニフェストにもないことを突如として勝手に叫びだし、民主党が公約していたあらたかの政策を放擲してしまった。
三代目の野田氏に到っては言語道断で、消費増税を決める「野合三党合意」を自公と取決めて民主党を大敗へと導く総選挙へ打って出た。しかし、この二年間の安倍政権も実にいい加減だった。「野合三党合意」の消費増税だけは国民生活を無視して無謀にも断行したが、社会保障改革も選挙制度改革も、おざなりの小手先誤魔化しに終わっている。
安倍氏は国民に約束していない「解釈改憲」を断行して、誇りある戦後日本の立憲主義を根底から覆そうとしている。それにブレーキを掛けるべき役目の司法の府は腑抜けもいいとこで、行政府の暴走に黙って指を咥えて見ているだけで「ダメよ、ダメダメ」と言いもしない。
もとより最高裁判所には憲法に反する立法をむこうとする「違憲立法審査権」が付与されているが、最高裁は国民以外の誰かに遠慮しているかのように、沈黙したまま「違憲立法審査権」を発動したことはない。行政府の暴走を止めるには立法府たる国会議員の総選挙で「明日の政治を変える」しかない。
いよいよ日本は米国のポチとして、自衛隊を米軍の弾除けに差し出すのかの瀬戸際にある。そうした危機は空想の絵空事だと批判する声が聞こえてくるが、実際に戦争大好きな米国は一年たりとも絶えることなく世界の何処かで戦闘行為を展開している。それにいつ日本が巻き込まれて「集団的自衛権」に基づく派兵を英雄気取りの狂気に駆られた首相が決断しないとも限らない。
そして馬鹿な派兵に関する米国とのやり取りを「特定秘密保護法」によりブラックボックスに放り込んで、国民に何も知らせないまま世界の何処へでも自衛隊を派遣し、米軍の前線に置かれて弾除けとして使われることになりかねない。「集団的自衛権」が独立国家として「当たり前」なのなら、なぜ正面から憲法改正手続きを踏んで国民に海外派兵の限界や戦争行為参加の歯止めなどを法律案に盛り込んでキチンと説明しないのだろうか。安倍政権がやろうとしていることは非常に危険だ。
原発も2012年の総選挙で自民党は「廃止」へ向かうとしていた。しかし政権に就いた安倍氏は原発は電力供給のベースだ、として再稼働に突き進んでいる。世界一安全な「安全基準だ」という大嘘をついてまで、国民に納得させようとし、マスメディアも再生エネは不安定にして高価な電力供給しかできない、と電力会社の採用している出鱈目原価計算方法に則って記事を書き散らしている。
この国は官・政・報の国民詐欺トライアングルが緊密な連携プレーでこの国の国民生活と社会と文化を破壊している。「恒産なくして 恒心なし」を政治家候補諸氏に突きつけなければ、この国の少子化は止まることがないだろう。国民は明日の政治を変えるべく「国民の生活が第一」の候補者に一票を投じようではないか。コタツの中で寒さに震えてないで、明日の政治を変えるために投票所へ出かけよう。
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