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2014 総選挙 発言/経済評論家 内橋克人さん/正体見抜く賢さと勇気を
「しんぶん赤旗」 2014年12月12日
アベノミクスは「国策フィクション(虚構)」です。日銀がマネー・ジャブジャブ≠ノして株価が上がったと思われていますが、まったくのトリックです。日銀は昨年4月から「異次元の金融緩和」と称して国債を買い上げ、通貨供給をしています。しかし、市中に流れる通貨供給量は増えていません。お金は、各銀行が日銀に開設している当座預金口座に入ったまま、実体経済に流れていません。
安倍晋三首相はトリックとレトリックを巧みに使って人々に刷り込みをしてきました。「積極的平和主義」「日本を取り戻す」というのもレトリックです。
日銀は10月31日の追加金融緩和で国債購入を30兆円増やすと決めました。同じ日にGPIF (公的年金の資金を運用する独立行政法人)が国債による運用を減らして株式による運用比率を50%(内外株式合計)に増やすと発表しました。年金をものすごいリスクにさらす。公的資金を投入した政府による株価操作です。GPIFが売る国債を日銀が買う。見え透いたことです。
大企業が利益
安倍首相を取り巻いているのはリフレ派(緩慢なインフレを継続させることで経済成長をはかることができるという主張)の学者です。人々の期待をあおれば、みなインフレになると思って消費にお金を使うようになるという理論です。モデルとしているのは戦前、昭和恐慌に際して高橋是清蔵相がとったリフレ政策(前半期)です。実態は経済の軍需化でした。アベノミクスの行き先も同じです。安倍式「成長戦略」路線を行けば、市場で売れなくても大企業が利益を得られる構造 ― 公共事業、軍需産業、原発です。
安倍首相は思想的同調者を周りに集め、その意見を民意と錯覚しています。民意とは何かを選挙できちんと示していかなければなりません。
未来への選択
安倍首相は選挙前に「景気回復」と言ってアメをばらまく。自民党が単独過半数などと予想が出ています。そうなると選挙後にムチが来ます。すでに集団的自衛権や特定秘密保護法でムチが予告されています。彼の統治手法はマネー、メディア、マインドの三つのMのコントロールです。これとたたかうためには、正体を見抜く、賢さを伴った勇気、勇気を伴った賢さを一人ひとりが持つことです。今回の総選挙は未来の選択です。そのことを自覚して選挙しなければなりません。
聞き手 山田俊英
写 真 橋爪拓治
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うちはし・かつと
1932年生まれ。神戸新聞記者を経て、経済評論家。『新版 匠の時代』 (全6巻)、『共生経済が始まる声』 自伝的小説『荒野渺茫』など著書多数
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