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2014年12月12日
衆議院選挙の投票日が今度の14日(日)に迫った。東京株式市場は、本来であれば日経平均が300円以上下がっても良い地合いであったにも関わらず、正常なマーケットと関係のない政治的資金が投入されているらしく、常に後場には、マイナス幅も5割程度に修正されている。このような、市場原理と無関係な資金の流入は、長い目で見た場合、マネー関連指数の信頼を損ねることになるのだろう。本日(12日)も17,500円台死守に血道をあげ、公的資金、民間金融資金の共同買い戦術が前場の後半からみられたが、最後に、その動きをみていたファンド系が大引け直前に売りを入れ、目標の17,500円台死守は達成出来なかった。このように、経済市場原理主義が、それこそ基本でなければならない投機相場の中に、官制資金が混入することは、社会主義的独裁経済への移行を想像され、八百長なしの株式市場の原則が汚され、最終的には忌避される東証と云う現象が出てくるのだろう。
テレビ局への安倍政権の赤裸々な介入も、今までであれば、そのこと自体で、政権がひっくり返ってもおかしくないスキャンダルなのだが、世間には、そのような雰囲気はまるでない。安倍首相が、経済指標を自己都合で歪曲して、総理会見を乱発し、テレビ人間に、矢鱈と新興宗教の教祖のように、語りかける。公平中立も不偏不党もあったものではない。経済指標が悉く、実態とかい離した数字でも、それにコメントをつけることさえ、マスメディアはスルーしている。同調すれば嘘つきになるし、正当なコメントを入れれば、公平中立ではないメディアの烙印が押されるのだから、やめておくだろう。
経団連に群れている企業に対し、「俺が、トリクルダウンで給料が上がると言っているのに、上がらなかったどうなるんだ。俺を嘘つきにしたいのか、君たちは!」こんな雰囲気で恫喝されれば、表向き経団連幹部は、来春もバンバン給料上がります」と宣言するだろう。政労使会議なんてのを開催するくらい馬鹿げた話はないのだ。本来、利害が対立してこそ、民主主義、自由主義、資本主義が成り立つわけで、話し合うの場とは、耳に心地いいのだが、談合の話し合いになるわけで、これは社会主義とか全体主義と呼ぶものである。
各社の世論調査を見ていると、あいかわらず自公与党のひとり勝ち選挙になりそうな按配だ。アベノミクスが失敗経済政策だと云う印象が国民には分かっていることが覗えるが、安倍晋三はダメだけど、自民党は良いだろう。そんな捻じ曲がった国民意識が見えてくる。深く読めば、安倍はいずれ首相の座から引きずり降ろされ、誰か違う奴がなるだろうと云う、儚い望みに投票しようとしているようだ。自民党以外の政党なんて、今のところ見えていない、というのが、国民の意識にあるかもしれない。
円安誘導政策で、明確になったのは、GDP及び一人当たりGDPが、共に力を失って来ているのは明白だ。完全に2.5流国家に邁進している。原油価格が劇的に下降線を辿っているのには、ロシアとアメリカの確執もあるので、一概に需給関係で起きている現象ではないが、その事はおいておくとしても、その原油安効果も、我々日本人は半分しか利益が得られない状況に追い込まれている。つまり、大幅な原油安の半分を、円安で喪失しているのである。ああそれなのに、輸出は伸びず精々横ばいなのだから、なにもやっていないのと同じだ。
ああそれなのに、吉野家の牛丼は2割の値上げだ。ありとあらゆる食料品の値上げラッシュがとまらない。実質賃金は減少一本槍で、救いたくても、救うべき方向が見えていない。真面目に考えたら、戻ることも出来ないほど、エライことをしてしまったのだ。日銀が資金の蛇口を閉めたら、バネの利いた金利上昇を招き、経済は一気に破たんに向かうだろうし、このまま政策を維持すれば、国民皆家畜が成立してしまう。どこかの段階で、クーデターでも起きそうな状況だが、それも雰囲気的にはない。しかし、一つだけ、目につく「空気」が世間を覆っている。以下の時事の記事を見て頂こう。
≪ 投票率「50%割れ」予測も=組織政党に有利か
14日に投開票を迎える衆院選は、投票率の行方が一つの焦点だ。前回の2012年衆院選は過去最低の59.32%(小選挙区)を記録。今回も関心の低さが指摘されており、50%を割り込み最低記録を更新するとの見方も出ている。 投票率について、選挙に精通する自民党関係者は「48〜52%」と予測する。投票率の低下は、企業・団体や強固な後援会組織を基盤とする自民党のような組織型政党に有利に働くとされる。
報道各社の世論調査では同党の優勢が伝えられており、別の関係者は「無党派層といわれる人たちは投票所に足を運ばない。組織がある分有利だ」と余裕を見せる。党内には投票率が低過ぎると、「『これで信任を得られたのか』と批判される」とのぜいたくな悩みまで出ている。
創価学会を支持母体とする公明党の幹部も「低投票率なら組織力が生かせる」と手応えを感じている様子だ。固い支持層を持つ共産党も議席を伸ばすとの予想がある。
一方、無党派層の動向に影響されやすい民主、維新両党などは低投票率を警戒している。政権選択が問われた前々回の09年は69.28%と、1996年に小 選挙区比例代表並立制が導入されて以降最高で、結果は民主党が大勝、政権交代を実現した。しかし、今回、低投票率で無党派層を取り込めないと、議席が伸び悩むことも予想される。
14日は北日本などで降雪予報も出ており、民主党幹部は「天気が一番気になる。投票率は相当低いかもしれない」と気をもむ。維新幹部は「50%を切るとかなりきつい。期日前投票の働き掛けを強めないと」と危機感をあらわにした。 ≫(時事通信)
最近の国民の選挙に対する態度に憂慮した人々から、「棄権」は民主主義の方かに結びつき、独裁政治に加担するようなものだ、と云う言説が、数多く語られている。まさに、その主張は「正論」である。筆者もそのように思うのだが、では具体的に、どの政党を支持しようかと考える時、すべての政党に致命的な欠陥が見られるため、選択政党が見つからない。真面目に選挙に立ち向かおうと、まったくの無関心で横を向こうが、得られる結論が同じなのだから、これは、既に何かが壊れているとしか思えなくなる。壊れた制度に参加して、参加を実現しようとしても、それは泡沫な投票行動になるだけで、虚しさしか残らない。それならば、自動車免許のように、「わしゃ、選択判断能力がなくなったので、選挙権返上します」と言いたくもなる。なまじ、選挙権を与えられているから、行使しないと、国民ではないように言われるのだから。
まあ、そんなこんなを考えながら、今回の国政選挙で、投票率45%なんて数値を弾き、次の統一地方選の平均値が70%くらいになったりするのも面白いな、と思った。現実的ではないかもしれないが、一応の仮説である。そして、次なる参議院選で、投票率39%なんて事になるのも一興だと思う。なにも筆者は、そのような現象を望んでいるわけではないが、国民の側が行う、これぞ完璧な「無血クーデター」なのではないかと、ふと思うわけだ。投票率が20%くらいになった状況を考えると、非常に興味深い多くのものが見えてくる。その見えてくるものは、人それぞれだろうから、筆者も筆者なりに考えてみたいと思う。
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