http://www.asyura2.com/14/senkyo176/msg/253.html
Tweet |
安倍自民党は、今回の総選挙の公約パンフで「アベノミクスで、ここまできています。」というページを設け、「雇用」「賃金」「企業倒産」「観光」「海外インフラ」「女性の活躍」の項目をあげてその実績を謳っている
雇用の実態や賃上げの内実については、既に野党が数字を上げながら批判しているのでここでは触れない。
取り上げるのは、寡聞ではあるが、批判の対象になっていないと思われる「観光」である。
「観光」の項目には、「●2014年4月には、旅行収支※が44年ぶりに黒字化(1970年大阪万博以来)※訪日外国人が日本国内で支払う金額から、日本人が海外で支払う金額を差し引いた数字」という説明がある。
安倍首相も、解散会見で、わざわざ旅行収支が70年の大阪万博以来44年ぶりに黒字化したことを取り上げ、自分(アベノミクス)の“実績”として自慢げに説明していた。
“黒字”と言えばなんでもいいことだと思う人もいるかも知れないが、この旅行収支の黒字化は、訪日外国人が国内で使うお金が大きく増加したことで黒字化したというより、日本人が海外で使うお金が大きく減ったことで起きた変化である。
端的に言えば、経済の低迷なかんずく国民の生活余裕度が低下してきた日本を象徴する辛い経済データなのである。
旅行収支の経緯をざっくりと説明すると、日本人が海外で使うお金は96年に約4兆円だったものが、06年には約3兆円さらに13年に約2.2兆円と半減し、2兆円近くも縮小した。(04年・05年は4兆円超の実績)
一方、訪日外国人が使うお金は、中国の経済発展が顕著になった03年以降1兆円の大台にのったが、05年の約1.3兆円をピークに以降は緩やかに減少していた。その流れが変わったのは、12年の円安傾向への転換である。13年には約1.8兆円近くまで増加した。
この傾向の進展が、今年4月の旅行収支の黒字化につながったわけである。
日本人が海外で使うお金が増えた上でとはいわないが、せめてそれは減らないまま、訪日外国人の使うお金が大きく増えたために旅行収支が黒字化したというのなら、安倍首相が胸を張って説明してもおかしくはない。
しかし、日本人が海外で使うお金がじりじりと減少する(思うように海外旅行を楽しめなくなった)なか、国民生活が痛手を被る円安傾向に助けられた(同じ価額の外貨でも円換算で増加)外国人の国内消費増加により黒字化した旅行収支を、堂々と“実績”として公約パンフに掲載するのはあまりに恥ずかしいと言うほかない。
国民の生き様は気にせず、お金の動きだけを気にする政権というそしりを受けても仕方がないと思う。
※参照資料
自民党の「第47回衆議院選挙(平成26年度)公約」
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/126585_1.pdf
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK176掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。