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小渕優子、松島みどり、塩崎恭久、望月義夫、西川公也、江渡聡徳各氏/(C)日刊ゲンダイ
小渕優子、松島みどり…自民党“疑惑議員”が全員当選の異常
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155617
2014年12月10日 日刊ゲンダイ
世論調査によると「自民単独320議席」の勢いだという。選挙区に出馬した自民候補は283人しかいないから全員、当選してしまう計算だ。このままでは「政治とカネ」が発覚した疑惑議員も大手を振って戻ってくることになる。
「この選挙は異様です。過去の経験が通用しない。どんなに強い候補でも、通常、選挙前にスキャンダルが発覚したら厳しい戦いを強いられるのが当たり前なのに、落選確実の自民党候補は1人もいない。立候補すれば全員当選なんて、まるで北朝鮮の選挙です」(政界関係者)
解散の発端になったのは、小渕優子前経産相と松島みどり前法相の“ダブル辞任”だった。看板だった女性大臣が疑惑にまみれ、安倍内閣の支持率も急落したが、ふたを開けてみれば、2人とも当選圏内である。とくに小渕優子氏は、過去最高の票を獲得しそうだ。
「これまで小渕優子議員は、同僚の応援を優先し、自分の選挙区には3日程度しか入っていなかったが、今回は地元に張りつき“ドブ板”に徹しています。有権者を見つけては駆け寄り、握手して頭を下げている。頭を下げて謝るたびに同情票が増えている。夜8時には当確が出るでしょう」(地元関係者)
松島みどり氏も、当初は苦戦が予想されたが、民主候補に差をつけている。余裕があるのか、最近はお詫び行脚をしていても内心「私は悪くない」と思っている傲慢な態度がミエミエだ。
■疑惑くすぶる現役閣僚も滑り込み
女性閣僚2人につづいて「政治とカネ」が発覚した江渡聡徳防衛相と望月義夫環境相も優勢。
親族企業に政治資金を拠出していた西川公也農相は、もともと選挙に弱く、選挙区で敗北する可能性はあるが、比例復活するのは間違いない。「口利き」がバレた塩崎恭久厚労相も、有権者の評判は決して良くないが逃げ切りそうだ。
女子大生買春が報じられ、群馬県連までが「候補者差し替え」を要請した佐田玄一郎氏も対立候補にダブルスコアをつけているありさまである。
あれほど騒がれたのに、自民圧勝の総選挙の混乱で疑惑は忘れられている。落選しそうなのは、化粧品会社の社長から8億円のウラ金を受け取っていた無所属の渡辺喜美氏くらいだ。
「まるで日本人は戦前の全体主義に戻ってしまったようです。大手メディアと自民党が仕掛けたイメージ選挙に国民全体が乗せられている。日本人は立ち止まって深く考える習慣をなくしてしまった。なにもかも大きな流れに押し流されている。疑惑もなかったことになるでしょう。日本という国は、こういう時が一番危ないのです」(政治評論家・森田実氏)
自民党の圧勝によって、東京地検の捜査も中止になるという。国民は本当にそれでいいのか。
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