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『週刊ポスト』12月12日号… 2014年12月08日
「野党統一戦線ができなかった理由」(EJ第3932号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/410300688.html
2014年12月09日 Electronic Journal
安倍政権が解散に踏み切る判断をするのにさいして、一番気に
していたのは、小沢一郎生活の党代表の動きだったといいます。
何しろ295議席を放り出しての解散です。野党が結束されたら
大幅に議席を減らすことが十分考えられるからです。
「バラバラの野党に何ができる。まとめ切れる剛腕なんていな
い」と官邸はタカをくくっていたのですが、一抹の不安もあった
のです。それは「小沢一郎」の存在です。「オザワならやるかも
しれない」と考えたからです。
しかし、今や小沢氏の率いる生活の党は1ケタの弱小政党であ
り、民主党とは絶縁状態、維新の党の江田・橋下共同代表とは意
見が合わないと考えられ、小沢氏が水面下で動いていたことはあ
る程度わかっていたものの、どうせまとまらないと見て安倍首相
は解散に踏み切ったのです。
しかし、事実は自民党の思惑とは異なっていたのです。小沢氏
は、民主党や維新の党と何回も接触し、新党結成の必要性を説い
ていたのです。そして、誰かが既成政党の枠から飛び出して「こ
の指とまれ」といったら、大同団結、統一戦線ができるはずだと
強調したのです。自民党に代わる受け皿を作るために、統一戦線
がどうしても不可欠だったからです。
実際に維新の党の橋下共同代表は、民主党の前原、細野両氏ら
を念頭に、小沢氏の使った「この指とまれ」という言葉を使って
新党結成を呼び掛けています。私は橋下氏の街頭演説をテレビで
聞いて驚いたのです。しかし、民主党の若手は、既成政党から飛
び出す決断ができず、新党作りは失敗に終わっています。
だが、その副産物としてかなりの選挙区で野党の候補者調整が
進んだのです。それは、民主党、維新の党、生活の党、社民党の
間で野党が共倒れしないための調整です。それは、バックで小沢
氏が動いたからこそ実現したのです。もっともそれによって自民
党に勝てるかどうかは別の問題ですが、この経験はきっと次の選
挙で生きてくると思います。
『週刊ポスト』12月12日号における武富薫氏による小沢氏
とのインタビューにも野党統一戦線の事情が小沢氏によって語ら
れています。
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武富:民主党内には「小沢抜き」で大同団結をやろうという意見
もあった。
小沢:僕がどうかっていうのは問題じゃない。「新しいひとつの
傘」で大同団結するときに、ほかの人たちが「小沢は嫌だ」って
いうなら、俺は無所属でいい。一人でいいんです。ところが、民
主党はそうじゃない。来たい奴は「民主党の枠」に入れてやって
もいいけれど、小沢だけは駄目っていう話なのよ。だけれども、
「民主党」という傘では国民の支持は得られない。一度失敗して
「敗れ傘」になっちゃったわけだから、新しい傘を用意すること
が必要なのです。 ──『週刊ポスト』12月12日号より
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民主党の幹部たちは、いまだに自分たちのしたことがどれほど
国民の怒りを買ったかということがわかっていないのです。「小
沢が悪い」と思っているフシもあります。小沢氏のお陰で政権を
担わせてもらったことが分かっていないのです。それは、14日
の投票で結果が出ると思います。
武富薫氏は、12月3日の報ステの古館キャスターと同じよう
な質問を小沢氏にぶつけています。
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武富:あなたは二大政党制にもとずく政権交代可能な枠組みを提
唱しているが、定着していない。
小沢:要するに「官僚主導から政治主導、国民主導」と唱えてい
る政治家自身が明確にそれを認識していないところに民主党政権
の失敗があった。一党独裁の政権が続くと、必ず腐敗と癒着を生
むんです。与党が国民生活を害する政治を行えば、野党にとって
代わられる。その取って代わる野党が常に存在するのが民主主義
の基本のあり方です。油断したら政権交代になるぞと、緊張感を
持って政治活動するのが、民主主義の本来の目的にかなった機能
でしょう。だけど、それがあまり日本では定着せず、現在のよう
な経過をたどってしまって、「新たな55年体制」みたいな雰囲
気になっているのは非常に危険です。
武富:「民主党政権ができたときに小沢一郎はやれなかったじゃ
ないか」という国民の声にはどう答えるか。
小沢:忘れないでほしいのは、僕はあのとき、どれほど旧体制権
力の迫害を受けていたかということ。党内からでさえ排除の論理
に晒され、あの状態じゃ、まともに政治に参加できなかった。
武富:旧体制派にとっては自民党政権が都合がいいのか。
小沢:旧体制の中心である官僚機構は自民党歓迎です。大きなメ
ディアも同じなんでしょう。
──『週刊ポスト』12月12日号より
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旧体制の手先であるメディアには大きな責任があります。彼ら
は、体制の小沢排斥の手先になり、ありもしない疑惑を小沢氏に
被せるのに協力し、多くの国民を騙すことに一役買っています。
しかし、体制側が総力を挙げても小沢氏を潰し切れず、無罪に
なると、今度は徹底的にメディアに小沢氏を無視させる作戦に出
て、国民との公約に反する消費税増税に反対して党を割った生活
の党の議員も民主党と一味として、選挙で大敗させてしまったの
です。最後に小沢氏は国民に対し次の警告をしています。
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特定秘密保護法は、政治行政の権力が政治家ではなく、官僚の
手にあるからこそ危険である。僕なんか、特定秘密保護法がなく
ても官僚組織にあんな攻撃を仕掛けられた。この法律は官僚が個
人情報のすべてを握るわけだから、これほど怖いことはない。
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─── [検証!アベノミクス/14]
≪画像および関連情報≫
●国民の「09年の経験」に望み/小沢一郎氏は語る
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武富:首相が操り人形でも、アベノミクスが失敗でも、それ
を変えようという動きには力がない。あなたは以前から「日
本の改革が進まないのは、国民に飢餓感が少なく、変わらな
きゃいけないという危機感がないからだ」と語っていた。
小沢:本質的には変わってないでしょう。日本はまだまだ豊
かに食べている。だけれども、徐々に苦しくなり、今の生活
が維持できないのではないかという意識は広がっていると思
う。日本は太古の昔以来、豊かな国だった。戦後もアメリカ
の傘の下で過ごして平和だった。けれども、やっぱりそれだ
けじゃ駄目だと。「自立した国家」「自立した国民」になる
という意識が育たなければ民主主義は育たない。要するに、
お上頼みでは駄目っていうことです。残念ながら、日本人に
はまだその性癖が残っている。ただし、以前と違う状況もあ
る。僕は「09年」にそれなりの意味を見出している。自分
たちの一票で、長期政権の自民党を倒せた。その意識は日本
人の頭の中に植えつけられたと思う。あのときは、清水の舞
台から飛び降りるような気持ちで、おっかなびっくり民主党
に一票を入れたのでしょう。だけれども、「結局、駄目だっ
た」「やはり寄らば大樹」といったもとの体質に、戻ってし
まった。それでも当時の経験が国民の頭の中にはあるから、
僕はそこに一縷の望みを託しています。政治の個が受け皿を
用意できれば、国民は必ず応えてくれると思う。
──『週刊ポスト』12月12日号より
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