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2014-12-08 10:17:37
73年前の本日12月8日、朝ごはんを食べている時間にラジオから流れてきたのは、「陸海軍は本日未明、西太平洋において米英と戦闘状態に入れり」と、宣戦布告の緊急放送でした。
そして、日本人だけで300万人が死にました。アジアなど外国の人を含めると、どれほど多大な犠牲を払ったことか。そして、ようやく、「戦争はいやや。二度と戦争をしてはならない」と、悟ったのでした。
来年はその戦争が敗戦に終わってから、70年。この70年という歳月のうちに、戦争の惨禍はすっかり風化してしまい、政権を握る日本のリーダーたちは、戦争ができる態勢づくりに熱を入れています。
最初にお詫びしますが、今日これから掲載する内容は、私たち庶民の「他力本願の愚かさ」についてです。つまり、私たち自身を「愚かではないですか」と批判する内容になります。
これは、その愚かさに気づいて、そうした行動を止め、この国を少しでも良くしようという思いからの言と受け止めていただければ幸いです。その気づきを、一週間後の投票に生かしたい思いからのものです。
もうひとつのお断りは、以下引用するものは、知人のメールに取り入れられていたものです。
以下、引用
■他力本願の愚
政治思想が専門で、戦後日本の在りようとゆがみの出発点を敗戦の否認に求めた『永続敗戦論』で名をはせた気鋭の若手論客、その舌鋒は有権者にも向かう。
政府は、アベノミクスで大企業が上げた利益が地域の中小企業にこれから波及していくと説明する。「トリクルダウンというやつだけど、現実に証明されたことはない。こんなインチキ理論を信じるのは『奴隷根性』ですよね。金持ちのおこぼれがもらえるかもしれない、という考えしかない」
きっと誰かが助けてくれる。染みついた他力本願の姿勢こそが、安倍政権の独走を強く支えている、とみる。
「例えば学生に『安倍政権の最も重要な政策は何か』と問い掛ける。僕は集団的自衛権の行使容認だと思ってヒントを出す。だが、近づきはしても『集団的自衛権』というフレーズが出てこない。何が起きても人ごとで自分にどんな影響があるか想像できない」
それが赤裸々に露呈したのが東京電力福島第1原発の事故だ。風向き次第では首都圏も深刻な放射能汚染に見舞われていたはずだ。「そうならずに済んだのは単に運がよかっただけ。それなのに東電も経済産業省も、以前と変わらず存在し続けている。こんな異常な状態を国民は事実上許している」
許しているのは「圧倒的な無関心」
「何もかも《お買い物》の感覚でしか考えられない」。それが無関心の根底にあるという。「ブラック企業の話をしても、学生の感想は『そういう会社には入らないようにしたい』。今はちゃんとしている会社も、いつブラックになるか分からないのに、簡単に避けて通れると思っている」
気に入らないものは選ばなければいい、見なければいい、という感覚。「そういう国民から搾り取るのは簡単だ」
■劣化する社会
「戦後レジーム(体制)の脱却」を掲げる安倍首相が支持を得て、再び政権の座に返り咲いた背景に二つの文脈をみる。
一つは、敗戦を否認し、米国に従属して冷戦の最前線を台湾や朝鮮半島に押しつけ、平和と繁栄を享受してきた日本の戦後体制「永続敗戦レジーム」。原発事故で戦後の矛盾が表面化したのに、戦後体制を脱却するどころか純化することで、良き時代としての戦後の幻影になおもしがみついている。
もう一つは、ネオリベラル化(新自由主義化)とともに起こった「再階級社会化」。「戦後、総中流化が進んだ社会に再び格差が広がり、新たに下層階級となった人々を支持基盤にしているのが今の自民党」と指摘する。
ただしその下層は経済的困窮を必ずしも意味するのではない。「『嫌韓・嫌中本』を消費する多くは高齢者だという説がある。ごく普通のサラリーマンや主婦にも排外主義的な気分は蔓延してきている」。ネット右翼、いわゆる「ネトウヨ」に、在日コリアンの差別をまき散らすヘイトスピーチ…。これまでにない勢いで、社会に憎悪があふれ出しているように見える。
「感情が劣化している。多くの人が剥奪感を抱えて攻撃的になる中、政治はそれを解きほぐす努力をしなければならないのに、逆にそれを権力基盤にしている」
■沖縄化ならず
総選挙の争点は、安倍政権を信任するか否か。ただし、「正しい対決の構図」になっているのは沖縄のみだという。
先の県知事選。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を進めようとする現職の仲井真弘多氏が、新たな基地建設に反対する翁長雄志氏に敗れた。「沖縄は長年、永続敗戦レジームの犠牲者の立場に押し込まれてきた。仲井真陣営と沖縄自民党はいわば、永続敗戦レジームを代弁する勢力。それを打ち倒すことを目標に保守と革新が結集した。衆院選でも野党の選挙協力がうまくいっている。自民党は沖縄地区で1議席も取れないのではないか」
翻って本土。野党の選挙区調整さえ十分なされぬまま2日の公示を迎えた。「本来、現状を憂えるリベラル派は安倍政権に対抗すべく、社会民主主義的な勢力を結集するための努力をしなければいけない。その際、左は共産党まで含まれるべきだ。共産党もわずかに残った左翼利権とプライドを守ることばかりにきゅうきゅうとしている場合ではない。本当の意味での政界再編への動きはまったくない」
追い込まれた沖縄の人々は、政府に強い「ノー」を突きつけた。これに対して本土はこのまま、原発事故をなかったことのようにして原発回帰路線を容認し、集団的自衛権を行使して戦争する国へと突き進む政権に「イエス」と言うのか。
無関心はもう、やめよう。
「安倍政権の2年間を判断できない人は、このまま行けばどんな国を後の世代に残すことになるのか、真剣に考えるべきだ」
白井聡
文化学園大学 助教(政治学・社会思想)
1977年、東京都生れ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。博士(社会学)。政治学者の立場から「いま何が起きているのか」を考え、分析します。私の専門は、政治哲学とか社会思想などと呼ばれる分野です。哲学・思想のプリズムを通して、現実の本質に迫りたいと思います。著書に、『未完のレーニン』(講談社選書メチエ)、『「物質」の蜂起をめざして――レーニン、〈力〉の思想』(作品社)、『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版)
以上、引用おわり
73年前の朝、大本営から緊急発表が流れたとき、日米開戦を多くの庶民がバンザイを叫ばんばかりに歓迎しました。戦争に反対の声はほとんどかき消されました。
また、戦争反対を口にする者は、「非国民」とみなされ、家に石が投げつけられる状態でした。今から思えば、庶民は、「愚か」だったのです。
太平洋戦争に突っ込んでいく前、庶民は「偉いさんがあんじょうしてくれまっしゃろ。第一、われわれ庶民がなにかいうても何もはじまらんし」という空気が横溢していたようです。今とまったく同じです。
その結果、お偉いさん方は、「戦争や。鬼畜米英や」と言って、73年前の今朝、真珠湾を攻撃したのでした。
空気は今とそっくりです。ただ、今のリーダーたちはアメリカさんに尻尾を振り振り、へつらってばかりですが……。
なんとか止めなければ、再び私たち庶民が痛い目に遭います。止める手立てはあります。今回の選挙で、自民党に投票しないだけでできるのです。野党勢力を伸ばすだけで、事態は変えられるのです。ただ、力を合わせることが必要です。
やりましょう。
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