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民主党の海江田万里代表が東京1区のポスター掲示場(12月7日朝、新宿区内で撮影)
自民党圧勝ムード、原因は「野党の自滅」 再編で誕生したばかりの党に風は吹かず
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2014年12月07日 安積 明子:ジャーナリスト 東洋経済
12月2日に始まった衆院選も、折り返し点を迎えた。すでに新聞各紙は4日、情勢調査をもとに自民党の圧倒的な優勢を報じた。安倍晋三首相が勝敗ラインを「与党で過半数」と控えめに述べていたが、余裕の勝利を迎えるということになる。
これは早期解散を打った安倍首相の作戦勝ちなのか。いや、むしろ野党の自滅が見てとれる。
■盛り上がらない維新の党
6日午後の新宿西口。江田憲司・維新の党代表がマイクを握った。一部の“ファン”がいるものの、足を止める人はまばらだ。神奈川8区を地盤とする江田氏は、東京での知名度は高くないことも原因だろう。その後、場所を有楽町に移しても同じだった。しかし盛り上がらない責任全てが江田氏にあるわけではない。多くの責任は大阪にある。
「大阪は安泰だ」と、東京勢は羨ましがる。橋下徹大阪市長の個人的な人気に支えられて、近畿ではある程度の議席数は確保できる見通しがあるためだ。だが2012年12月の衆院選の時にあった爆発的なブームは期待できない。それは橋下氏が国政への出馬をほのめかしながら早々に断念したことでも明らかだ。話題性を狙ったとすると、ひっこめるのが早すぎる。思いつきの鞍替え検討表明ではなかったか。それでは有権者の心は離れていく。
戦略の失敗という意味では、次世代の党は、もっとダメージが大きいかもしれない。自民党との連携を主張するものの、「片思い」に終わる可能性が高いからだ。
なんとか票を集めるため、引退するつもりだった石原慎太郎氏を説得し、とりあえず出馬してもらうことにしたものの、その効果は見られない。それもそのはずで、東京ブロック比例最下位(9位)では「党の顔」にはなりえない。しかも石原氏自身、応援に入った愛媛県大洲市でも長野市でも、自身の引退を口にしている。これでは覇気が出るはずはない。
実際に長野市では、石原氏の話を聞こうと集まった聴衆はわずか80名。2003年の東京都知事選で300万票以上も集めた人気政治家の晩節は、哀愁が漂っている。
■田母神氏という「爆弾」
さらに次世代の党は、「爆弾」を抱えてしまった。写真週刊誌に妻との離婚問題を書かれた田母神俊雄氏だ。さっそく田母神氏はフェイスブックに「一方的な部分があるので現在結婚しようと思っている女性を守らなければと思い、私の見解を表明します」と反論を掲載している。
しかし、そもそも離婚裁判を抱えながら出馬していたことが明らかにされたことは、大きなマイナス点だ。「国家の危機管理」を主張する田母神氏が、実は自分の危機管理ができないということが明らかになったことは、なんとも皮肉である。
こうした劣勢をなんとか挽回すべく、平沼赳夫党首は選挙期間中に戦略を変更した。自民党とは異なる保守色を主張することにしたのだ。
6日夕方の新橋駅前。平沼氏はコートも着ずにマイクを握った。
「先日の党首討論で“ある政党”が『小笠原近海の中国船を我々が追い払った』と言ったが、とんでもない。あれは日本国民の財産である紅さんごを獲り尽くしてしまったからいなくなったのです」
“ある政党”とはもちろん自民党を指す。次世代の党が生き残るためには自民党の保守層を切り崩すしかない。それにようやく気付いたようだ。
民主党は、代表自身が大苦戦を強いられている。東京1区の海江田万里氏は党代表として、全国の候補の応援をしなければならない。そのため、自身の選挙区での活動は手薄だ。
海江田氏が元来、選挙に弱く、2012年12月の衆院選でも比例復活当選で議席を守っている。今回は、自民党から集中砲火が浴びせられている。菅義偉官房長官や谷垣禎一幹事長など幹部が次々と海江田氏の対抗馬の応援に入っており、小選挙区での当選に暗雲が垂れ込める。
自民党がターゲットにしているのは海江田氏だけではない。千葉4区の野田佳彦氏や宮城5区の安住淳氏にも、自民党は攻撃の手を緩めていない。
■一部地域では民主が票固めに成功
だが、民主党もやられっぱなしではない。野田氏も安住氏も、地盤は強固。にわか仕立ての候補に、そう簡単に議席を譲ることはないだろう。北海道では民主党は新党大地と組み、組織力を駆使して挽回を目指している。また愛知県では「民主王国」が復活しそうな情勢にある。
与党にも余裕があるわけではない。公明党は東京でこれまで以上の引き締めをはかっている。
というのも、公明党の比例票は2005年の約900万票をピークに、減少しているからだ。とりわけ2012年の衆院選で、公明党が東京で獲得した比例票が66万票と激減し、大きなショックとなった。比例1位の高木陽介氏の当選は早々と決まったが、2位の高木美智代氏は17人の定数のうち16番目。当選の確定は翌日に持ち越された。
同党関係者は述べる。「公明党は国政より早く、東京都議会に進出した。東京は大票田で、かつては『100万票ある』と言われたが、最近は集票力が落ちてきている」。
カリスマの不在が原因かもしれない。東京ブロックと同じ範囲の参院東京都選挙区で1992年には約90万票、1998年には約97万票を獲得した浜四津敏子氏は、支持母体の創価学会婦人部から絶大な信頼を得ていたが、今はそうした存在がいない。選挙戦後半、公明党は票の多い東京23区内を集中的にテコ入れしていく。
選挙の勝敗において、大きな要素になるのは投票率だ。自民圧勝ムードが報じられる中で、株価は急騰。株式市場はすでに選挙は終わったかのようにとらえている。14日までに有権者の関心は薄れ、投票所から足が遠のく可能性も高い。投票率が下がれば、与党(とくに公明党)にとってはプラスに働き、浮動票を頼みにしている野党(共産党を除く)は、ますます苦戦することになる。
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