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2014-12-06 08:40:06
「5年後の日本」をWSJ日本版が特別企画で特集しました。その中でジェラルド・カーティス氏は、「野党が政権交代するには、自民党の経済政策に代わる政策を提示しなければならないが、その兆しは見当たらない」とし、5年後も「自民党政治が続く」という見通しを明らかにしました。
現在の安倍政治については、「安倍政権が続く条件はアベノミクスがとん挫しないこと。経済が破局を迎えない限り、国民が自民党に背を向けることはないだろう」と見ていますが、一抹の危うさを感じているようです。
日本の深刻な問題は、「この人が首相だったらいいのに、と国民に思わせるような人を見つけることは不可能だ」と言われてしまいました。
ボクは、「小沢一郎氏が最後の切り札として控えている」と思っています。しかし、このコロンビア大教授には見えていないようです。
氏は、日本が最善の道をたどる場合は、「経済は安定的に低成長を続け、日本は高齢化と豊かな社会を両立させるモデル国家とみなされるようになる」「安保政策は専守防衛志向を維持する」と見ています。
こうも言っています。「日本を訪れる人は日本の何に感動するのか。秩序や清潔さ、礼儀正しさ、食べ物やサービスの質。丁寧さ、夜に1人で歩いても怖くないこと、子ども1人でも地下鉄に乗せられることだ。日本社会を特徴づける生活の質は定量化することができない。もちろん、日本がその基本的な価値観で妥協することなくサービス部門の生産性を向上させるためにできることはある。だが、日本が必ず米国のようになるはずだと考える米国人は失望してきたし、今後も失望するだろう」と。
ジェラルド・カーティス氏は、ジャパン・ハンドラーズの一人とみなされていますが、武闘派と違い、知性派のそれです。たびたび日本を訪れ、日本の政治の中核と接触しています。
氏のご託宣をひっくり返すためにも、野党側が提示すべき「真の経済政策」、つまり庶民の生活が豊かになる政策を形成する努力を傾けなければならないのですが……。
ジェラルド・カーティス
コロンビア大学政治学教授、東京財団名誉研究員、元コロンビア大学の東アジア研究所所長。東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、政策研究大学院大学、コレージュ・ド・フランス、シンガポール大学など客員教授を歴任。大平正芳記念賞、中日新聞特別功労賞、国際交流基金賞、旭日重光賞を受賞。『政治と秋刀魚――日本と暮らして45年――』、『代議士の誕生』、『永田町政治の興亡』など日本政治外交、日米関係、米国のアジア政策についての著書は多数。
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