02. 2014年12月05日 06:32:03
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私たちが選挙を変える。「まずはネットでの活動をチェックしよう」参加型民主主義で行こう第1回(全3回) 2014年12月5日(金) 金野 策一 ネット選挙の解禁は、民主主義の本質的テーマである「透明化・双方向化」の促進にこそ、その本質的恩恵があると言える。今回、衆議院選挙においては初のネット選挙となる。 2013年の参議院選挙でネット選挙が解禁され、選挙のあり方を変えたか、という検証がなされたことは記憶に新しい。しかしながら、選挙のあり方はともかく、少なくとも政治のあり方については、昨今の閣僚スキャンダルや政治不信からの無党派層増大を挙げるまでもなく、本質は変わっていないとの認識で衆目一致であろう。 つまり、ネット選挙や小選挙区制といった制度だけでは、何も変わらない。たとえ多様な選挙争点を明確化してくれる政府が存在したとしても、真に政策通な政治家がいたとしても、誰かが変えてくれるという人任せでは、変わらない。重要なことは、政治のあり方を変え、日本の民主主義の「透明化・双方向化」を促進するには、自分たちの行動以外に方法はあり得ない。 未来や政治が、選挙でどう“変わる”ではなく、私たち主権者自らが、未来や政治を選挙でどう“変える”か、そのためのネット活用について、日本政策学校 政策研究員の野口昌克氏と吉野真二氏と共に紹介する。 そして、この連載を参考にされて、読者の方々に、是非、次の(1)の行動をお願いしたい。可能な方は、(2)(3)(4)もアクションの一端に入れて頂ければ幸いである。 (1) 政策を比較検討し、政党・候補者を選択する。 (2)候補者とネットを通じて(orリアルでも)意見交換する。 (3)選択した候補者にネットを通じて(orリアルでも)小口寄付をする。 (4)周囲と意見交換する。自分だけで考えるのではなく、友人や家族と意見交換し、多様な意見、視点を取り入れ模索しながら選択する。 政党は、ネットをどう活用している?〜ツール利用は動画重視に 初のネット選挙となった2013年の参議院選挙では、各政党こぞって様々な取り組みを行った。ホームページ、フェイスブック、ツィッターは基本としてそろえ、その上でLINEを開設し、有権者とのリアルタイムでの双方向コミュニケーションを行った党もあった。アメーバピグでは、渋谷109前に各政党代表が登場し街頭演説を行い、各党のアイテムを配布。さらに、自民、公明、民主党はiPhoneアプリを開発し、自民党は安倍首相を模したキャラクターのゲームまで無料提供した。 それに比して、今回の衆議院選挙は、新たな取り組みはほとんど見られない。各政党の取り組みを一覧表にしてみた(表1)。前回との一番の違いは、LINE利用が公明党、共産党、共産党のみになった。公明党は前回選挙後もLINEを継続利用しており、会員数は14万人、民主党6万人、共産党3400人となっている。 一方で各党オフィシャルのYouTubeやニコニコチャネルを開設し、動画サイトを重視していることが分かる。ニコニコチャネルでは生放送の他に、過去の動画も提供されており、フェイスブックやツィッターでの情報拡散も可能となっている。ほとんどが無料で視聴可能だが、維新の党のみ1ヵ月無料の後、有料となっている。 政党別の各SNSサイト開設状況(2014年12月2日時点) 既存政党に有利に働く可能性 ネット選挙はオバマ旋風を引き起こしたとされ、新しい勢力が草の根の活動を広げるコミュニケ―ションツールとして期待されている。しかしながら、今回のネット選挙は、既存政党に対して有利に働く可能性が高い。既存政党は従来からある各ツールで十分に支持者を囲い込んだ上で、一部リニューアルして選挙戦に入れたのに対して、統合があった維新の党や次世代の党ではサイト開設や登録者の獲得に遅れが見える。選挙スタート前12月1日時点での各ツールでの政党別登録者数を見ていただきたい(図1)。 ここからは政党ごとに紹介したい。
自民党は、「景気回復、この道しかない。」と題して、特設サイトを開設している。前回もネット選挙に関して様々な取り組みを行ったが、今回も、「自民党アクティビティ」という新しいコンテンツをホームページ内に立ち上げている。全国の自民党候補者が発信しているツィッター、フェイスブックなどのSNS情報を「自民党アクティビティ」を通じて、リアルタイムかつ網羅的に見ることができる。 公明党は、「いまこそ、軽減税率実現へ」と題して、軽減税率の説明動画や「なぜ解散なのか」を説明するコンテンツが掲載されており、今回の選挙に向けて十分な事前準備がなされている。 民主党も特設サイトを開設。郵便番号で、候補者を検索でき、政党ホームページで各候補者のフェイスブックやツィッターをまとめて見ることができる。また、マニフェストの中でも有権者がよく見るものを、マニフェスト注目度ランキングとして掲載している。 ネット選挙に関しては賛否両論様々な意見がある。前回の参議院選挙に比して、今回はネット選挙の盛り上がりも全体でみれば低いように感じられる。 我々有権者は、ネットをどう活用する? 最速の党首討論が、11月29日(土)20時より、ネット事業者7社「わっしょい!ネット選挙」共同企画として行われており、アーカイブによる録画放送が以下のURLからいつでも視聴できる。録画予約などの事前手続きは不要なので、非常に便利である。また、視聴者の声を画面に写しており、ライブ会場に参加しているような親しみやすさも感じることが可能で、これらは、ネットの優れた点と言えよう。 ニコニコ生放送 Ustream 討論は「新語・流行語大賞」にもなった、ブラック企業・集団的自衛権をテーマに活発に行われた。また政党別にネットユーザーからの代表質問を各党首が答えるという今までにない試みがあり、意外な政党に共感できる気付きがあったので、広く視聴を薦めることができる。 番組視聴が難しい方には、書き起こした文章を次のURLで読めるので、こちらも参照頂きたい。 ・BLOGOS (前編) (後編) Photo by Yoshino,Shinji 公示日である12月2日(火)のネット選挙は、午前0時に8党党首による「ネット第一声」を深夜に約4万人、その後ほぼ午前中に行われた「街頭第一声」を累計約10万人が生放送を視聴した。こちらもいつでも視聴可能で、ライブ会場に行くことに例えた「来場」の人数は今も増え続けている。
実際の演説会に参加することが望ましいが、候補も投票者も時間や遠方で参加が難しい場合はネット選挙に参加されたい。記者が各政党本部・事務所に訪問調査(一部は電話調査)を行ったところ、これらの放送は党首・代表が先行して行っており、現時点で取り組みが遅れている陣営もあるが、政党幹部・役職者や個人候補にまで拡がる動きもあり、日を追って充実していく動きがあり、またそうなる事を期待している。 下記サイトでの12月2日時点の取り組み状況(記者調べ、放送時間順)は、 ■niconico 衆院選2014特設サイト 民主党 幹事長 次世代の党 県連会長・支部長 自民党 政党チャンネル 日本共産党 政党チャンネル 維新の党 支部長の陣営でネット選挙として動画配信を行っており、体験する事が可能となっている。 12月3日には新党改革もこれに加わる予定のようである。 上記の中から、番組制作現場の取材を行う機会を得たので、一例として紹介させて頂く。なお、最後の取材申し入れが自民党であったのだが、最も早く許可を得られた。他の政党も調整が取れる限り、追加でレポートを行っていく。 Photo by Yoshino,Shinji 最後に
ネット選挙では、政党のみならず様々な組織が、新しいツールを有権者に提供している。 特に、候補者選びにおいては、候補者情報が網羅されたiPhoneアプリやHPは非常に便利である。 今回のおすすめサイトは、「e-みらいせん」である。e-みらいせんでは、各地域で開催された公開討論会の動画が掲載されており、候補者の人となりや政策を見ることができ、候補者選びの一助になりそうだ。これから討論会が開催される選挙区に在住の方は、都合がつく限り直接参加をしてみてはどうだろうか? ■「ネット事業者7社「わっしょい!ネット選挙」共同企画」 Ameba/株式会社サイバーエージェント 政治家ブログポータルサイト SmartNews/スマートニュース株式会社 スマートフォンアプリでの番組告知 Twitter/Twitter Japan株式会社 公式アカウント(@TwitterGovJP)・共通ハッシュタグ「#総選挙」での告知、質問募集 niconico/株式会社ドワンゴ 衆院選2014特設サイト Yahoo!みんなの政治/ヤフー株式会社 政治ポータルサイト Ustream/Ustream Asia株式会社 衆院選2014特設サイト BLOGOS/LINE株式会社 総選挙ニュースサイト ■今後のスケジュール 12月5日(金)ネット演説 街頭で行われる応援演説のネット版。候補者と応援者が一組となり、 ニコファーレのLEDに映し出された聴衆(ユーザーアバター)に対して演説 12月10日(水)わっしょい!×毎日新聞 データで読み解く衆院選2014(仮) 「わっしょい!ネット選挙」賛同企業が共同アンケートを実施。 結果を毎日新聞がビッグデータ分析 12月11日(木)選挙公約・マニフェスト発表 各党代表が、選挙公約・マニフェストを発表 12月13日(土)ネット最後の訴え 選挙戦最終日、街頭で最後の訴えを終えた後、23時59分まで各党がネットで 最後の訴えを生放送 次回、連載第2回目は、候補者個人にフォーカスした内容をお届けする。 このコラムについて ニュースを斬る 日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141204/274664/?ST=print
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