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右派集団「日本会議」が牛耳る安倍政権
MEDICAL CONFIDENTIAL
2014年12月 1日 12:55
2次世界大戦終結から70年を記念するのを待たずに、欧州は今年、戦争の記憶を再び呼び覚ますような出来
事を経験した。言うまでもなく、極右の台頭である。
5月に実施された欧州議会選挙では、欧州連合(EU)加盟28カ国中、13カ国でネオナチを含む極右政党が議
席を伸ばすか、または新たに議席を獲得した。ドイツやスウェーデン、ギリシャ、ハンガリーなどでは、極右
による暴力事件も起きている。このような現象は、戦争体験、あるいは統合欧州の理念の風化として受け止め
られようが、遠い外国の問題として片付けることはできない。
日本では他国民(自国内少数派)に対する敵対心と歴史修正主義、強いナショナリズムを主な特徴とするこ
うした勢力と共通点を有し、欧州の基準からすれば明らかに極右に属する集団が、他の先進国では類例がない
ような影響力を有するに至っているからだ。その中でも特に最近注目されているのが、1997年に設立された、
日本最大の右派集団とされる「日本会議」(会長=三好達・元最高裁判所長官)である。
組織の中軸は、神社本庁や生長の家、霊友会、崇教真光といった右派宗教団体の連合体だが、役員には経営
者や学者、評論家など多彩な顔がそろう。個人会員は約3万5000人、47都道府県に各本部が置かれ、約230の地
域支部もあるという。
その存在感は、9月に安倍新内閣が発足した際、閣僚の19人中15人が「日本会議」の「国会議員懇談会」に
所属している事実によって如実に示された。しかも安倍晋三首相が麻生太郎副総理と並び特別顧問という要職
で、菅義偉官房長官と下村博文文科相は副会長だ。自民党も、谷垣禎一幹事長が顧問、稲田朋美政調会長は政
策審議会副会長。与党・内閣とこれほどオーバーラップしている団体もまれだろう。
国際連合の常任理事国入りを目指し、先進国首脳会議のメンバーでもある国の政権与党が、外に対しては保
守の看板を出しながら、裏では極右である実態を隠さないという政治現象がどれほど異様であるか、この国自
身が自覚している形跡は極めて乏しい。その結果、70年近く前の枢軸国時代のスローガンや価値観がいまだに
明確な決別を宣言されることなく、堂々とはびこっている。
「諸悪の根源は東京裁判史観」
「戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。そこから始めていかなければいけない」「(靖
国神社に詣でると)英霊が、『最後に守るべき価値とは何か』を教えてくれる」―─。これは、昨年の参院選
で「日本会議」推薦候補として当選し、現在「女性活躍担当相」の有村治子議員の発言だ。ジェンダー・フリ
ーに反対の「日本会議」から推薦された議員が「女性活躍担当相」というのはいかにも漫画的だが、近隣諸国
から見れば閣僚がこうした発言をすること自体、尋常ではない。
しかも「日本会議」の「国会議員懇談会」会長で、元自民党経済産業相、現「次世代の党」党首の平沼赳夫
衆院議員によれば、「諸悪の根源は、東京裁判史観」なのだそうだ。
これでは、1951年の国際社会復帰を可能にした対日講和条約の調印の是非から論議せねばならなくなる。条
約には東京裁判の判決を受諾するという一文が記載されているからだが、彼らによると戦犯が裁かれたのは「
勝者の裁き」で認められない。本当に、首相以下現職閣僚15人も同じ「歴史観」なのか。
条約に署名した当の49カ国が聞いたら仰天しそうだが、米国主導の東京裁判だったからこそ旧ソ連やオース
トラリアなどの国々が強く求めた昭和天皇の処罰が回避され、後に首相になる岸信介や黒幕として自民党体制
を支えた児玉誉士夫ら戦後に政治生命を有せるはずもなかった軍国主義時代の多数の残党が、捕らえられたも
のの簡単に釈放されたのだ。
せめてその程度の「歴史認識」ぐらい持つべきだろうが、「日本会議」によると「東京裁判史観」が受け入
れ難いのは、日本は「アジア解放」のために戦い、侵略などしてはいないからでもある。そのため、学校の歴
史教科書にかつての戦争は侵略と記述したり、南京大虐殺や日本軍「慰安婦」を取り上げると、安倍首相や下
村文科相のように真っ先に「我が国の歴史をあしざまに断罪する自虐的な歴史教育」などと騒ぎだす。
「日本会議」の代表委員の一人、評論家の加瀬英明に至っては、「アジア解放、有色人種解放の大東亜戦争
を戦い抜いた結果、戦後、アジアだけでなくアフリカにも次々と独立国が生まれ」、黒人の「オバマ大統領が
誕生」したのも「実は日本のおかげ」だとか。安倍首相がオバマ大統領に卑屈になる筋合いはないのだ。
ここまで自己偏愛、自己正当化が極端化すると、近年各地で「朝鮮人殺せ」などとヘイト・スピーチを繰り
広げている連中と心情面で差は見いだし難い。だから、この連中の幹部と「国会議員懇談会」の安倍首相や山
谷えり子国家公安委員長がツーショット写真に平気で収まったり、気に入らない相手に対してはいずれも「反
日」だの「売国」、「国をおとしめる」といった、戦前並みのレッテル貼りを口にできるのだろう。
憲法以前に「自主」欠いた課題山積み
だが、「日本会議」は「誇り高い伝統ある国がらを、明日の日本へ」とか「国の名誉や国民の命を守るべき
政治」といった麗句を「目指すもの」として掲げているが、貫くロジックは整合性という点ではなはだ心もと
ない。その典型は、自民党と共に力を入れている「自主憲法制定」にある。
現行憲法が「外国製」だから容認できないそうだが、寡聞にして彼らが「自主外交」あるいは「自主防衛」
を唱えた事例を知らない。だが、日本は首都上空の広大な空域の管制権を在日米軍という「外国」の軍隊に掌
握されており、首都とその近接地には横須賀を筆頭に厚木や横田、座間といった有数の「外国」軍の巨大基地
が点在する。これほど「自主」性を欠いた国は、少し前の米軍占領下のイラクを除き世界ではまれだ。
何より米軍駐留を取り決めた「日米地位協定」は、米兵の第一次裁判権を放棄し、基地被害を血税で自己弁
済させ、住宅地上空での低空飛行を認めるなど挙げたらきりがないほど、「独立国」の名が泣く、世界でもま
れな不平等・従属の項目で満ちている。「自主憲法」とやら以前に、「国の名誉や国民の命を守る」ため是正
すべき対米交渉の課題は山積みだが、それに一言も触れず、「集団的自衛権を行使しないならば、日米の防衛
協力は絵に描いた餅」などと説教を垂れても説得力はあるまい。
最近『ニューヨーク・タイムズ』が報じたところでは、米国は戦後、ナチス幹部ら約1000人をスパイとして
活用したという。反共で冷戦に役立つならナチスでも何でも良かった米国のご都合主義は、日本でも岸や児玉
のような戦前の指導者を戦後も野放しにし、歴史修正主義がまん延する結果を招いた。「日本会議」も、結局
「外国」の占領政策のあだ花なのだろう。
http://medical-confidential.com/confidential/2014/12/post-864.html
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