政府・日銀は歴史に学ばない？　国が抱えた尋常な方法では返せない借金の行方〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141204-00000002-sasahi-bus_all
週刊朝日 　2014年12月12日号

　安倍晋三首相が下した消費税増税の延期の決断。この決断により、日本はハイパーインフレへ明確に舵を切ったと藤巻健史氏は言う。大違いだという国民にとってと政府にとってのインフレの意味とは？

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　安倍晋三首相が消費税増税の延期を決断した。当初から安倍首相は増税をしたくなかったに違いない。国民に不人気だからだ。しかし黒田東彦日銀総裁が、「消費税率引き上げが予定どおり実施されず、国債価格が大幅に下落したら、財政・金融政策で対応するのが極めて難しくなる」となんども発言したように、安倍首相は増税を延期したときに起こりうる国債マーケットの反乱が怖かったのだろう。起こる確率は低くても、もし起こったら、安倍政権や自民党が吹っ飛ぶだけではなく、日本経済もジ・エンドとなってしまうからだ。

　そこで安倍首相は増税反対論を流させ、国債マーケットの反応をチェックした。増税延期の機運が高まっても国債マーケットは崩れる気配がなかったので増税延期を決断した、というのが私の推察だ。もし延期決定のうわさで国債マーケットが崩れそうだったら、その時点で「予定どおり増税実施」と発言すればマーケットは落ち着くと読んだのだと思う。

　安倍首相は国民に不人気な増税を回避できた。そして「増税延期の信を問う」と衆議院を解散した。

「安倍政権はハイパーインフレへ明確に舵を切ったな」と思わざるをえない。1039兆円（2014年9月末）もの借金をしてしまった以上、尋常な方法では借金は返せない。10兆円ずつ返して返済に100年かかるからだ。それもその間、ゼロ金利が続かないと財政は先に破綻してしまう。

　解決方法は大増税かハイパーインフレしか選択肢はない。税金は国民から政府への富の移転だが、インフレも国民から政府への富の移転であり同じ意味を持つ。タクシー初乗り2キロが100万円になれば10年間汗水たらして１千万円ためた人（債権者）は10回タクシーに乗ったら預金はパーだ。一方、1千万円を銀行から借金しているタクシーの運転手さん（債務者）はラッキー！だ。10人お客を乗せれば1千万円は1日で返済できる。インフレとは債権者から債務者への富の移行ということなのだ。この国において債権者とは国民、債務者は1039兆円の借金を抱える政府である。

　国民と政府にとってのインフレの意味は大違いだ。ハイパーインフレで富を没収できれば、増税という国民に不人気な仕事をしなくて済む。ましてやインフレは、初期段階では株も給料も上がるから、国民は喜ぶ（今年、来年の現象だ）。それに加えて“ばらまき”を行えば国民は大喜びだ。いったんばらまいても、どうせハイパーインフレで回収するのだから、政府は痛くもかゆくもない。

　消費税増税先送りは、自民党政権が積み上げてきた膨大な借金を、増税という困難な仕事ではなく、安易なハイパーインフレという方法で解消しようとしていることの表れだ。

　情けないのが日銀だ。「日本の理性たる」はずの日銀は「宴たけなわですが、この辺でお開きを」というべきなのに逆に酒を注いで回っている。10月31日の「さらなる量的緩和」は、政府のお先棒を担いでひたすらハイパーインフレへ突っ走る象徴的な出来事だ。「中央銀行がお金を刷りまくった結果はハイパーインフレになる」とは歴史の教えるところだ。政府・日銀は歴史に学ばないのだろうか？

コメント
01. 2014年12月04日 09:46:08 : b5JdkWvGxs こいつ完全なアホだな 日銀が国債をすべて買い取れば借金ぜろ、利子支払い額もゼロになる。 実態経済と関係ないところでのお金の清算だからインフレにはならない そもそも焼け野原になった終戦直後でも大したインフレは起きなかった 円がその後安くなったのはアメリカの命令で戦時国債を踏み倒す為に意図的に紙幣をそれまでの何十倍も発行したからだ
02. ピッコ 2014年12月04日 14:36:57 : ldyqn.PAmBFfI : XyQfuQX4mQ ＞01. 　日銀が国債をすべて買い取れば借金ぜろ、利子支払い額もゼロになる。 「完全なアホ」はアナタのほうよ。　そういうのを「財政ファイナンス」と呼ぶの。　そういうことした時点で円は信認を失い貨幣としての価値も無くなってしまう。　国債も円もただの紙くずとなって食べ物も買えなくなる。 ＞　円がその後安くなったのはアメリカの命令で戦時国債を踏み倒す為に意図的に紙幣をそれまでの何十倍も発行したからだ 正にそれを政府はやろうとしていると藤巻健史は言うわけ。　国債は、元はといえば郵便局や銀行に預けている私たちの貯金や保険会社に払っている保険金。　国の借金を返すためにそれを踏み倒してしまおうというわけよ。　つまり私たちの預貯金を国の借金の返済に使おうというわけね。
03. 2014年12月04日 15:40:37 : b5JdkWvGxs おまい完全なアホだ >そういうことした時点で円は信認を失い貨幣としての価値も無くなってしまう。 そんな円安になったら日本の輸出企業だけぼろ儲けで外国の企業はすべて潰れるよ >正にそれを政府はやろうとしていると藤巻健史は言うわけ。 　 全然わかってないな。戦後アメリカが日銀にやらせたのは、それまでの 1円札を100円札に名称変更して、戦時国債の額面だけは昔と同じままにしておいただけ。 ドイツやジンバブエのハイパーインフレとは中身が全然違うよ
04. 2014年12月04日 21:22:52 : yj9mbD4ij2 記事タイトルに釣られてクリックしてちょっと読んだが、藤巻と書いてあるのを見た時点でまともに読むのを止めた。こんな男のために議論する必要は無い。 外国かぶれの経済評論家はとにかく日本をコケにした言動しかしない。もっともそうなこと言ってるけど、感情に支配されている連中だ。 憎悪に駆られた言動だね。
05. １２３０１２３０ 2014年12月05日 06:54:46 : QkxtwRwMeMkeo : AnMXtj4W4w 日本円の価値は、３分の２に低くなり、日本証券市場は、これにほぼ逆比例してしている。外貨（米ドル・ユーロ）からみれば、日本証券市場の株価は、３分の２をかけ算してみれば、割安で儲かる。日本国内で日本円からみれば、日本証券市場は活況に見間違うだけ。 つぎに、日本政府の巨額借金を通常の仕方で償還するには、不可能に近い。踏み倒すには、貨幣価値を大きく引き下げる（ハイバーインフレ）か、戦争などを通して一種の無責任状況に持ち込むか。歴史が教えるところ。日本政府の巨額借金は、増税をしてもとても追いつかないほどですよね。日本政府は、国債の元利を物価安定のもとで償還などしておれなくなっているのです。、 藤巻氏が特異な発言をされているわけではない。
06. ピッコ 2014年12月05日 10:25:42 : ldyqn.PAmBFfI : RgZU6yWNNM ＞03.　おまい完全なアホだ　そんな円安になったら日本の輸出企業だけぼろ儲けで外国の企業はすべて潰れるよ そんな簡単なことではない。　そのずっと前に日本の輸出企業を支える中小企業は倒産して、輸出企業は部品を海外の物に切り替えなければならなくなる。　「ぼろ儲け」といっても、価値の下がった円建てで「儲けた」と騒いで何の益があるの？　円安による原材料高騰で苦しむ中小企業に値上げを求めないどころか、さらなる値下げを要求して犠牲を強いている輸出企業の”円建てによる”業績が現在好調なのは当たり前。 ＞それまでの 1円札を100円札に名称変更して、戦時国債の額面だけは昔と同じままにしておいただけ。 『戦時国債』祖母の遺品として持っていた。　このまま持っていても仕方ないと思い、この前500円くらいで売ってしまったけど。　一生懸命働いて貯めて買ったものが、戦争が終わったら無価値になってしまったと、生前祖母は言っていた。
07. 2014年12月05日 12:53:18 : f5wCgWXG2k 国際通貨としての信任の問題に集約されるのではないか。今のところは、他国の幾つかは金融緩和をしていたので同類として不信任ということは無かったろうが、日本だけいつまでも緩和状態となると、どうなのだろうか。お店やさんごっこでも、太郎ちゃんばっかりお金を印刷していると次郎ちゃんや花子ちゃんにその内批難されるようになり、遂にもう混ぜてくれなくなるのではないか。 　　もっとも、日銀が刷った円札は政府に行き、政府の方で軍需産業から中古の兵器をペンタゴンも驚くくらいの高価格で購入するなど、凄い無駄使いをしているようだから、そうして先進国に密かにマネーロンダリングされている以上、一応信任はされ続けるのではなかろうか。 　　反面、日銀が刷った円札が国内の企業融資に使用されたり、国民福祉に使われたりすることは少ないのだろうから、結局のところはきな臭い所にしか使えない金だ、ということなのではないか。

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