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【二木啓孝の一服一話 ゲスト伊藤惇夫(中)】自民党を軸に物を考えることをやめ、猛ひとつの土俵を作れ!
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/155413
2014年12月3日 日刊ゲンダイ
伊藤、二木両氏の政治談議が続く。対談の2回目は伊藤さんが称賛する後藤田正晴・元官房長官の話から、理想の政党政治論まで。
二木 後藤田さんの凄さ、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。
伊藤 よく情報収集能力にたけた政治家といわれますが、そんなレベルではありません。常に、歴史の流れの中で日本がどうあるべきかという発想で物事を考える、ぶれない、芯を持った政治家でした。
二木 ペルシャ湾への掃海艇派遣が問題になった時、やるなら自分の首を切ってからにしてくれと反対し、中曽根元首相が断念したという話がある。ああいう政治家はいませんね。
伊藤 名官房長官でした。政治家になるのが10年早かったら総理大臣になっていた政治家ですよ。引退してからお目にかかった時、“いざというとき米国は日本と中国、どっちを選ぶと思うかね”と聞かれ、日本と答えたのです。すると、“そうとも限らんぞ。中国には13億のマーケットがある。国家がぎりぎりの選択をするときは、国益を最優先する。それが外交の冷徹な論理だよ”と言われたのです。今の国際情勢をみると、本当によく分かります。
二木 安倍さん(の外交)はどうですか。
伊藤 特定秘密保護法、集団的自衛権、沖縄の辺野古移転問題、すべて米国が歓迎するようなことをやってきた。何かあれば米国がバックアップしてくれるはずという思いがあるのでしょう。でも、これは間違い。米国の冷徹な外交論理、対中経済を見ていない。安倍外交は冷徹なまでに国益を優先する外交ではなく、甘え外交ですよ。
二木 次に民主党についてうかがいます。活躍できる政治家はいると思うのですが。
伊藤 今の政治は右と左がいて、穏健保守がいない状況です。民主党の一部の政治家は自民党に欠けている穏健保守の部分を補完できる可能性があると思います。
二木 民主党は連合の支援なくして戦えない。そこに限界があるのではないでしょうか。
伊藤 連合といっても内部はいろいろあるわけで、これを割るぐらいの仕掛けをしないと民主党が変わることは難しいでしょうね。
二木 いろんな政党の立ち上げに関わってきた伊藤さんにとって、理想の政党政治はどういったものでしょうか。
伊藤 たとえば、安倍的自民と穏健保守という複数軸のある政党制ですかね。政策でいうと“大強富”と“小弱貧”のどちらに重点を置くか。安倍自民は前者です。それに対抗して、後者に重点をおく政策を提示できる政党が出来るかどうか。
二木 できそうですか。
伊藤 難しいですね。野党の中にも“大強富”志向がありますからね。野党に言いたいのは、いいかげん自民を軸に物を考えるのはやめなさい、ということです。国家のグランドデザインを描いてもう一つの土俵を作るべきです。
二木 少子高齢化が進む中、30年後はどういう社会になっているのか。
伊藤 もはや“日出づる国”になるのは不可能です。下り坂に向かう中で、その速度をいかに緩やかにし、最終的に平地を目指すのが政治の役割です。経済が上向くなどといったバラ色論を振りまくのではなく、政治はもっと正直にならなきゃダメですよ。(つづく)
▽いとう・あつお 政治アナリスト。1948年生まれ、神奈川県出身。学習院大学卒業後、自民党本部事務局に勤務。政治改革大綱の策定に携わる。その後、新進党、太陽党、民政党、民主党の事務局長などを歴任。「新党請負人」と呼ばれる。2002年、政治アナリストとして独立。執筆、テレビ・コメンテーターなど幅広い分野で活躍中。
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