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ホントの意味での「美しい国」とは?
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2014.12.02 きっこのブログ
数日前、ラジコでナニゲに文化放送を聴いてたら、お馴染みの沖縄の「冬瓜ダイエット」の女性社長が出てて、「沖縄では今でも冷房をつけてるんですよ〜」なんて言ってた。その一方で、同じ日の同じ文化放送の別の番組では、北国のリスナーからの「今朝は氷点下です」なんてメールが紹介されてて、改めて日本は「縦に長い国」だと思ったりしつつ、ついでに「ラジコ・プレミアム」のオカゲで全国ネットじゃないラジオ番組にも遠くのリスナーからメールが届くようになったなあ‥‥なんて感慨にふけってたワケだけど、沖縄などの一部の暖かい地域を除けば、そろそろ全国的に暖房が必要になってくる季節が到来したってワケだ。
日本には、コタツからエアコンまでいろんな暖房器具があるけど、その中でも、やっぱりメインはストーブだろう。あたしは、現在はコタツをメインにしてるけど、どうしても寒くて耐えられない時には、石油ストーブを使うようにしてる‥‥ってなワケで、そんなストーブにも、いろんな種類がある。サスガに、一般の家庭で石炭や薪のストーブを使ってる人は極端なマイノリティーだと思うので、あくまでも「一般的」ということで言うと、日本で使われてるストーブは、石油ストーブ、石油ファンヒーター、ガスストーブ、電気ストーブの4種類に大別される。
で、この中で、火災の原因になることが多いストーブ、火災危険度の高いストーブって、どれだと思う?たぶん、大半の人は「石油ストーブ」って答えるハズだし、あたしも、そう思ってた。ちなみに、今年1月に東京都が実施した「都内在住の成人」を対象にしたアンケートでも、約80%もの人が「石油ストーブ」を最も危険だと思うと回答してる。以下、「ガスストーブ」が約8%、「石油ファンヒーター」が約6%、「電気ストーブ」が約4%だった。これって、何のデータも持たない人だったら、多くの人に共通した感覚だと思う。「ストーブが原因で火災が発生した」と聞けば、すぐに「石油ストーブ」を連想してしまう。
でも、現実は正反対なのだ。このアンケートを行なった東京都の場合、東京消防庁のデータから過去5年間(2009〜2013年)の住宅火災で「ストーブが原因」とされるものを抽出すると、驚いたことに、4件のうち3件、全体の約73%を占めているのが「電気ストーブ」だったのだ。以下、「石油ストーブ」が約19%、「ガスストーブ」が約8%と続いていた。つまり、一般的には「一番安全」だと思われてた「電気ストーブ」が、実は「一番危険」だった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、このデータには驚いた人も多いと思うけど、頭脳は子どもでもベッドでは大人、迷探偵キッコナンがヒサビサに登場して謎解きしちゃうと、このデータには、1つのトリックがある。それは、「それぞれのストーブの総数が不明」って点だ。たとえば、1000世帯のうち、石油ストーブ、石油ファンヒーター、ガスストーブ、電気ストーブを使ってる家がそれぞれ250世帯ずつだったとして、それでも電気ストーブが原因の火災が突出していれば、それこそ「電気ストーブは危険」ってことになる。だけど、このデータには、それぞれのストーブの総数は書かれてない。
で、ここからが迷探偵キッコナンの独壇場なんだけど、キッコナンの調査によると、東京都は47都道府県の中で最も「ひとり暮らし世帯」、つまり、「単身世帯」の多い地域だそうだ。東京都の単身世帯の割合を年代別に見てみると、20歳代は30.4%で全国1位、30歳代は18.5%で全国1位、40歳代は12.5%で全国1位、50歳代は12.1%で全国1位、60歳代は17.4%で全国1位‥‥って、ここまですべての世代が全国1位なのだ。そして、続く70歳代が28.1%で、鹿児島、大阪に次いで全国3位、80歳代が29.6%で、大阪に次いで全国2位‥‥ってなってる。
もちろん、単身世帯でも石油ストーブや石油ファンヒーターを使ってる人もいるだろうし、4人世帯でもコタツと電気ストーブで生活してる家庭もあるだろう。だけど、これまた一般的に考えた場合、やはり、単身世帯の多くは、ストーブを使うなら「電気ストーブ」が多いと思う。それに、東京のアパートとかの集合住宅は、最初から「石油ストーブ禁止」のとこも多い。だから、迷探偵キッコナンの導き出した答えは、「もともと東京は電気ストーブを使っている単身世帯が多かったのだ」ということだ。
さらに補足すれば、先ほどの東京都のストーブによる「火災危険度」のアンケートによると、「ストーブの近くに物を置く場合、ストーブからどれくらい物を離しているか」という設問で、「1メートル未満」との回答は、「石油ストーブ」が30%だったのに対して、「電気ストーブ」は63%だったのだ。つまり、3人に2人は電気ストーブの1メートル未満に物を置いてることになる。あたし自身、今は危険だからやらなくなったけど、その昔、ストーブの近くに洗濯物を吊るして乾かす時とかは、「石油ストーブ」だったら十分すぎるくらいの距離を取ったけど、「電気ストーブ」だったら1メートルくらいの場所に吊るしてた記憶がある。
‥‥そんなワケで、キッコナンの「もともと東京は電気ストーブを使っている単身世帯が多かったのだ」って推測は当たってると思うし、電気ストーブの総数の多さが東京の「ストーブ火災」の原因のダントツの1位になってる理由だとは思う。だけど、それだけじゃなくて、こうした「電気ストーブは近くに物を置いてもそれほど危険じゃない」という「安全神話」‥‥って言うか、勝手な「思い込み」こそが、東京の「ストーブ火災」の4件のうち3件、73%も「電気ストーブ」が占めてる最大の理由だと思う。実際、東京消防庁の調査によると、東京都の電気ストーブによる火災では、最初に燃えた物として、「洗濯物」と「布団」が双璧をなしてる。
「洗濯物」は、かつてのあたしと同じように、お天気が悪くて部屋干しするしかなくて、どうせならストーブの近くに干したほうが早く乾くと思ったワケだけど、ここで、何十人か何百人かに1人くらいが、「電気ストーブだから、これくらい近くても大丈夫だよな?」って、目測を誤っちゃって、その上、そのまま近所のコンビニに肉マンを買いに行っちゃったりするワケだ。そして、肉マンを買って帰って来て、運よく無事だった人は、寒いアパートの一室で、お布団にくるまって肉マンを食べてから、電気ストーブをお布団に近づけて、そのまま寝ちゃう‥‥ってワケだ。
‥‥そんなワケで、現在、日本では、年間に約5万件の火災が発生してるんだけど、このうち、「失火」によるものが約3万2000件で約65%、「放火」によるものが約1万1000件で約22%、「天災」や「自然発火」によるものが約1000件で約2%、「原因不明」のものが約6000件で約11%だ。そして、「失火」の原因で最も多いのが「コンロ」で約22%、次が「タバコ」で12%、3番目が「ストーブ」で8%、以下、「タコ足配線などのショート」と「火遊び」がそれぞれ約4%、あとは「焚き火」「マッチやライター」「家電」「風呂釜」「ロウソク」などが、それぞれ約1〜2%で、30%以上は「失火と思われるが原因は不明」となってる。
住宅密集地や集合住宅だと、いくら自分が気をつけてても、隣りが出火したらどうしようもないし、放火に至っては防ぎようがない。「火の用心!」って言いながら夜回りでもすれば、ある程度は防げるだろうけど、今の世の中、都会じゃそれも難しい。だけど、自分が火事を出さないようにすることだけは、誰にでもできる。日常生活の中で、ちょっとした注意をするだけで、火事のリスクを大きく減らすことができる。そして、実際に、多くの日本人が、この「ちょっとした注意」を行なってると思う。
それは、日本の家屋は「木と紙の家」と呼ばれるように、昔から燃えやすかったからだ。江戸時代には「火事と喧嘩は江戸の華」なんて言われてたけど、あたしは、日本人って、DNAに「火事の恐さ」を刻んでる民族だと思ってる。それは、他国の火災発生率と比較すれば分かる。
人口1万人あたりの年間の火災発生件数を見ると、日本は約5件、つまり、人口10万人の街では1年間に約50件の火災が発生してることになる。で、これだけ聞くと、すごく火事が起こってるみたいに感じるかも知れないけど、イギリスの場合は、人口1万人あたり100件以上なのだ。実に、日本の20倍以上も火事が起こってる。イギリスの人口は日本の約半分だけど、年間の火災発生件数は10倍以上なのだ。
他にも、アメリカの場合なら、人口1万人あたり約75件、カナダは約25件、スウェーデンは約35件、こうして比較してみると、日本の「人口1万人あたり約5件」というのは、ものすごく少ないということが分かると思う。もちろん、それぞれの国によって、住宅事情やインフラなどの違いもあるから、こうして発生件数だけを単純に比較するのは正確じゃない部分もあると思うけど、ここまで大きな差が表われてるのは、やはり、日本人が火事に対して他国の人たちよりも神経質になってる証拠だと思う。
ちなみに、「失火」による火災の原因を見ると、イギリスも日本と同じで「コンロ」などの調理器具からの出火の件数が突出してて、ストーブなどの「暖房器具」や「タバコ」や「電気配線」などが続いてる。逆に、アメリカの場合は、ストーブなどの「暖房器具」が突出してて、「調理器具」や「電気配線」がそれに続いてる。これは、アメリカの場合、日本のようにガスコンロが使える家庭が少なくて、多くの家庭が電気コンロを使っていることとかも理由の1つだと思う。
‥‥そんなワケで、いくら他の国と比べて火災の件数が少ないと言っても、毎年、年末のこの時期になると、火事のニュースが頻繁に聞かれるようになる。話をクルリンパと戻すと、日本での火事の原因の1つになってるのが単身世帯の電気ストーブだけど、この火事で逃げ遅れて亡くなってる人の多くが、65歳以上の高齢者なのだ。現在、全国の65歳以上の高齢者の約16%、約500万人が単身世帯だと言われてるけど、今の日本は少子高齢化の道を猫マッシグラだから、このまま進むと、20年後には750〜800万人の高齢者が単身世帯になると予測されてる。だから、あたしは、安倍首相が世界各国を遊説して回って2年間で100兆円以上もバラ撒く余裕があるのなら、その前に、単身世帯の高齢者たちが何の心配もなく生活できる公営住宅を造ってほしいと思ってる。だって、高齢者が安心して余生を過ごせてこそ、ホントの意味での「美しい国」だと思ってる今日この頃だからなのだ。
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