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【二木啓孝の一服一話 ゲスト伊藤惇夫(上)】政治から色が消え面白みがなくなった
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/155386
2014年12月2日 日刊ゲンダイ
今回のゲストは政治アナリストの伊藤惇夫さん。今月14日に総選挙の投開票を控え、日本列島は選挙ムード一色だが、40年以上も政治の世界に身を置いてきた伊藤さんの目に、今の政界はどう映るのか。二木さんとの対談は、政治談議から始まった。
二木 今回の解散、伊藤さんにとってはどういう位置づけですか。
伊藤 大義名分がありません。「自己都合解散」ですね。負けが一番少ないタイミングを狙っただけの過去に例のない解散です。
二木 有権者はどんな視点、基準で投票すべきでしょうか。
伊藤 現在の“1強多弱”の構造でいいのか。今の政治状況は緊張感が失われ、国会が形骸化しています。このままでいいのか、どうかということです。
二木 伊藤さんは40年以上も政治の世界にいるわけですが、今の政治に一番欠けているものは何でしょうか。
伊藤 政治から色が消えてしまいましたね。全体に単色になってしまった。かつての自民党には極彩色のように多彩な政治家がいて魅力があった。まじめな人がいる一方で、奇人変人もいましたからねえ。民主党にも多少はいました。それが今では、みんな顔つきが扁平で面白みがない。昔は会った途端、“食い殺されるんじゃないか”と思うような人がいましたよ。
二木 なぜ、面白みがなくなったのでしょう。
伊藤 小選挙区制になって奇人変人が当選できなくなったからです。その意味では(政治改革に関わった)私も反省しています。英国の2大政党制を理想視し過ぎました。小選挙区制による2大政党制が実現しているのはほんの一部の国だけ。欧州は比例代表制ですから連立政権です。日本の場合、小選挙区制と比例代表制が並立、比例復活まである。選挙制度が中途半端になってしまった。
二木 中選挙区制ならば当選のハードルが下がるので、いろんなタイプの政治家が当選できますよね。
伊藤 そうなんです。中選挙区制で自民党から同じ選挙区に3人立候補したとします。1人は官僚出身、次は2世、そして最後は奇人変人。だから、幅広い人材が集まり、その集合体である派閥も存在感があった。派閥のリーダーに理念や哲学があり、総裁選に向け政策を磨きもした。それが、今の派閥はお茶飲み場のようになってしまい、事実上崩壊しています。全体的に政治が劣化しましたね。
二木 これまでお付き合いされてきた政治家で凄い!という印象を持たれたのは誰でしょうか。
伊藤 2人います。まずは、何といっても後藤田正晴・元官房長官です。本当の意味で国家の行方、国益を考えて行動した政治家です。もう一人は、愛憎半ばですが小沢一郎・生活の党代表ですね。自民党を飛び出した1993年から前回の総選挙(2012年)までの20年間、神話の中で生きてきた。この間、自民党は常に小沢一郎という政治家の影に怯え続けてきたのです。ところが、民主党を割って出たことで、自壊してしまいましたね。この人はあと一歩というところまではいいのですが、最後に失敗してしまうのです。小沢側近を離れたある政治家は“最後にけたぐり、小股すくいをやるんだなあ”とぼやいていました。
◇
細巻きの葉巻をふかしながら伊藤さんが語る永田町ワールド。そこには長年、内部に身を置いた人物ならではの味付けがある。(つづく)
▽いとう・あつお 政治アナリスト。1948年生まれ、神奈川県出身。学習院大学卒業後、自民党本部事務局に勤務。政治改革大綱の策定に携わる。その後、新進党、太陽党、民政党、民主党の事務局長などを歴任。「新党請負人」と呼ばれる。2002年、政治アナリストとして独立。執筆、テレビ・コメンテーターなど幅広い分野で活躍中。
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