★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK175 > 513.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
菅原文太さんが残した“遺言” 「日本はいま危うい局面にある」(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/14/senkyo175/msg/513.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 02 日 00:10:05: igsppGRN/E9PQ
 

         国の未来を憂えていた/(C)日刊ゲンダイ


菅原文太さんが残した“遺言” 「日本はいま危うい局面にある」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/155392/1
2014年12月1日 日刊ゲンダイ


【連載「注目の人直撃インタビュー」2013年8月29日号より】

 集団的自衛権を巡る憲法解釈の見直しや自衛隊の海兵隊化――と、参院選後の安倍首相は露骨に右傾化を強めている。そうしたきな臭い状況に危機感を抱くのが元俳優の菅原文太さんだ。この夏80歳を迎えた老優は日本の何を危惧しているのか――。

■「今の日本は真珠湾攻撃をした時と大差ない」

毎年8月になると太平洋戦争を思い出します。日本が戦争に負けた昭和20(1945)年当時、私は小学6年生で、宮城県栗原郡(現・栗原市)の小さな村に住んでいました。

 敗戦が近づいた頃のこと、仙台の街がB29の空襲を受けましてね。家の屋根に上ってかなたを見ると、夕暮れの薄暗がりの中で爆撃機がパラパラと焼夷弾を落とし、一面に炎が立ち上る光景が見えました。仙台とは100キロも離れているのに、無数の爆弾がまるで七夕の銀色の短冊のようにキラキラ光り、街全体を炎で赤く染めていたのをよく覚えています。

 空襲は受けたけど、怖いとは思いませんでした。都会から離れたところに住んでいたこともありますが、大人の話を聞いて日本は勝つと信じていたからです。敵艦を何隻轟沈したという発表が幾度もあり、大人たちが「日本は勝ってる」と言うものだから、子供心に「日本は強いんだ」と信じていたんです。

 ところが8月15日になり、いきなり玉音放送で「負けました」となった。ガーガーと雑音を発する祖母のラジオを叩きながら天皇のお言葉を聞いて、本当にびっくりしました。あとで聞いたら、大本営のウソの発表を疑問視する人たちもいたとか。「こんな戦争負けるよ」と言いたいけど、警察が怖くて言えない状況だったんですね。

 だけど、考えてみると敗戦の兆しはあったんです。私の村でも出征のたすきを掛けた若者が「行ってまいります」と戦地に出かけ、その多くが命を失いました。現代では考えられないことですが、私も大人も、死に対する感覚が麻痺し、「戦争なんだから死ぬのは当たり前」というような錯覚に陥っていた気がします。

私の父の弟は37歳でルソン島に派兵されたのを最後に、いまもって行方が分かっていません。戦死扱いとされていますが、どんな死に方をしたのか遺族も知らされていないのです。父の兄は外地から復員するも、戦地で患ったマラリア熱が完治できず、死ぬまで発作に苦しみました。

 私の父は中支(中国)で軍事物資を運ぶ輜重隊の隊長を務めたのち生還しましたが、戦争については一言も話しませんでした。あの時代、沈黙を通した人は父だけではありません。みんな、悲惨な現実を語りたくなかったのでしょう。

 国外のあちこちで日本軍は米軍に押しまくられ、「救援を送れ」と要請しても兵隊は来ない。兵士は軍と国に見殺しにされ、昭和18年ごろからはアッツ島を皮切りに兵士の玉砕が繰り返されました。沖縄では兵隊のほかに大勢の民間人が巻き添えになりました。それなのに、軍隊のある参謀などは玉砕が怖いので「本土に用事があるから」と口実をもうけて沖縄を離れました。命惜しさのあまり部下と民間人を置き去りにして逃げたのだから、あきれた話です。

 言い出したらきりがありませんが、すべては当時のリーダーたちが無謀な開戦に突っ走った結果です。

 しかし現実の日本はどうでしょうか。私の目には、日本はいま非常に危うい局面にあるように見えます。

 安倍政権は内閣法制局長官を交代させてまでして集団的自衛権の解釈の見直しをはかり、憲法を改定して自衛隊を国防軍にしようとしています。平和憲法によって国民の生命を守ってきた日本はいま、道を誤るかどうかの瀬戸際にあるのです。真珠湾攻撃に猛進したころと大差ありません。

 いつの時代も為政者は国民を言葉たくみに誘導します。問題になっている沖縄の基地の件だって、彼らに利用されかねません。「沖縄に米軍は要らない」という国民の言葉を逆手にとって、政府が「米軍がいなくても大丈夫。自衛隊が国防軍になり、海兵隊の役割を果たしてくれるから安心してください」と言えば、国民はコロリとだまされ、国防軍化を許してしまうかもしれないのです。

 その結果、自衛隊は本物の軍隊になり、米国が始めた戦争にいや応なく巻き込まれてしまいます。しかも米国は日本を自分の属国と見ているのだから始末が悪い。「俺たちに逆らったら、締め上げるぞ」と恫喝されたら最後、日本は逃げられなくなります。こうした数多くの悪要因の中で、日本が世界に誇る平和憲法が骨抜きにされ、戦争に突き進んでしまいかねないのです。

「まさかそこまで?」と笑われるかもしれませんが、いまの自民党は「ナチスに学べ」というバカな発言をした副総理を更迭できないほど自浄作用を失っています。実に恐ろしい状態です。

 改憲派の政治家はよくこう言って現行憲法を否定します。

「いまの憲法は戦後、GHQに与えられたものだ。なぜ、進駐軍にもらった憲法を守らなければならないのか。そろそろ自分たちの憲法を持つべきだ」

 この認識は正しいとはいえません。知り合いの学者に聞いた話ですが、いまの憲法は日本人が作成した草案を参考にして作られたそうです。社会統計学者で社会運動家だった高野岩三郎や法学者の鈴木安蔵らの「憲法研究会」が、敗戦の年に発表した「憲法草案綱領」がそれです。

 この草案には、主権在民や基本的人権という民主的な概念が盛り込まれていました。GHQのある将校は非常に優れた憲法草案だと高く評価し、新憲法作成の下敷きにしました。

 いま大切なのは、われわれ国民が政府のデマゴギーにそそのかされず、自分で考えることでしょう。書物や新聞を読み、多くの人の話を聞いて、平和を維持するために自分は何をするべきかを模索する。熟慮の末に真実を知れば、戦後ひとりの戦死者も出していない憲法9条がいかに素晴らしいものであるかが分かるはずです。

 戦前のようにタカ派政治家たちの言葉に踊らされてはいけません。

▽すがわら・ぶんた 1933年8月16日生まれ、宮城県出身。早大第二法学部進学後、モデルや「劇団四季」の団員を経て、58年「白線秘密地帯」(新東宝)で本格映画デビュー。73年に始まった「仁義なき戦い」シリーズの広能昌三役で人気を不動のものとし、「トラック野郎」など数多くのヒット作に主演。昨年11月、国民運動グループ「いのちの党」を結成すると同時に芸能界からの引退を宣言。講演活動などに精力的に取り組んでいる。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年12月02日 00:46:42 : YjMmu8YGuw
文太さん。81年間の人生、ご苦労様でした。私の文太さんについてのイメージは、かつてのNHK大河ドラマ「獅子の時代」の会津藩士です。ドラマの幕切れで、彼は世間から姿を消して、足尾鉱毒事件で活動したと暗示されていたのですが、そのような生き方を自ら実践したと言えるのではないでしょうか?

02. 2014年12月02日 02:23:41 : 5GVbMWmOd2
昭和1桁生まれの世代の人は外見は荒々しくても根は優しい人が多い。今は外見が優しそうに見えても根が性悪な人間が増えている。義理人情を大切にする文化がこのまま日本から消えるのかどうか瀬戸際のような気もするが。

03. 2014年12月02日 07:48:18 : oBiKxZx0os
今年の流行語大賞は
「集団的自衛権」「ダメよ〜ダメダメ〜」ではなく
「集団的自衛権ダメよ〜ダメダメ〜」だった!

04. 戦争とはこういう物 2014年12月02日 08:48:52 : N0qgFY7SzZrIQ : WJiCmAappI
流行語大賞「並べて意味深」 集団的自衛権 ダメよ〜ダメダメ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014120202000136.html
2014年12月2日 朝刊
 今年話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」が一日、発表された。年間大賞には、お笑いコンビ日本エレキテル連合の「ダメよ〜ダメダメ」と、安倍内閣が七月に行使容認を閣議決定した「集団的自衛権」が選ばれた。
 東京都内の表彰式で「光栄至極」と受賞を喜んだ日本エレキテル連合の二人は「来年も使い続けてくれなきゃダメよ〜ダメダメ」と言って笑いを誘った。「集団的自衛権」は受賞者が辞退。誰が受賞したのかも明らかにされなかった。
 選考委員の俵万智さんは「さまざまな場面で繰り返された煮え切らない押し問答が、この一年を象徴していたと感じる」と話した。やくみつるさんは「二つ並んだときに一定の意味をなす巧妙なメッセージを含んでいる」と、にやりと笑みを浮かべた。
 トップ10には、大ヒットしたディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌から「ありのままで」や、ゲームやアニメで子どもに大人気の「妖怪ウォッチ」が並んだ。
 働く女性が妊娠や出産を理由に嫌がらせを受ける「マタハラ」や「危険ドラッグ」など社会問題となった言葉も入った。
 子どももまねる「ダメよ〜」とともに流行語大賞に選ばれたのは「集団的自衛権」。この言葉の受賞について、街ではさまざまな意見が出た。
 東京都葛飾区の小林正明さん(64)は受賞に納得。「政治の流れに国民の関心が高い表れだ。平和や国のありように危機感が強い。衆院選では、そこを基準に投票します」。目黒区の宇留野(うるの)多香子さん(78)は「集団的自衛権が何を意味するのか勉強し、考えるいいきっかけにしたい」と話した。
 一方、千葉県習志野市の自営業稲垣美和さん(49)は「政治の言葉が…」と意外そう。「分かりにくく、うさんくさい言葉ですよね」。さいたま市南区の会社員福岡博さん(58)は「身近でないし、友人や家族とも話題にならない。これが解釈改憲ではなく、国民投票による改憲なら全く違ったでしょうね」。自分で選ぶなら「何度も耳にしたアベノミクス。うまくいっているのか分からないが。数十年後の評価が気になる」。
 横浜市港南区の主婦西村富枝さん(76)は流行語とされたことを懸念。「政府がいいことばかり説明するから、みんな戦争の怖さも分からず必要だと思ってしまう。こんな言葉をはやらせては、それこそ、ダメよ〜ダメダメ!」


05. 2014年12月02日 09:24:18 : MkSnXucc0U
死せる文太、アメリカを走らす。あの沖縄決戦。文太氏の応援演説は沖縄の歴史に残る。

06. 2014年12月02日 13:38:05 : sMLeukrTAg
街はずれの野原に一軒のつつましい家があった。家の西側には、2、3本のポプラが植えられていた。家の前を、小さな堀が横切っていて、春先には雪解け水があふれた。小さな家の門には、菅原○○と筆書きした表札がかかっていた。小さな家には、煙草をよく吸う父親と優しい母親、その子供たち、きれいな姉と3人の兄弟が住んでいた。ある日、その堀を飛び越えて、長身のすらりとした、瀟洒な背広とレインコート姿の男性がやって来た。どうやら、その家の長兄らしいことが、おぼろげに理解できた。その若い男性は、近寄りがたい雰囲気があったが、怖い感じではなかった。身のこなしが洗練されていた。長兄は、年に1、2回帰ってくるらしかった。後に、表札にあった名前は、ある詩人の名前と同姓同名であることが分かった。私は、その家族が、菅原文太さんの親兄弟だとずっと思っていた。洋画家狭間二郎(本名菅原芳助)が、文太さんの父親だと聞いて驚いた。洋画家狭間二郎については、何も知らなかった。写真さえ見たことがなかった。あの男性は、若き日の菅原文太さんではなかったのか、こちらの思いちがいだったのか。ネットで文太さんの御子息である菅原加織さんの写真を見た時、あの男性によく似ていると思った。ネットで見ることができる雑誌の表紙の菅原文太さんは、濃い化粧をしている以外、あの若い男性にそっくりだ。文太さんの郷里は一迫だと言われているが、同い年の末弟が越してくる前に住んでいた所として、私に教えてくれた場所は、それより2つ南にある町だった。ある時、この末弟が、街に貼られた新東宝の映画ポスターを指して、感想を求めてきた。どう答えたかは忘れたが、末弟が、鼻白んだことだけは、よく覚えている。明らかに不機嫌になった。

07. 2014年12月02日 14:47:04 : 0TQkKJo5EU

文太アニイの遺言が、選挙の公示日に
国民へのメッセージとしてよみがえる。

08. 日高見連邦共和国 2014年12月02日 15:09:24 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

文太アニキの“ご冥福”を心から祈ります。

さあ!
今回の選挙は“脱原発”の争点でアニキの“弔い合戦”だっ!!


09. 2014年12月02日 19:10:02 : Fx0MAc3H3s
遺言になりましたね
選挙前の横道にそれた日本を真っ当な道に戻せるか有権者たち!
有権者たちへの遺言になりました
とってもシンプルです
金の為ではない
大企業の為ではない
ただただ今生きている日本人の為
未来の日本人の為への遺言です

10. 2014年12月02日 19:32:53 : cGVB3XfUBs
将来に 憂い見せつつ 文太逝き

11. 2014年12月02日 22:02:47 : NeqBWwNdd6
文太さん、ありがとうございました。沖縄での最後の応援演説は素晴らしかった。知事選の勝利は、文太にとってもよい冥途の土産になったと思います。これから沖縄が日本を変えていきます。本土の我々も文太さんの意思を引き継いでいきましょう!

12. 2014年12月03日 11:26:35 : 0TQkKJo5EU

高倉健さんは、誰もがあこがれる日本人。

菅原文太さんは、今のあやうい日本を憂いて、
死んでいった。

彼らのメッセージが今の日本人の心に警鐘として響く。

健さんも、文太アニイも「平和の鐘を鳴らして」死んだ。
おれは、今「彼らの鐘を聴いている」・・・・。

政治家はカネを集めている・・・。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK175掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK175掲示板  
次へ