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2014-12-01 09:49:24
「共産党は全選挙区での候補者擁立が方針のようですが、集団的自衛権行使容認に反対する票が無駄になりませんか。もう遅いかもしれませんが、全野党で協力を考えて下さい」という、岡山県の一主婦の声が、朝日新聞の本日12月1日付けの朝刊「声」欄に載っていました。
共産党は今回の総選挙でも、自民党よりも多い候補者を立てます。そして、その結果は無残な死に票の山を築き、自民党を事実として利することになります。
自民党に勝つためには、そして安倍暴走政治をストップするためには、どうしても野党が一致結束して対抗する必要があります。そうしなければ、勝負になりません。共産党も百も承知のことです。ところが、連帯して統一候補を擁立する努力をしない。それどころか、邪魔をするのです。その行為が、これまでの政治過程で、どれほど自民党を助けてきたか。
日本のリベラルは、連帯し統一して運動を成功に導くことが下手です。共同戦線を張ることができないどころか、何かというと分裂したがります。同じ党内にあっても、「オレが正しい。お前は間違っている」と、小さな違いに目くじらを立てて、党を割るベクトルが強く働きます。
だから、大きな自民党は少しも揺るがないのに、小さな野党の方がより小さく割れていきます。選挙を前に路線対立が行き詰まり、「解党」して消滅した党もありました。
戦後間もなく70年。これだけの長い時間をかけながら、一体共産党は、幅広い庶民の声を受け止める共同戦線づくりにどれほどの努力をしてきたのか。70年も経って今ある姿は、「オレ様が正しい。オレ様について来い」という命令型組織論だけです。
沖縄で統一戦線が成功したのは、前にも触れたとおり、沖縄で共産党が独自行動をとれば存立できなくなる怖れがあったからです。つまり、沖縄の有権者が、共産党に統一戦線からの離脱を許さなかったというのが真相と言えます。
今回の選挙では投票結果が出た後、共産党への死に票がどれほど大きかったかを検証しましょう。この死に票の大きさを、共産党は「安倍政権への批判の大きさを示す票数だ」と、むしろ得意げに評価します。しかし、そうやって70年、戦後の保守政権を結果的に支えてきたのが、共産党なのです。
今回の選挙では、与党の自民、公明両党には票を投じないようにしましょう。そして共産党にも。
恐ろしいのは、共産党は政権与党に加わるような事態になったときです。共産党には、民主主義はありません。中国共産党と同じ体質です。上部の幹部からの命令型「右向け、右」組織です。「党内民主主義」という言葉は存在しますが、きちんと機能したことはありません。党員としての生活は、「上で決まった」ことに、ただ黙々と従うことです。
今回の選挙結果は、いずれにしても自民党が勝利し、安倍政権が続く。リベラル票は、仕方なしに「共産党に入れるほかない」ということで、死に票が累々とするのではないでしょうか。「海ゆかば水漬くかばね、山ゆかば草むすかばね」です。
本来なら、共産党は「前衛党」として、統一戦線結成の先頭に立つ使命があるはずです。譲るところは譲りながら、つまり小異を残して大同につく運動を実戦で示す力量が試されているはずなのです。
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