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「アベノミクスは絵空事」亀井静香が政権を斬る(新刊JP)
http://www.asyura2.com/14/senkyo175/msg/469.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 01 日 02:37:05: igsppGRN/E9PQ
 

「アベノミクスは絵空事」亀井静香が政権を斬る
http://www.sinkan.jp/news/index_5210.html
2014年11月30日 18時配信 新刊JP編集部


 11日21日、自ら「アベノミクス解散」と称して、衆議院解散を決定した安倍晋三総理だが、下がり続ける支持率や、最優先としてきた経済政策の効果がいまだ見えないことから、「アベノミクスの失敗隠し」とも噂され、強い逆風にさらされている。

 そんな中、安倍総理の父、晋太郎氏(故人)の薫陶を受けていた縁で、晋三氏を弟のようにかわいがってきたという衆議院議員、亀井静香氏が、著書『晋三よ!国滅ぼしたもうことなかれ〜傘張り浪人決起する〜』(メディア・パル/刊)を刊行。間もなく成立2年になろうとしている第2次安倍内閣をぶった切る。

■公的資金の流出を招いただけだった「異次元の金融緩和」

 このところ、その効果が否定的に語られることの多い「アベノミクス」だが、亀井氏が「絵空事」と切り捨てているように、「3本の矢」はどれも外れたと考えざるを得ないようだ。

 1本目の矢「異次元の金融緩和」によって、金は確かに世の中に溢れ出したが、その金が向かった先は株式市場だ。亀井氏は、日経平均株価が15000円を割りそうになるたびに、必ずといっていいほど政府が株価維持目的で公的資金を注ぎ込むというのを、ファンドなど投機筋は見抜いていると指摘している。そのタイミングで株価が戻るわけだから、彼らからしたら日本の株式市場は「損をしないで博打ができる、夢のような賭場」というわけだ。

 企業への融資と生産活動の活発化を目論んだ「第1の矢」だったが、その結果が、国民年金や郵便貯金といった公的資金の海外金融資本への流出では成功とはとても言えない。

■地方の建設業が激減した今、「公共事業」の意味は…

 2本目の矢「機動的な財政出動」だが、これは大ざっぱにいえば「政府から民間の会社に公共事業を発注する」ということを意味する。しかし、亀井氏が問題点として指摘するのは、今この「公共事業」が成り立たなくなってきていることだ。

 公共事業は多くの場合、政府から大手ゼネコンに発注され、大手ゼネコンから各地方の中小建設会社に振り分けられる。バブルの時代ならばそれでよかったのかもしれないが、最終的に工事などの実作業を請け負う中小の建設会社は小泉改革前後から激減している。つまり、公共事業を政府が発注しても、遂行できる会社や職人がいないのだ。これでは、公共事業をどれだけ発注しても、儲かるのはゼネコンだけ。地方経済を活性化させる具体策なしに、ただ金をばらまいただけだと言われても仕方のないところだろう。

 余談だが、これは東日本大震災の被災地復興も同様で、格好だけ予算を割り当てても、実際に働く人や企業がないために4割近くが未執行になっているという。

 そして、3本目の矢「成長戦略」については、今にいたっても「よくわからない」という人は多いはずだ。このあたりの事情についても、亀井氏は本書でかなり辛口な評価を下し、「集団的自衛権」「新自由主義」といった、安倍政権を彩るキーワードについても政治家としての豊富な経験と、その経験から導き出される洞察力を元に「大変なことをやってしまった」「とんでもないことになる」と厳しい口調で非難している。
 
 今は無所属と“浪人”の身分である亀井氏だが、かつては閣僚として引く手あまただった切れ者中の切れ者だ。本書では、同氏がこれまでの政治活動を振り返りつつ、対米関係や経済、政界といったトピックについて述べるとともに、今後日本が進むべき針路についても重要な提言を行っており興味深い。その政治観は、総選挙を控えて安倍政権への是非が問われている今、異彩を放っている。

(新刊JP編集部)


 

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コメント
 
01. 罵愚 2014年12月01日 05:09:26 : /bmsqcIot4voM : hFjIjkhzhj
 田中角栄、金丸信、小沢一郎、亀井静香…政治をネタに利権をむさぼる政治屋さんたち。この連中が一様に媚中・親韓なのは、偶然ではなかろう。

02. S.T 2014年12月01日 05:51:26 : TNEHs1z1b5edM : lUCH3JL1HA
>>01さんへ
日韓議連の議員(多くが自民党)たちがなぜ先月、日本の「永住外国人」に選挙権を与えるなどと言い始めたのかな?

>【これは酷い】日韓共同声明の内容が判明!日本における「永住外国人への地方参政権実現」を約束!日韓議員連盟には安倍首相や麻生氏らが所属!
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4324.html
日本における外国人への地方参政権やTPP(環太平洋経済連携協定)の情報交換、日中韓の3カ国共同教科書の実現などが盛り込まれていたとのことです。特に問題視されているのは外国人の地方参政権で、声明文中には「日本側は法案の実現に向けて一層努力する」と明記されています。

日韓議連は政治色の濃い集団であり、政権を取れば日本の「永住外国人」に選挙権を与えるという事。
つまり、永住し続ける不法滞在者にも選挙権を与える可能性が非常に強い。

こんなに韓国の事を思いやる日韓議連に誰がいるのか調べてみると良い。
表と裏の顔を使い分けて国民を騙すとはいい度胸しているよね、特に安○総理ってのは。

日本国民を「愛国」という言葉で騙して反日連中と全く同じ行動をしているよね。
暴力的行動やすぐ切れる性格など、まるで同じ民族同士がやっている気配すらある。

韓国とは国交断絶すべきだが、中国にはまず社会秩序を求め、東シナ海での軍事力行為を控えるよう国連で徹底的に抗議を行う一方で和平も模索するのが政治家でしょ。


・・・ところで阿修羅掲示板の検索欄にて、安倍総理 統一教会 とか色々検索しようとしたら文字化けがひどいですね。
阿修羅掲示板での投稿以外での文字化け状態のようです。
最近急にこういう現象が出てきました。
皆さんは大丈夫でしょうか?


03. 2014年12月01日 06:58:48 : jXbiWWJBCA

http://d.hatena.ne.jp/isoyant/20140218/1392683664
2014-02-18
「亀井モラトリアム法」実質延命Add Star
「監査役 最後の一線」 | 09:34

FACTA2月号(1月20日発売)に掲載された連載原稿を、編集部のご厚意で再掲させていただきます。

オリジナルページ→ http://facta.co.jp/article/201402039.html


2014年2月号 [監査役 最後の一線 第34回]by 磯山友幸(経済ジャーナリスト)

2013年1年間の倒産件数が、前の年に比べて大幅に減少した。東京商工リサーチの調べでは昨年1〜11月の倒産件数は1万105件で前の年の同じ時期に比べて7.9%減った。原稿執筆時点では年間の統計は発表されていないが、12年の年間倒産件数1万2124件に届かないことは確実。日本経済を大きく揺さぶったリーマン・ショックが起きた08年の翌年以降、倒産件数は5年連続で減少し、バブル期以来の低水準だ。

安倍晋三首相が進めるアベノミクスで景気回復期待が強まっている。倒産減少と聞けば、早くもその効果が出ているのかと思いたくもなるが、現実はまったく違う。景気好転によって倒産が減っているのなら健全で、喜ばしいことなのだが、そうではなさそうだ。

なぜか。民主党政権下で金融担当相に就いた亀井静香・国民新党代表(当時)による施策の“亡霊”が徘徊し続けているのである。亀井氏が導入した中小企業金融円滑化法、いわゆる「亀井モラトリアム法」の余韻が続いていると見るべきなのだ。

¥¥¥

現実にはこの法律は、13年3月末で廃止された。中小企業などが求めれば、金融機関はできる限り貸付条件の変更に応じるよう定めていた法律で、国民新党の歴代金融担当相による「指導」の効果もあって、条件変更に応じることが半ば「義務化」していた。

実質的に行き詰まっている企業の資金繰りを助けたわけで、目に見えて倒産件数は減少した。当初はリーマン・ショック後の企業の資金繰り難を救済する緊急措置ということだったが、東日本大震災もあって2度にわたって期限が延長され、結局、3年3カ月余りも「緊急措置」が続いたのだ。

この法律に従って貸し付け条件が変更された件数は、09年12月の施行から13年3月末の廃止までの間で401万9733件。見直し対象になった融資金額は111兆7424億円にのぼった。期間中に同じ企業が複数回の見直しを受けるなど重複もあるが、“問題債権”は数十兆円規模にのぼっていたのである。

潰れるべき企業を潰さない「亀井モラトリアム法」によって、ゾンビ企業が大量に生み出された。法律廃止前の金融庁の試算では、何もせずに法律を廃止すれば、4万〜5万社が一気に潰れるとされていた。つまり3年分のゾンビ企業が一気に表面化して倒産すると見ていたのだ。

ところが、である。法律が廃止された4月以降も倒産件数が減り続ける「想定外」の事態が続いている。無理に支えることをやめれば倒産は増えてしかるべきだが、逆に減っているのである。想定外に見えるのは世の中一般で、金融庁からすれば「想定通り」の結果かもしれない。どういうことか。

「円滑化法の終了後も、円滑化法と同等の内容を法律(地域経済活性化支援機構法)や監督指針・検査マニュアルに明記し、金融機関が法の終了前と変わらず貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めます」と、亀井モラトリアム法を廃止する前後に、金融庁が中小企業庁などと中小企業向けに配布したチラシには書かれていた。しかも「円滑化法と同等の内容を」の部分は、ご丁寧にも朱書きだった。

金融庁は亀井モラトリアム法が廃止された後も、金融機関に対して融資条件の変更に応じるよう「指導」していく、と明言していたわけだ。加えて、関係省庁と連携して中小企業への貸し出し動向を把握する「中小企業金融モニタリング体制」も敷き、霞が関を挙げてゾンビ企業を温存させようとしているのだ。

倒産件数が1990年以来の低水準となった昨年11月、東京商工リサーチはその結果を、「金融機関が中小企業のリスケ要請に応じているほか、中小企業金融モニタリング体制の効果などで(倒産件数が)抑制された状況が続いている」と分析していた。金融庁の「指導」に金融機関が従って、条件変更に応じているというわけである。「亀井モラトリアム法」は実質的に続いているのだ。

アベノミクスの成長戦略では、「産業競争力の強化」を打ち出している。その柱として掲げられているのが「産業の新陳代謝」だ。ベンチャー企業などを育てる一方で、役割を終えた企業には退出してもらう。ゾンビ企業が生き続けると採算度外視の価格設定がまかり通るようになり、過当競争を引き起こす。つまり、本来なら勝ち組であるはずの強い企業の足を引っ張ることになるのだ。もうそんな敗者を守るために勝者を犠牲にするような政策はやめよう、というのが産業競争力会議メンバーの経営者らの思いだった。

それを実現するための法律が昨年末の臨時国会で成立するはずだった。産業競争力強化法である。もちろん法律は通ったが、内容は当初の趣旨からだいぶ後退したものになった。官邸のホームページでは、成立した産業競争力強化法について、「ベンチャー支援や事業再編の促進などの『産業の新陳代謝』を加速するための措置を講じる法律」だと自画自賛している。だが、市場の原理に従って淘汰させるのではなく、事業再編をする企業に税制上の恩典を与えるという霞が関流の施策になった。

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法律はともあれ、安倍首相も繰り返し「新陳代謝」を口にし、ベンチャー大国を標榜している。ならば亀井モラトリアム法からの脱却を進め、ゾンビ企業の処理を加速させるのが筋だろう。

昨年夏以降、金融庁は金融機関に対する「監督・検査方針」を見直した。13年7月〜14年6月の事務年度における監督・検査方針を決めたのだが、それによると、融資先の中小企業が健全かどうかの判断は銀行の自己査定に委ねるとしている。これまで散々「箸の上げ下ろし」に口を出してきた金融庁が、金融機関に判断を「委ねる」としたのである。しかも、この方針転換は「成長分野への融資を促すのが狙いだ」という話だった。

法律で融資条件の見直しを半ば強制していたのをやめ、金融機関の自主判断に委ねたことで、ゾンビ企業の淘汰が始まるかに見えた。ところが現実は逆だ。金融機関の経営者は、金融庁が言わんとする「空気」を読んで、貸し続ける判断をしているのだろう。

ゾンビ退治に真剣に向き合わないとは、金融庁は安倍内閣の方針に逆らっているのか。それとも安倍首相の発言とは裏腹に政府の意思としてゾンビ温存を続けているのか。倒産件数の推移を見る限り、アベノミクスが異次元の改革に踏み切ったようには見えない。


04. 2014年12月01日 07:24:53 : jXbiWWJBCA

シリーズ・日本のアジェンダ 消費増税先送りYES or NO
【第3回】 2014年12月1日 ダイヤモンド・オンライン編集部
増税延期は誤った判断
財政と異次元緩和の背後に潜む“2つの限界”
――法政大学准教授 小黒一正
〈『タイタニック』という映画がある。超大型豪華客船の船底は氷山に衝突して傷ついている。徐々に浸水し、沈みゆく。しかし甲板では、船が傾き、沈没する可能性があることをわかっていながら、「損傷は小さく、この客船が沈むはずがない」という甘い認識があるのか、何事もないふりをして楽団が音楽を奏で続けている――。いまの日本財政の状況を見ていると、このシーンを思い出さずにはいられない。〉

財政危機を回避するのに
残された時間は長くない


おぐろ・かずまさ
1997年京都大学理学部卒、一橋大学博士(経済学)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2013年4月より現職。内閣府・経済社会総合研究所客員研究員、経済産業研究所コンサルティングフェロー。専門は公共経済学。著書に、『財政危機の深層 増税・年金・赤字国債を問う』、『2020年、日本が破綻する日』、『アベノミクスでも消費税は25%を超える』など。
 これは、近々、緊急出版する拙著『財政危機の深層増税・年金・赤字国債を問う』(NHK出版新書、2014年)からの引用であり、私がいまの財政の現状から受けるイメージだ。

 このような状況の中、安倍首相は2014年11月18日、経済成長の下振れ懸念が強まったと判断し、消費増税の一年半延期の是非を問うための衆議院の解散を正式表明した。

 11月21日にもはや衆議院を解散してしまったので誰も止めることはできないが、筆者は、増税の延期は間違った判断だと考える。リーマンショックや東日本大震災のような異常事態が起こらない限り、再増税を延期することは賢明な選択ではない。主な理由は2つだ。

 第1は、財政危機を回避するのに残された時間はそれほど長くないためだ。つまり、財政の限界である。米国のアトランタ連銀のアントン・ブラウン氏らの研究(Braun and Joines, 2011)は、政府債務(対GDP比率)を発散(限りなく膨張すること)させないために、消費税率を100%に上げざるを得なくなる限界の年を計算している。結果は消費税率が10%のままならば2032年まで、消費税率が5%のケースでは2028年まで。ブラウン氏らは試算していないが、消費税率が8%のケースでは「2030年」頃が限界の年となるはずだ。

 そもそも消費税率を100%にすることは現実的には不可能だろう。ならば、これらの限界年は、その後、どんなに財政再建の努力を行っても財政破綻を防ぐことはできない限界の期限を示していることになる。

 また、1997年4月の増税実施(消費税率3%→5%)から、今回(2014年4月)の増税(消費税率5%→8%)が国会で決まるまで、17年もの時間がかかっている。安倍首相は、1年半の延期で2017年4月に必ず増税する(消費税率を10%に引き上げる)としているが、それが確実な保証はない。将来の経済動向は誰も予測がつかず、景気が低迷したときでも、本当に増税が実行できるのか疑問が多い(実際に今回は増税を延期している)。

 また、そもそも今回の増税は「止血剤」に過ぎず、財政を安定化(対GDPでの政府債務を発散させずに、一定比率に安定化)させるには、消費税率は20%を超えるという現実も重要である。現在の議論には以下の視点が欠けている。まず、再増税が遅れれば財政的に同じ効果を持つ税率引き上げ幅は2%(10%−8%)より大きくなる。財政を安定させるためには、最終的にどの程度の税率が必要なのか、も議論されていない。

 前述のブラウン氏らの研究によると、日本がデフレから脱却し2%のインフレを実現した場合でも、今後5年おきに段階的に消費税率を5%ずつ引き上げていき、ピーク時の税率を32%にしなければならない。このシナリオは年金給付などの削減など、相当厳しい状況を前提としている。

 増税スケジュールを遅らせれば、ピーク時の税率が急上昇し、若い世代や将来世代の負担が増す可能性がある。消費税率を10%に引き上げる痛みを先送りすれば、将来の痛みはずっと大きいのだ。

買い入れるべき国債が枯渇
異次元緩和の限界

 第2は、異次元緩和の限界だ。現在、政府の借金である政府債務が対GDP比で200%を超えている。政府債務の多くはいうまでもなく国債であり、これだけ大量の国債を発行すれば、国債価格が下落し、長期金利が上昇してもおかしくない。約1000兆円もの政府債務がある状況で、長期金利が急上昇すれば、借金の利払いも急増し、財政が危機的な状態に陥るのは明らかである。しかし、長期金利は1%を切る水準で低下している。

 この理由は、アベノミクスの第一の矢、つまり日銀が異次元緩和(厳密には「量的緩和」)で大量の国債を市場から買い入れていることにある。

「量的緩和」とは、中央銀行が「通貨量を増やす」という量的調整を行う非伝統的な金融政策のことを指す。量的緩和を実施するとき、例えば、中央銀行は民間金融機関から国債を買い入れ、民間金融機関に通貨を供給する。そうすると、市場に流通する国債が減るため、国債の価格は上昇し、長期金利は低下していくという理屈である。

 しかも、2014年10月31日、日銀は年間のマネタリーベース(「日銀が供給する通貨」をいい、具体的には「現金通貨+中央銀行預け金の合計」をいう)の増加額を、約80兆円まで拡大(これまでより年間で約10〜20兆円規模の拡大)することを発表した。2012年末に約130兆円(うち保有する長期国債は89兆円)だったマネタリーベースについて、2014年末に275兆円(同200兆円)に増やすことになる。

 その際、これまで年間約50兆円のペースで増やすとしていた長期国債の保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加と、これまでよりもさらに約30兆円多いペースで増加するよう買い入れを行う予定である。長期国債をネットで年間80兆円増やすには、日銀が保有する長期国債のうち償還分も買う必要があり、実質的な買い入れ総額(グロス)は110兆円程度になるはずだ。そして、長期国債の平均残存期間(満期になって償還されるまでの時間。デュレーションともいう)も、現状の7年程度から7〜10年程度に延長する。

 だが、この異次元緩和には限界がある。なぜなら、このまま日銀が買い入れ額を増やしていけば、近い将来、市場で取引される国債は底を突くからだ。理由は単純である。大雑把であるが、財政赤字(新規の国債発行額)が約30兆円としよう。日銀が異次元緩和で市場からネットで毎年約80兆円の国債を買い入れると、金融機関が保有する国債のうち50兆円(=80兆円−30兆円)を日銀が吸収してしまう。2014年時点で国債発行残高は約800兆円で、すでに日銀は約200兆円の国債を保有しているから、単純な計算で約12年間[(800−200)兆円÷50兆円]で日銀はすべての国債を保有し、国債市場が干上がってしまうことになる。

 もちろん今後の財政赤字の状況や、日銀以外の各保有者の動向によっても、結果は違ってくる。例えば生命保険会社等は、資産運用のために国債が必要だ。だから実際には、12年も待たないうちに国債市場は枯渇することになる。

総選挙の争点は増税の延期ではなく
財政ファイナンスを認めるか否か

 そう考えると、今回の解散・総選挙の争点は「増税を1年半延期するか否か」を国民に問う解散・総選挙というよりも、むしろ「財政ファイナンスを認めるか否か」ということこそが大きな争点だと気づくはずだ。

 財政ファイナンスとは、財政赤字を穴埋めするため、日銀が国債を大量に買い取ることをいう。財政ファイナンスには2種類ある。

 一つは、「中央銀行(日本では日本銀行)による国債の直接引き受け」だ。つまり、政府が発行した国債を、市場を介さずに日銀に買ってもらうことを指す。それによって当面の国債の償還財源を確保するわけだ。つまり、「国債と引き替えに、中央銀行がお札を刷って政府に渡す」ということである。

 そんなことが許されれば、市中にお札があふれ、その国のお札に対する信頼は失われてしまう。急速にお札の価値が下がっていき、結果的に高インフレーションが引き起こされる可能性が高まる。そうなると、もう中央銀行も物価をコントロールすることは容易ではない。このような状況は国民の経済生活が劇的に脅かされる事態であるから、中央銀行の国債直接引き受けは、財政法第5条で原則禁じられている。

 もう一つは、上記で説明したように、「節度を失った量的緩和」による財政ファイナンスである。もっとも公式には、日銀はデフレ脱却を目的に異次元緩和を行っている。例えば、2014年11月12日の衆院財務金融委員会において、日銀の黒田総裁は「大量の国債購入はあくまでも金融政策運営上、2%の物価安定の目標を実現するために必要な手段として行っているものであり、財政ファイナンスを目的にしていない」旨の答弁を行っている。しかし、早稲田大学ファイナンス総合研究所の野口悠紀雄・顧問やBNPパリバ証券の河野龍太郎・経済調査本部長等も指摘するように、実質的には財政ファイナンスになっている蓋然性が高い。

「金融抑圧」という
借金帳消しの第3の手法

 時々、「第2次世界大戦後の英国は政府債務が対GDP比で2倍を超えていたにもかかわらず、財政破綻しなかった」というような話をする識者もいるが、それは誤解だ。過剰債務を抱えた場合、政府はさまざまな政策手段を駆使して、借金を圧縮、または帳消しにしようとする。その典型が「債務再編(例:国債のデフォルト)」や「突然の高インフレ」であるが、「金融抑圧」という手段もある。

 金融抑圧とは、政府・中央銀行が市場実勢と比較して非常に低い水準に金利を規制あるいは誘導しつつ、金融機関や個人にきわめて低い利回りで国債を引き受けさせることを指す。低金利とインフレでマイナスの実質金利(実質金利=名目金利−インフレ率で、「名目金利<インフレ率」だとマイナス金利となる)にして、債務を圧縮する政策手段の一つであり、現在の日本のように資本移動が自由化した状況では難しいが、広義には、筆者はこれも実質的な破綻と見なしていいと考えている。

 例えば、名目金利が5%、インフレ率が35%とすると、実質金利はマイナス30%となる。このとき、100億円の名目債務は10年で約1.6倍の162億円になるが、物価は約20倍となるから、10年で実質的な債務は12分の1に軽減される。これは、実質金利がマイナスだからだ。

 そして、金融抑圧を利用して、過剰な政府債務を圧縮した事例が、終戦直後のイギリスなのである。カーメン・M・ラインハートらの研究によると、1945年から1980年の35年間において、金融抑圧税(マイナスの実質金利による税収)は対GDP比で年間平均3.6%にも達した可能性が高い旨の報告がある。これだけの増税を35年間も行えば、単純計算でも、政府債務(対GDP)は126%ポイント(=3.6%×35年間)減少するはずだから、政府債務が縮小するのは当たり前だ。なお、対GDP比で3%〜4%とは、現在の日本のGDPは約500兆円であるから、国民の資産である預金等に対して、年間平均で15兆円〜20兆円にも及ぶ増税を35年間も行い、政府債務を圧縮したことを意味する。

 いずれにせよ、財政再建には3つの手法しかない。増税、歳出削減、経済成長の3つだ。この中で、痛みを伴わないのは経済成長による財政再建である。ただし、国民所得を拡大するために経済成長は重要であるが、経済成長に頼る財政再建はギャンブルである。そうすると、財政を再建するには、増税や歳出削減を進めるしかない。つまり、再増税を巡る対立の本質は「実施 vs 延期」ではなく、本当の対立軸は「いまの痛みか vs 近い将来のより大きな痛みか」という選択なのだ。

 今回の衆議院・総選挙は12月2日公示、14日投開票だ。選挙は我々国民が一票を行使し、国の方向性を決める時であることはいうまでもない。もはや我々に残された時間は少ないのであり、以上の視点も含め、投票を行うことが望まれる。
http://diamond.jp/articles/-/62931


05. 2014年12月01日 10:11:38 : MkSnXucc0U
12月14日は悲願の平成の討ち入り決行の灯である。「おのおの方、抜かるでないぞ」-内蔵助-

06. 2014年12月01日 10:29:06 : OIRvK2NSF6
亀井さんも小沢さんも「自分は人気がない」という思い込みが深すぎる
亀井さんが石原慎太郎ごときを担いで自分は裏に廻ろうとしたのはまちがいだ
国民は国民の生活をよくする政治家を支持する 顔じゃない
亀井さんは味のあるいい顔ではありますが

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