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田原総一朗:自民党のテレビ各局への要望は「介入」ではないか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141130-00000000-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 11月30日(日)13時4分配信
国民の一般的な反応を知るために、私はよくタクシーの運転手さんに意見を聞く。今回の解散・総選挙について8人にお聞きしたが、そのうち6人が反対で「今なぜやるのか」と不快感を示した。
■国民の多くは解散・総選挙に不快感
国民の多くが今回の解散・総選挙に不快感を抱いているのは世論調査にも表れている。朝日新聞の世論調査(11月19、20日調査)では「納得しない」が62%、共同通信(11月19、20日調査)では「理解できない」が63%、産経新聞(11月22、23日調査)では「適切だと思わない」が72.2%となった。
政府は11月28日、今回の総選挙にかかる費用として予備費から631億円を使うことを閣議決定したが、この600億円を超える費用について「無駄遣いではないか」「他の用途に回すべきだ」といった声が強い。
安倍晋三首相は、来年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げを先延ばしすることを決め、それにより税の問題や財政の問題に大きな影響を与えることから、国民に信を問わなければならないと解散・総選挙の理由を述べている。
だが、消費再増税の延期に反対している野党は一つもなく、野党は「大儀なき解散・総選挙」「600億円の予算も無駄遣い」と批判している。
■アベノミクスの対案が野党から出てこない
結局、今回の選挙はアベノミクスを問うことになるだろう。
日本経済新聞の世論調査(11月21〜23日調査)では、アベノミクスを「評価しない」が51%で「評価する」の33%を上回った。また、75%が「景気回復を実感していない」と回答している。そして、内閣支持率は44%となり、前回調査(10月下旬)より4ポイント下がった。
現状では、このように国民はアベノミクスに厳しい評価を下している。
私が最も物足りないと感じるのは野党の姿勢である。野党はアベノミクスが失敗だったと批判するが、具体的な対案を出していない。国民には今、単なる批判に耳を傾けるゆとりはない。国民は野党の対案を求めており、民主党なら「カイエダノミクス」、維新の党なら「ハシモトノミクス」「エダノミクス」が欲しいのだ。
しかし、野党からは対案らしい経済政策は示されていない。それがとても物足りなく思う。国民にしてみれば、どの政党に投票すればよいのかわからないのだ。それが現実である。
■自民党のテレビ局への要望は不当な介入ではないか
今、とても気になることがある。自民党が在京のテレビ局各社に対し、衆院選を報道する際、「公平中立、公正の確保」を求める文書を送っていたことである。
朝日新聞11月28日付の記事よると、文書は自民党の萩生田光一・筆頭副幹事長と福井照・報道局長の連名により11月20日付で送られていたという。
文書には、こと細かな内容が書かれていた。出演者の発言回数と時間は公平を期す、出演者の選定には公正中立を期す、特定政党出演者への意見が集中しないようにする、街頭インタビューや資料映像などでも一方的な意見に偏らないようにする――などで、これらが「お願い」する形で書かれていた。
これほど具体的な内容は「お願い」ではなく、報道に対する不当な介入ではないか。
実際に番組を製作する場合、スケジュールの都合で一部の政党が抜けることもあるだろう。出演時間も発言回数も公平にしようとすればテレビ番組を成立させるのは難しくなる。
■テレビ各局から抗議が出てこない
文書には「具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあった」と記されているという。
1993年、テレビ朝日の報道局長が「反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようという考え方を局内で話した」と語った問題について言っているのだろう。この問題ではその後、放送内容が検証され、不公正な報道が行われていなかったことが明らかになっている。
実は11月18日夜、安倍首相がTBSの「NEWS23」に出演した際、番組でアベノミクス批判の街頭インタビュー映像を並べたことに対して、安倍首相が強い不快感を示していた。そうした背景があって、20日付で文書がテレビ各局に送られたのかもしれない。
朝日新聞が28日付で報じると、日本民間放送労働組合連合会が同日、「政権政党による報道介入に強く抗議する」との連合会委員長の談話を発表した。しかし、在京各局からの抗議が出てこないのは、テレビ各局がすでに萎縮しているせいではないかと懸念せざるを得ない。
■特定秘密保護法の行方、メディアの萎縮を懸念
そうなると、特定秘密保護法の行方が気になる。
「特定秘密」の内容が曖昧であること、法律の運用をチェックできるかどうか不安があることなどが強く指摘されたにもかかわらず、十分な審議を行うこともなく法律は昨年12月に成立した。
その後、政府は今年10月に法律の運用基準について閣議決定したが、監視機関の問題一つとってみても、その不安要素は解消されていない。法の運用を監視するために「独立公文書管理監」が置かれるが、同管理監は各省庁の局長よりランクが下の審議官クラスから選ばれる。しかも、内閣府に設置される「情報保全監察室」に属することになり、その独立性が確保できるのか、監視機能が十分に果たせるのか、懸念される。
安倍首相は特定秘密保護法案によって「報道が抑圧されるような例があったら、私は(首相を)辞める」と発言している。しかし、今回のように衆院選報道をめぐり要望書が提出されるような状況を見ると、その言葉を素直には受け取ることはできない。
政府は今、メディアに対する規制を強めようとしているのではないか。今回の要望書のようなことが重なると、メディアはどんどん萎縮してしまうだろう。それはとても危険なことである。
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