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今重要な政策課題とは
11月30日のNHKの日曜討論番組を見ていての感想です。
まず、維新の党の橋下氏が言われていることが幾つか気にかかりました。公務員
削減、または公務員人件費削減は確かに鋭い指摘です。実際、大阪での公務員人件費削減は一つの実績でしょう。ただ、やはり、どうも「弱いもの叩き」の「貧乏競争」のように思えてしまいます。世界との競争力強化が必要だとか、幼稚園から大学までの学費無償化は公務員待遇を切り下げて4兆円をねん出することでできるというようなことは、かなりの見当違いでしょう。アジアの国々だけでなく、南アメリカや東欧、そしてアフリカの国々など、日本よりもずっと若い人たちが多く、また、日本と比べるとずっと簡素な生活の中で働いています。技術移転はかなり簡単にでき、そういった国々と競争するのは並大抵ではありません。また、世界に教育が普及して行くということは、基本的に世界中の国々が競争力を持ってくるということで、昭和の時代に日本が持っていたような競争力を今後再び日本が持つことはほぼ100%あり得ないと思います。また、公務員削減・人件費圧縮による4兆円と言っても、今の財政の中では年間40兆円とか50兆円以上という圧倒的な税収不足があるわけで、単に公務員関係の支出を削っても教育無償化は無理なのです。しかし、反面、強い意志があれば教育の無償化が出来ないわけではなく、教育の無償化がなぜ必要なのかをきちんと討論して世論の合意が出来れば可能でしょう。しかし、現状の教育審議会の話などを見ていると、教育の利権化というようなことが進んでいて、やはり、橋下氏の言われていることはかなり無理があるとしか思えません。時間の限られたテレビの討論番組ではなくて、自らのホームページなり、著作で、詳しい筋道を説明して示すべき政策だと思います。
もうひとつ、原発輸出に伴って、日本が処分できないでいる核廃棄物を相手国に引き取ってもらう交渉をするべきだという主張を橋下氏がされていましたが、これは最もひどい誤認です。核廃棄物については、日本だけでなく世界中でどこの国も処分に困っているのです。放射能の半減期が何万年、何億年あるというだけでなく、重金属毒性という永遠に消えない毒性もあります。それを地下500メートルとか1キロのところに埋めることはどこの国にせよできないことなのです。深さをこれ以上深くすることは、地温が上がってしまうためできません。核廃棄物処分をどこかほかの国へ押し付けるというのは、却って、日本自体がその役割を引き受けうる羽目に陥ると思います。アメリカやフランス、ロシア、中国がどこへ核廃棄物を処分するのでしょうか。日本だけが原子炉技術を持つわけではなく、核廃棄物を日本だけが持っているわけではないのです。まったく国際情勢を理解していない発言だと言わざるを得ません。
次世代の党の平沼氏が言われていた財政赤字は国内で消化していて、国民から見ればその分の資産があるということだというのは、あまりにも詭弁です。国が借金をしている相手は国民であり、国がその借金を払う元手は国民から取る税金です。国が国民とは関係のないところで収益事業をやっていて、そこからの利益で国債償還をするのであれば、日本国民が持っている国債は債権であり、資産ですが、現実には将来これだけ自分たちで税金を多く納めなければいけないという借金証書を積み上げているだけなのです。落語でこんな話があります。二人でどぶろくを造り、市場へ行く途中、一人が少し飲みたいと言い出し、手持ちの5銭を相手に払って少しだけどぶろくを飲みます。次に、その5銭を持っている相手が自分も飲みたいと言ってその5銭を相手に返し、どぶろくを少しだけ飲むのです。これが繰り返され、市場へ着くころにはどぶろくは底をつき、二人の間には相変わらず5銭しか残っていない。国債の国内消化とはどぶろくを自分たちで作り、自分たちの中で売り買いしているのと同じことなのです。資金は単に国内で回っているだけ。問題はその間にどぶろくが無くなって行っていることであり、日本の場合は、少子高齢化とエネルギー資源や食糧の海外依存度の高さが全く改善されない点にあります。
今の日本の政策課題とは、まず第一に化石燃料や食料の海外依存度をいかに下げ、自立化するかです。次に、近い将来必ず起こるであろう大規模災害による被害をどうやって軽減するかです。この中には次の原発事故を避けるという絶対的に必要な課題があります。日本のマスコミにかけていることの一つは、こういった政策課題にどう取り組むかという議論というよりも、こういった課題が出てきてしまっている背景としての国際的な圧力をはっきりと言明する、またはそれを報道するということだと思います。
2014年11月30日10時45分 武田信弘
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