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【名言か迷言か】
「バッジ」のためなら「変節」なんか気にしない 「みんな」前議員たちのなりふり構わぬ“移籍
http://www.sankei.com/premium/news/141130/prm1411300022-n1.html
自民党でも民主党でもない「第三極」として平成21年に旗揚げしたみんなの党が28日、消滅した。野党共闘か、与党連携かという路線対立をめぐる内紛劇が結党から5年で幕を閉じる引き金になった。「口汚く家族でケンカして家を壊してしまい、みんないなくなった政党もある」(公明党の山口那津男代表)と皮肉られても、永田町でバッジをつけ続けるためならどこへでも行く人たちがいた。
みんなの党の結党メンバーの一人、山内康一前衆院議員は、渡辺喜美前代表の8億円借入問題に端を発した内紛の最中だった9月中旬、苦しい胸中を周囲に漏らしていた。
「喜美さんには恩義があるが、自民党を離党したのに、自民党にすり寄るのはどうか。僕は政権の暴走を食い止めたい方だから、路線的には浅尾(慶一郎代表)さんになるのかな…。いずれにしても、これまでの発言との整合性も考えないといけない」
それから2カ月。19日の党両院議員総会で解党を決めた翌20日、山内氏から迷いは消えていた。この日、党に離党届を提出し、その足で民主党に入党届を出した。目前の衆院選では埼玉13区から民主党公認で出馬することになった。
記者会見では、転職先として民主党を選んだ理由について「安倍晋三政権に対する対抗軸をつくらないといけない」と力説した。「穏健な中道勢力が必要で、民主党という選択に全く違和感はない。一番近いのは民主党だ。みんなの党と共通する部分も多い」と親和性を強調した。
だが、かつて自身のブログで「経済政策はバラマキ、外交・安保政策はバラバラという悪しき民主党体質です」(22年3月28日)と、民主党批判を展開していた主張との整合性に関する説明はなかった。
民主党の労組依存体質に関しても、山内氏はブログで「民主党は公務員労組や旧社会党の勢力も強く、真ん中よりも左より。大きな政府へと向かうのは最初からわかりきったことです」(22年3月30日)と断じていた。みんなの党の結党宣言も「特定の業界や労働組合に依存することなく、国民に根ざした政党を結党する」と掲げ、行政改革を阻んでいるとして官公労を厳しく批判してきた。
山内氏もその趣旨に賛同したオリジナルメンバーのはずだ。それなのに、「労組依存が悪だとは思っていない。一定の役割を果たさないといけない」(20日の民主党入党会見)と変節した。衆院選を目前にすれば、無所属よりも政党公認で立候補の方が、比例代表との重複ができるほか資金面などで有利になるのは確かだ。しかし、「無節操な移籍」との批判は免れない。
山内氏と一緒に民主党に入党届を提出した中島克仁前衆院議員も20日の記者会見で、9月に民主党入りを決断したと明かし、「民主党には親近感を持っていた。労働組合と話をし、よりよい政策をつくることができる関係が成り立てばいい」と言い放った。
中島氏は前回衆院選で山梨3区からみんなの党で出馬し比例復活当選した。今回の衆院選で山梨の選挙区は「一票の格差」是正に伴う定数削減で3から2に減る。中島氏は旧3区を含めた新1区から民主党公認で出馬する。
民主党としても、後藤斎・元衆院議員(山梨3区選出)の山梨県知事選への転出に伴い、後継選びが進んでいなかっただけに、中島氏の入党は「渡りに船」だった。その背後には、同党の輿石東参院副議長の影がちらつく。
中島氏は記者会見で、出身高校の韮崎高の先輩にあたる輿石氏の名前を挙げ、「お世話になった先生と日本のため、地元山梨のために入党させていただけるのは政治家として新たな一歩だ」と語った。会見の数日前には輿石氏に入党の意向を伝えたという。
輿石氏といえば、日本教職員組合(日教組)出身の国会議員らでつくる日本民主教育政治連盟に所属しており、「日教組のドン」の異名もある。山梨県の小学校教員出身で、日教組傘下の山梨県教職員組合(山教組)では委員長などを歴任、地元では強い影響力を持つ。
中島氏の父、故中島真人参院議員(自民党)も教員出身で、輿石氏とは関係が良好だったこともあり、衆院選で集票マシンの山教組がフル回転する可能性は高い。ただ、政策や政治理念そっちのけの移籍に「みんなの党の中島」を支持していた有権者が離反するのは避けられない。
一方、来年春の統一地方選を控え、みんなの党公認候補だった地方議員にとって解党は寝耳に水。各地で悲鳴があがる。
みんなの党の松田公太参院議員が21日に東京エリアの地方議員を集めて解党の経緯などを説明した。地方議員からは「選挙が厳しくなる。解党は勘弁してくれ」と反発するも、もはや手遅れだ。
松田氏自身、解党後は「無所属」を決めている。渡辺氏の最側近といわれていたが、孤立を深める渡辺氏と距離を置き始め、解党決定時は「中立的立場」を強調するなど、「最側近」を消すのに懸命のようにみえた。
「第三極を目指す『社会実験』は失敗だ。内紛続きで解党はなるべくしてなった。もう限界だった」
江戸川区議の桝秀行氏は、来年の統一選に行われる同区議選を無所属で臨む決意を固めた。連日、「みんなの党」ののぼり旗を立てていた街頭演説は、政策とともに、個人名を連呼する手法に切り替えるつもりだという。(政治部 岡田浩明)
◇…今週の永田町語録…◇
(24日)
▽公明がいて安心
石井啓一公明党政調会長 公明党が連立政権にいるから安心だと言う人が増えている。特定秘密保護法も集団的自衛権の問題も粘り強く協議したから、国民が納得できる中身になった。(茨城県つくば市で街頭演説)
▽身を切らない
江田憲司維新の党共同代表 国会議員、役人が率先して身を切らなければ、政治不信は解消されない。しかし、安倍晋三首相は国会議員の定数削減の約束を見事にほごにした。(横浜市で街頭演説)
▽安倍政権にノーを
小沢一郎生活の党代表 大企業は史上空前の利益だが、国民の生活は日に日に苦しくなっている。なんとしても選挙を通じ、安倍政権の政治経済の運営にノーという票を投じていただきたい。(盛岡市で記者会見)
(25日)
▽風は吹いてない 麻生太郎副総理兼財務相 風が吹いていない選挙だ。追い風でもなければ、向かい風でもない。簡単に言えば、たこは揚がらないということだ。風頼りの選挙でない人が当選するだろう。(記者会見で)
▽チャンス
細野豪志民主党元幹事長 大義のない衆院解散だとか言われるが、私は頭を切り替えた。今回の衆院選は、多くの、今苦しい中で頑張っている仲間が、もう一度国会に上がってくるチャンスだ。(東京都内の会合で)
▽独自性と存在意義
吉田忠智社民党党首 野党がしっかり協力しなければならない。社民党の独自性も存在意義も主張しながら、野党との、特に民主党、生活の党との選挙区のすみ分けなどの協議を進める。(東京都内で記者団に)
(26日)
▽2年前
安倍晋三首相 野党は円安を盛んに攻撃している。(民主党政権の)2年前を思い出してほしい。頑張って知恵を出しても行き過ぎた円高で競争力を失い、根こそぎ仕事がなくなっていた。(盛岡市での街頭演説)
▽早過ぎる
海江田万里民主党代表 今日も新たに公認を決めた。残された数日、最後まで一人でも多く、しっかりした人を候補にする作業をしている。(衆院議席数の)過半に届かないと言うのは早過ぎる。(党本部で記者団に)
▽経済良く
平沼赳夫次世代の党党首 経済政策をより具体的な形で国民に理解していただき、日本の経済状況を良くしていくことを訴えたい。既得権益の打破、自主憲法の制定などの主張も展開したい。(国会内での記者会見)
(27日)
▽一人の党
茂木敏充自民党選対委員長 私の地元、栃木県にみんなの党の渡辺喜美前代表がいる。党はけんかして分裂、解党だ。みんなの党をつくったはずだが、今では一人一人の党になった。(山梨県甲州市の会合で)
▽いろんな所で
枝野幸男民主党幹事長 街頭演説1回で全てが届くわけではないが、政治の影響を一番受けるのは、この国と長い期間お付き合いする若い人だ。思いを一生懸命、いろんな所で伝えていきたい。(東京都内で記者団に)
▽しがらみなし
江田憲司維新の党共同代表 しがらみのない、維新だからこそできる、徹底した規制改革。地域主権改革・分権改革など日本の将来を切り開く本当の改革を断行できるのは維新の党だけだ。(記者会見で)
(28日)
▽年末の繁忙期に
山口那津男公明党代表 年末の忙しいときに選挙かと、正直思うだろう。本当に申し訳ないが、大切な選挙だ。消費税率引き上げの日程を変えるが、これでいいかと国民の声を聴く。(大阪府守口市で街頭演説)
▽政権にブレーキ
枝野幸男民主党幹事長 安倍政権が今と同じくらいの議席を取れば今までの路線にアクセルを踏む。「それではいけない」という皆さんが野党第1党に力を与えれば、ブレーキをかけていける。(山形市で記者団に)
▽女性の人権重視
吉田忠智社民党党首 ドメスティックバイオレンス(DV)問題をはじめ、女性の人権を確立していくことは重要な政策課題だ。安倍政権は「女性の活躍」というが、人権の視点がおろそかだ。(党本部で記者団に)
[産経ニュース 2014/11/30]
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