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2014年11月26日放送の文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」における、堤未果氏(ジャーナリスト)の話の一部書き起こしです。音声は下記URLで聞くことができます。当該個所はYoutubeの音声で0:25あたりからです。
【堤 未果】国民皆保険を守れ!が父の遺言---アメリカ社会保障:オバマケア―は欠陥だらけ?次は日本が危ない!
https://www.youtube.com/watch?v=u0KzVDT0ulU
http://podcast.joqr.co.jp/podcast_qr/main/main141126.mp3
(書き起こしここから)
大竹まこと:今日は「沈み行く大国アメリカ」というご本を後半の方でたっぷりと紹介させていただきたいと思います。アメリカはどうやら大変なことになっているようですが、最初にですけども、堤さんのお父さんはジャーナリストでいらしたんですか?
堤:はい。
大竹:お父さんはお亡くなりになっています。
堤:そうなんです。糖尿病だったんですけれども、最後透析をしていて、人工透析をしていて、ずっと透析をやってたんですけど、最後ちょっと無理をしまして、病院で、3年前に。
大竹:3年前ですか、あらあらそうですか。
堤:確か、多分、3年前ですね。
大竹:何か、お父様が未果さんに遺言を残されたそうですが。
堤:そうなんです。透析というのはですね、すごく高いんですね、医療費が。ただ、日本は国民皆保険でカバーされてるので、透析患者というのはちゃんと寿命が延びて元気でやっていけるんですね。なので最後の方に、国民皆保険がある日本に生まれて本当に良かったと。もし日本じゃなかったら悲惨なことになっていた。ジャーナリストならば国民皆保険制度をなんとしても守れと。これが遺言だったんです。
(中略)以下3:20あたりから
大竹:アメリカが大変なことになってるみたいですね。
堤:大変なことになってますね。
大竹:このオバマケアっていうのが保険の制度ですね。
堤:皆保険ですね。アメリカ版皆保険。
大竹:アメリカ版皆保険の制度です。これができる前までは、私の聞いている範囲ですよ。大竹、アメリカは大変だよと。救急車に乗って行っても、病院に着いた時に、お前、金を持っているか、持っていないかと。持っていなかったら降ろされると。額から血を出していてもまず金があるかって聞かれちゃって、なかったら追い出される。それがアメリカで、しかも簡単に言ったのかな、盲腸の手術だと保険を持っていると90万円。保険を持っていないで受けると260万円。本当ですか、この話は?
堤:本当ですね。
大竹:そういう感じだった?
堤:本当です。医療費はめちゃくちゃ高いです。
大竹:そして、この医療保険ができる前後、アメリカの中間層が今どんどん自己破綻して少なくなっていっちゃってる。その原因はあまりにも医療費が高くてそのお金が払えない人たちが、本の中では年収、女房と妻と合わせて900万円ぐらいの年収の人が駄目になっていっちゃう。
堤:医療破産しちゃうんですね。
町亞聖:900万円だったら、けっこういい普通の生活ができますよね。
大竹:900万円あったら日本だったらスーパーリッチでしょ。かなりリッチな部類でしょ。それがけっこう自分の先々のことも考えていたのに、病気が・・・。
堤:一度病気をして、それから坂を雪玉が転がるように医療費が膨れ上がるわけです。日本だと、お医者さんと患者さんの間に入っているのは、国民健康保険だったり公的なものですよね。アメリカの場合は、患者さんとお医者さんの間に会社が入っているんです。
大竹:民間ということですか。
堤:民間ということです。つまりどういうことかと言うと、日本の国民皆保険制度というのは社会保障なんですね。私たちみんな知ってますよね。だからみんな当たり前のように入りますよね。アメリカは医療が商品なんです。ビジネスなんです。なので医療保険という商品を売る株式会社が、患者さんとお医者さんの間に入っている。
だから例えば、大竹さんが交通事故にあって救急車に乗る。お金はあるのかと。保険会社はどこなんだと。つまり保険会社が一人一人みんな違うので、カバーされる範囲もみんな違うわけです。そうすると、大竹さんのプランはもしかして救急車は入らないかもしれない。
大竹:あっ、僕のプランには入ってないかもしれない。
堤:入ってないかもしれない。そうしたら自己負担ですよと。そうすると、タクシーで3分の所を救急車で行くだけで、15万・20万という請求書が後から来たり、それから盲腸だったら、カバーは5割しか出ませんよとなったら、じゃあ100万は自己負担だとかね。みんな変わっちゃうわけです。なので、お医者さんもどこまで治療すればいいかというのを自分で決められないわけです。保険会社にいちいち連絡しなきゃいけない。
大竹:それはオバマケアのできる前の話ですね。
堤:ベーシックな。
(中略)以下9:20あたりから
大竹:あのマイケルムーアが、銃規制とかなんとかで生のカメラで闘ってたジャーナリストが大絶賛した。で、オバマケアの蓋を開けてみました。どうなってたんですか?
堤:これはですね、リーマンショックの時のサブプライムローン、あの詐欺的な投資商品ありましたよね。あれにかなり近いものがありました。要するに、先ほど私、お医者さんと患者さんの間に会社が入っているって言いましたよね。この構図をそのままにしたまま保険証だけ配ったんです。ということは、例えば今までは保険がすごく高くて買えなかったっていう人が大竹さんだとして、大竹さんがオバマケアで保険証をもらいました。
大竹:これからこの保険が使えると。
堤:やった、これでやっと病院に行かれる。
大竹:病院にも行かれるし、医療費も高くないと。
堤:ところが、じゃあ病院にいきました。オバマケア保険を扱っているお医者さんがまず見つからない。
大竹:いないんですか?
堤:いないってことはないんですけど、ものすごく少ないです。なぜなら、お医者さんの問題を全く解決しないまま、商品だけ義務化したので、要するに保険に入ってないと違法だよということにしたので、保険証はばら撒かれたんですけれども、使おうと思ったら、オバマケアというのは払い戻しの率が非常に悪いんです。となると、医学部の借金を背負っているお医者さんは・・・。
大竹:それを扱ってなんかはいられない。
堤:はい。保険証だけ増えたけども、自分たちは状況が変わってないと。これ以上取れないと、患者。
大竹:しかもそのオバマケアに対してお医者さんのやる仕事、もしそれを受けた時にお医者さんのやる資料の整理ですか?
堤:書類の入力というのが膨大なんです、これがまた。
(中略)以下12:10あたりから
堤:オバマケアっていっぱい穴だらけなんですけど、そのうちの1つ例を挙げると、お医者さんが犠牲になってる。今のようにね。ということがあります。なのでオバマケア保険は扱ってませんという張り紙をしている病院が非常に多い。
町:病院側は使わなくてもいいわけですか?
堤:使わなくてもいいんです。アメリカはもう1つ特徴があって、日本って例えば大竹さんが健康保険証を持ってたらどこの病院にも行かれるじゃないですか、好きな所に。(中略)それから病院も好きな病院に行けますよね。好きなお医者さん。
町:大学病院にも行けますよね。
堤:アメリカの場合は、自分が持っている保険プランのリストに載っている病院にしか行かれないんです。
大竹:じゃあ、近くになかったら遠くってことになるよね。
堤:そうですね。で、そのお医者さん以外の所に行くと、100%自己負担なんです。盲腸200万円の世界になる。
大竹:盲腸が200万になっちゃう、そこ行くと。
堤:はい。自己負担が10割になるので。そうするとオバマケアのリストにお医者さんが入らないとオバマケア保険を持っていても、行けるお医者さん自体がほとんどないですよね。
(中略)以下17:20あたりから
堤:よくわかってない商品って、市場になりやすいんですね。ビジネスとして入りやすい。買う側がよくわかってないから、買っちゃいますよね、イメージで。
大竹:サブプライムローンみたいな。
堤:あの時みたいな。
大竹:よくわかってない。だけど、俺も家が持てるみたいな。
町:自分たちにはいいことが多そうだみたいな。
堤:そうなんです。で、オバマケアで一番儲かっているのが医療保険会社と製薬会社なんですけど。
町:痛み分けって最初は言っていたはずなのに。
堤:痛み分けって言ってたんですけど、ジャブジャブ政府の税金で保険証を配って、それでどんどん加入者は増えるし、お薬のお金も国が払ってくれるし、ものすごく儲かります。
大竹:民間の製薬会社なり、そういうのがなんか大儲けしている感じですか。
堤:株価がすごく上がってますね。
町:結局やっぱり大きな企業一部に利益がいってるみたいな。
堤:ただ、選挙で献金もしてますので当然の見返り。
大竹:利益の見返り。日本では、冒頭にお父様が遺言でおっしゃったように、ちょっと制度のばらつきはありますが、それでも国民健康保険でも3割で7割を負担してくれると。で、それを払っている仕組みというのは、最高額が決まっていて今58万円ぐらいですね。それを払っている人は、自分はそんなに病気にはかからないけれども、58万を年間払ってもみんなを支えて行けるんだっていうことをある程度了解して成立しているわけで。
堤:してるんですけど、製薬会社と医療保険会社はグローバル企業なので次の市場を探しているんですね。日本はものすごく魅力的な次の市場です。私たちみんな保険が大好きなので。よくわかってないまま買っちゃいそうな・・・。
大竹:しかも、これから混合診療だとか自由診療。
堤:混合戦略特区とか。
大竹:保険の効かない薬が、保険の効かない医療機器がガンガン入ってくる。
堤:入ってきて、医療の投資商品というのも入ってきていますから、これ気をつけないと次、来ると。なので緊急出版ということで。
(書き起こしここまで)
[関連]
『沈みゆく大国 アメリカ』 |集英社新書
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0763-a/
(株)貧困大国アメリカ (岩波新書) [新書] 人々の食卓、街、政治、司法、メディア、人々の暮らしを、音もなくじわじわと
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/654.html
ワーキングプアの「派遣」先は、戦場〜『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果著(評:栗原裕一郎) 岩波新書
http://www.asyura2.com/08/wara1/msg/904.html
いま、最も危険な法案とは? ジャーナリスト 堤 未果/ .「アメリカ発<平成の治安維持法>がやってくる!」(週刊現代)
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/747.html
新著の「アメリカから自由が消える」の取材から見える、米国国内の状況堤未果単独インタビュー1
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/398.html
「環境法改正」 twitter facebookで妨害され続ける記事 (とある原発の溶融貫通(メルトスルー))
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/289.html
Mika Tsutsumi Official Web site|堤未果オフィシャルウェブサイト
http://mikatsutsumi.org/
大竹まこと ゴールデンラジオ
http://www.joqr.co.jp/golden/
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