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国際政治の中心から外される日本
http://www.amakiblog.com/archives/2014/11/25/#003006
2014年11月25日 天木直人のブログ
繰り返し警鐘を鳴らすが、解散・総選挙のバカ騒ぎの中で政治空白が生まれ、国政がなおざりにされている。
内政もそうだろうが、元外務官僚の私にとっては、日本外交の不在が耐えられない。
案の定イランと「欧米主要国」の核協議は失敗に終わった。
当然だ。
核保有国が核を独占する時代はとうに終わっている。
イランが核開発をあきらめるはずがない。
しかし、私が注目したのはそのような核協議の不調ではない。
イランと協議を重ねて来た「欧米主要国」の構成だ。
イランと「欧米主要国」の協議結果を報じるきょう11月25日の各紙を見るがいい。
東京新聞はケリー国務長官と王毅中国外相が握手して笑っている写真を大きく掲載している。
日経新聞は、ケリー国務長官とラブロフ露外相のツーショットを載せている。
産経新聞の記事の中に次のようなくだりがある。
「・・・ドイツのシュタインマイヤー外相は23日、『結論が出ないのなら、ここでやめるのではなく継続させる可能性を探るべきだ』と強調した・・・」
イランの核問題をどうするかという交渉は、イランと米英仏独中露の六か国の間で行われているのだ。
安倍首相が日米同盟にすがって中国包囲網に躍起になている、その中国が、米国に要請されて参加している。
ウクライナを巡って対立が深まるばかりの米露が、イランの核問題ではお互いを必要としている。
何よりも、日本と並んで旧敵国だったドイツが、第二次大戦の勝者である国連常任五大理事国と並んで交渉に参加しているのだ。
かつて私が外務省の中近東局に勤務していた1980年代の中頃、安倍晋三首相のご尊父である安倍晋太郎外相が「創造的外交」というキャッチフレーズを掲げて中東外交に精を出したことがあった。
日本は、対立するイランとイラクの双方に良好なパイプがあるから仲介できるという。
日本は米国が断交しているイランと良好な関係を持っているから米国とイランの橋渡しができるという。
それが創造的外交だというわけだ。
いい加減な言葉遊びの外交に過ぎなかったが、それから30年ほどたって、日本外交はもっと空虚になっている。
日本は国際政治の最大の課題である中東問題について、主要国外交のせめぎあいの場から完全に外されている。
これが安倍首相がしきりに宣伝している積極的平和外交、地球儀俯瞰外交の実態である。
総選挙のバカ騒ぎの中で国政が完全にストップしている。
その間に日本外交のさらなる孤立が進んでいく(了)
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