01. 2014年11月25日 05:46:38
: jXbiWWJBCA
石川和男の霞が関政策総研 【第33回】 2014年11月25日 石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表] ついに総選挙!5.2兆円の社会保障財源は断念 3.7兆円の燃料代“ダダ漏れ”は傍観 議員や官僚も 予想外の解散 今月21日に衆議院が解散された。安倍晋三首相が「解散」について記者会見で表明したのは18日の夜7時過ぎであったが、それまでは、本当に解散となるのか、実は疑心暗鬼に包まれていた。解散の話がマスコミ上でかなりの信憑性を持って語られ始めたのは、今月初めだったように思う。 私は当初、まったく信じていなかった。だが、全国紙やテレビ局の報道が迫真になりつつあったので、ひょっとしたら解散かと思い始めた11日に、「総選挙は600〜700億円の税金事業。任期まで政策をやるべし」旨をツイッターに投稿した。解散・総選挙をしているような経済社会情勢とはとても思えないからだ。 「政治は一寸先も闇」。 今回の解散劇は、国会議員や官僚たちにも予想外の展開だったようだ。外遊中で自民党本部の動きにやや乗り遅れた気味であった党首脳は、「アベノミクスの正当性を確認するための“念のため解散”」と評した結果、700億円もの税金を単に“念のため”に費やすのか、と厳しい批判に晒された。 ある国際政治学者は「消費増税見送りを国民に問う選挙なのか、安倍政権への支持が高い一方で野党の選挙準備が整っていない隙を狙った大義名分のない選挙なのか、今回の総選挙の争点は何なのか」と語っていた。 高齢層には手厚過ぎ 若年層には冷た過ぎ 安倍首相は今月18日夜の記者会見で、2015年10月に予定されていた再増税(税率8%→10%)を2017年4月まで延期することについて、「個人消費を押し下げ、デフレ脱却も危うくなると判断した」「国民生活、国民経済にとって重い重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきだと決心した」と語った。再増税による税収増は5.2兆円程度を見込む。それを断念した瞬間であった。 多くの国会議員には、今回の解散それ自体には否定的な意見が多いが、再増税延期それ自体には肯定的な意見が多い。現在の痛みから逃れるということは、将来の痛みが更に大きくなることを意味する。しかし残念ながら、そうした視点も感性も、与野党いずれにも微塵も感じられない。 少子化を凌いでいくための子ども・子育て対策への財源が安定的に確保されない。高齢化によって増え続ける年金・医療など高齢者対策を削減することはおろか、抑制することもできない状況が更に続くことになる。 高齢層には手厚過ぎるが、若年層には冷た過ぎる——。 これが今の日本の政治なのだ。 電力コスト増の 国民負担は無視? ところで、この5.2兆円という巨額の社会保障財源。これを調達し続けるための消費増税に係る判断について、短期的な景気指標を参酌することの是非はともかく、結果として財源確保を一時的に先送りすることに他ならない。国民負担を増やす情勢ではないという政治判断だ。 しかし一方で、政治判断で巨額の国民負担を回避できるのに実行していないことがある。それが、このシリーズでもたびたび取り上げている電気代の高騰など電力コスト問題。それに関しては、大きく2つのことが挙げられる。 まず第1の点は、原子力。ここ最近の電気料金値上げ認可の連発(資料1)は、東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故をきっかけとして、原子力発電の再開を容認しないまま“停止塩漬け状態”にしている政府の行政運用の失敗が唯一の理由だ。誤解が蔓延しているが、これらの値上げは電力会社の責任では決してない。 拡大画像表示 (出所:資源エネルギー庁資料のp8)
政府は、“原子力規制委員会が安全性を確認した原発を再稼動させる”という受け身の姿勢を是正しようとはしていない。再稼動の見通しが立ったのは、規制委の審査がようやく終了した九州電力・川内原子力発電所1・2号機だけ。政府が規制委への全面的な責任転嫁を続けている結果、現状は相変わらず“原発ゼロ”のままだ。 それに伴い、天然ガスや石油など輸入化石燃料への依存度が異常に高くなってきており、今年度で年間3.7兆円の追加燃料費が国民負担増として圧し掛かると見込まれている(資料2)。 今年6月12日に経済3団体が発表した「電力コストに関する緊急アンケート結果」などによると、(1)製造業では、電力料金をめぐる現在の状況が続いた場合、収益の減少(約9割)、生産の減少(約5割)が生じるのみならず、(2)国内設備投資が減少し(約4割)、その一部は海外に流出(約25%)、(3)約3割が雇用を減少、(4)非製造業においても、現在の状況が続けば、約7割が収益の減少を余儀なくされる、となっている。 円安が進んでも、輸出は思ったように伸びていない。まさに、電力コスト急増の悪影響が顕れている。製造業、即ち「モノづくりの現場」の海外移転が後を絶たないという日本にとって深刻な事態が続いている。たかが電気、たかが電力コスト、などと高を括っていてはいけない。電力コスト問題をこれ以上放置しておくことはもはや許されない状況だ。原発停止は、日本経済復興にとって最大の足枷の1つとなっている。 来るべき総選挙の後には、政府は原子力規制の運用を早期に改善し、規制委の審査中であっても発電再開を容認すべきだ。審査と発電は、連動させる必要はない。これは世界の常識でもある。首相がその旨を会見するだけで十分だ。 拡大画像表示 (出所:資源エネルギー庁資料のp4)
混迷の渦中にいる メガソーラー事業者 第2点は、再生可能エネルギー。再エネの固定価格買取制度(FIT)は、前民主党政権の首相だった菅直人氏の“申し子”として生まれたようなもの。だが現自民党政権も、「3年間最大限導入加速」という2012年末の政権発足時からの公約の下で、制度発足前から多くの問題点があることが既にわかっていたFITを、まともな手直しせずに半ば放任・黙認してきた。 高過ぎる買取価格やエネ庁による設備「認定」の甘さのせいもあってか、特にメガソーラー(比較的大規模な太陽光発電)の事業参入は“バブル”的な伸びを見せた(資料3)。ところが、太陽光も含めた再エネ発電の電気を買い取る電力会社側の送電容量を超えるという異常な状況になってしまった。 現在、電力5社(北海道・東北・四国・九州・沖縄)が、新たな再エネ事業の参入予定者から再エネ発電の電気を買い取るための接続を停止している。 これにより、FITに基づくエネ庁の認定を受けたが発電開始に至っていない参入予定者の多くが混迷の渦中にいる。このまま下手をすると、FITに基づく再エネ事業の参入予定者がエネ庁に対して「国家賠償」を起こすような事態が頻発することも十分考えられる。これが「再エネ接続保留問題」だ。 但し、これら再エネ事業の参入予定者の全員が本当に再エネ事業に参入すると、別の大きな問題が発生してしまう。全員の再エネ発電の電気の全量を買い取るとなれば、再エネ賦課金は年間2.7兆円に上るとの試算が出ている(資料4)。 拡大画像表示 (出所:資源エネルギー庁資料のp3)
拡大画像表示 (出所:資源エネルギー庁資料のp5)
エネルギーミックスの 具体像に係る議論はどこへ? 以上のことを合わせて考えると、“原発ゼロ+再エネ全量買取り”という最悪の場合、我々国民には非常に重たいコスト負担が課せられることになる。原発ゼロが続くと年間3.7兆円で、そこに再エネ全量買取りの年間2.7兆円が加わるので、年間で総額6.4兆円、国民1人当たり年間5.3万円の負担増となる。これは、消費税2.5%分にほぼ匹敵する額だ。 再エネはそもそも、“脱原発”のためではなく、『脱CO2』のために導入の促進が企図されてきた。震災前まではそうだった。それが震災による福島第一原発事故で様相が変えられてしまったのだ。 そのCO2の話——、日本では今、2020年以降のCO2など温室効果ガスの排出削減目標に関する検討が行われている。この問題に関しては、諸外国では既に大きな動きが見られる。 10月24日にEUは、EU加盟国の首脳で「2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で少なくとも40%削減する」、などの目標が合意に達したと発表した。11月12日には米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席が、両国の温室効果ガス排出削減目標について合意したことが報じられた。米国は2025年までに2005年比で温室効果ガスを26〜28%削減し、中国は2030年までにCO2排出をピークとし、原子力と再エネの比率を20%にする目標を掲げた。 諸外国のこうした数値目標の信憑性はさておき、CO2排出量の多寡は化石燃料の利用量に大きく左右される。それは同時に、原子力や再エネの利用量にも大きく依拠する。日本では、これら各エネルギー源をどのような割合で利用していくのかに関する「エネルギーミックス」の具体像に係る議論は、表ではまだ行われていない。 ドイツを見れば再エネ導入に コストと時間がかかることは明らか 福島第一原発事故は震災によって起こったのだが、それ以降、原子力に対する極端な反感や嫌悪感の空気が蔓延した日本。今でもまだ、その空気は政治的にもマスコミ的にもまだまだ除去されていない。この点で日本は大きく出遅れている。準備のできた国は来年3月末までに提出することになっているという「努力目標」を、先送りすることは日本の立場としては許されないであろう。 来るべき総選挙の後には、エネルギーミックスに係る検討を即刻始めるべきだ。その際、(1)再エネの導入は、それ自体が目的ではなく、あくまでも国産エネルギーの活用によるCO2削減の手段の1つに過ぎないこと、(2)再エネの利用は「コストも時間もかかる」という事実を直視することなど、現実的な感覚で臨むことが不可欠である。就中、「コストも時間もかかる」という点は、再エネを牽引してきたドイツの経験が如実に物語っている。 ドイツは2000年にFITを導入して以来、再エネの導入を拡大してきた。再エネの二大巨頭である風力・太陽光について、ドイツ連邦経済技術省の資料から算出すると、ドイツの風力・太陽光による発電量は、2000年に95億kWhだったものが2012年には735億kWhへと7.7倍になり、これは同国の2012年での天然ガス発電量(700億kWh)とほぼ同じ水準、同国の2012年での原子力発電量(990億kWh)の7割強、同国の2012年での総発電電力量6170億kWhの12%に当たる量。 但し、大きなコスト負担が伴うことが問題となっている。ドイツの一般家庭での平均的な再エネ賦課金は、風力・太陽光に水力・地熱・バイオマスを含めた再エネ全体で月々約2400円に上る(2014年度)。風力・太陽光による発電量は、再エネ総発電量の55%を占める(2013年)。 再エネは“自然エネルギー”。耳触りはよいが、特に風力・太陽光は天候に左右されるなど安定供給能力の点ではもちろん、発電コストの点でも、原子力や化石燃料とは比較にならないほど劣る。前述のドイツの風力・太陽光による発電量は、日本の最近5ヵ年(2009〜13年度)の年間平均の総電力量9597億kWhの7.7%にしかならない。 残念だが、これは厳然とした事実だ。再エネは、将来的に技術が進展した場合には国産エネルギーとして極めて有用なものになるだろう。その時が来るまでは、ゆっくりと地道に振興していくべきものである。 あなたはどの候補者を 信用するか? 公示は来月4日ではあるが、選挙戦はもう始まっている。我々はどの候補者、どの政党に投票すべきか? それ以前に、どの政党、どの候補者を信用すべきか? 今月22日、私は次の2つのことをツイッターに投稿した。 「子育て支援を手厚くします! そして、お年寄りには手厚い年金と医療を約束します!」と語る候補者は信用できない。「子育て支援を手厚くします! だから、お年寄りの年金と医療は削らせてください!」と語る候補者は信用できる。(参照1) 「原発ゼロをすぐ実現させます! 自然エネルギーをどんどん導入するので心配ありません!」と語る候補者は信用できない。「原発ゼロを目指し、自然エネルギーを推進しますが、そのためには時間が必要です。当面は原子力も自然エネルギーも化石燃料もバランスよく使っていくしかありません」と語る候補者は信用できる。(参照2・参照3) 読者の皆さんはどうだろうか? http://diamond.jp/articles/-/62629
Close Up 【第181回】 2014年11月25日 週刊ダイヤモンド編集部 GDP2期連続マイナスの衝撃 消費増税先送りが招く負の連鎖 今年4月の消費増税後、日本経済が振るわない。7〜9月期の実質GDP成長率はマイナス1.6%となり、安倍政権は消費税率再引き上げの延期と解散総選挙を決めた。果たしてこの決断は正しかったのか。景気悪化の原因は消費税だけだったのか。誤算はどこにあったのか。この2年のアベノミクスの効果を検証した。 「良くないとは思っていたが、まさかマイナスになるとは」──。事前予想でマイナス成長をまったく想定していなかった民間のエコノミストたちの間に衝撃が走った。11月17日午前9時に発表された7〜9月期の実質GDP成長率が年率換算でマイナス1.6%と、2期連続のマイナス成長となったからだ。 2期連続のマイナス成長は一般的な定義では「景気後退」に当たる。この結果を受け、安倍晋三首相は消費税率の再引き上げ時期を2015年10月から1年半先延ばしすること、それを国民に問うために衆議院の解散総選挙に踏み切ることを表明した。 安倍晋三首相は、消費税率再引き上げの延期を表明した。それが中長期的に見て正しい判断だったのかは見方が分かれる Photo:REUTERS/アフロ 「日本経済がデフレから脱却できていなかったのに、消費税率を5%から8%に引き上げてしまったのだから、景気が悪化するのも当然。そのため、消費再増税は先送りすべきだと言い続けてきた」と、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士主任研究員は指摘する。
なぜ民間のエコノミストは7〜9月期の成長率を見誤ったのか。 下のグラフを見てほしい。予測が狂った一番の要因は、消費の回復の遅れだ。GDP押し下げの大きな要因となった在庫調整は、消費増税前の駆け込み需要の反動減で4〜6月期に積み上がった在庫を企業が取り崩して生産を抑えた結果だ。それくらい消費が弱かったのである。 実際、GDPの6割近くを占める個人消費の寄与度は0.9%と低く、住宅投資や設備投資の寄与度はマイナスになっている。
加えて、円安にもかかわらず輸出が伸びなかったことも大きい。グラフで示したように、輸出から輸入を差し引いた純輸出は、わずか0.3%の寄与度にとどまっている。 こうして、年率換算でマイナス7.3%となった4〜6月期からのV字回復というシナリオは完全に崩れた。 増税が主因ではない マイナス成長が示すアベノミクスの限界 「現時点では、3%の消費税率引き上げが個人消費を押し下げる大きな重しとなっている」 18日の記者会見で安倍首相は消費再増税先送りを決断した理由をそう説明し、景気低迷は増税が原因だとした。 だが、別の見方も出てきた。 「13年10〜12月期に成長率が前期比マイナス0.4%となった時点で、すでに成長は止まっていた。だが、消費増税前の駆け込み需要で14年1〜3月期が盛り返したため、それが覆い隠されてしまった」(河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト) 拡大画像表示 この見方を裏付けるのがGDPギャップ(グラフ参照)だ。経済全体の総需要と供給力のギャップを示すGDPギャップは、13年初めはマイナス2%超と、総需要が不足している状態だった。しかし今やゼロに近づき、ギャップは縮小している。
総需要が不足している間は、アベノミクスの“機動的な財政政策”による一時的な景気底上げも可能だった。だが、ギャップがなくなれば、需要刺激策の意味もなくなる。その時点で、アベノミクスの効果が剥落したと考えられる。 つまり、景気低迷の主要因は増税による消費低迷ではなく、アベノミクスの効果が薄れた結果とみることができるのだ。 アベノミクスにとって最大の誤算は、日本銀行の量的緩和による円安進行にもかかわらず、輸出が伸びなかったことだった。 これまで円安になれば、価格競争力が高まり、輸出が伸びるというのが定説だった。だが、日本の産業構造は大きく変化していた。 変化の一つは、製造業が長らく続いた円高に対応するため、生産拠点を海外へ移転させていたことだ。自動車メーカーなどは海外での現地生産を進めているため、円安メリットは、輸出の増加ではなく海外子会社からの配当金などで享受するようになっている。 もう一つの変化は、日本の生産力の低下だ。機械やスマートフォン向け部品など好調なものはあるものの、エレクトロニクスは韓国メーカーなどに押され、輸出競争力そのものが落ちている。 今では、円安はむしろ負の側面が大きくなっている。円安は輸入品の価格を押し上げ、物価上昇圧力になる。9月の消費者物価指数は消費増税分を除いて前年同月比1.2%増。企業物価指数でも、10月の輸入物価(円ベース)は前年同月比4.3%上昇した。原油価格は下落しているものの、10月末の日銀の追加緩和で円安が加速しており、そうなれば原材料や中間財の価格はさらに上昇する。 一方、物価上昇に名目賃金の伸びが追い付かず、実質賃金は下がっている。それが購買意欲の低下につながり、個人消費を低迷させたのだ。 アベノミクスの第1の矢、大胆な金融緩和でもたらされた円安は、今やデメリットが大きくなってきた。第2の矢、機動的な財政政策は、需給ギャップの縮小に伴って効力を失いつつある。第3の矢、成長戦略は、メニューが示されてはいるものの効果が発揮されるにはまだ時間がかかる。 増税による影響がないとは言わないが、2期連続マイナス成長の背景にこうしたアベノミクスの限界があることは間違いない。 上のグラフで示したように、アベノミクスによる景気刺激策で高成長を実現した13年のGDPは、その前のピークに当たる07年のGDPとほぼ同じ水準にある。
一方失業率は、07年が3.8%で13年は4.0%とこちらも同水準。つまり、潜在成長率はほぼゼロまで落ちていることが見て取れる。 「アベノミクスが明らかにしたのは、日本経済の実力がいかに低下していたかということ」(河野チーフエコノミスト) 増税先送りで不透明さ増す 日本経済の先行き アベノミクス効果の限界故の景気低迷であったならば、消費再増税の先送りは正しい判断だったとはいえなくなる。そうなると、懸念されるのは財政再建だ。政府はプライマリーバランス(基礎的財政収支)を、15年度に対GDP比で半減、20年度に黒字化するという目標を掲げてきた。安倍首相は増税先送りによっても20年度の目標はしっかりと堅持していくと会見で述べたが、達成は不可能だとみる向きが多い。 「社会保障費は、景気に関係なく増える。目先が苦しいからと先延ばしして将来世代にツケを回すことは無責任極まりない」 予定通りの増税実施を訴えてきた自民党の野田毅税調会長は、増税先送りの判断が下される前週、本誌の取材に対し怒りもあらわにそう言い切った。 もしも日本の潜在成長率がゼロ近辺まで落ちているのだとすれば、財政政策も効力が薄く、消費税率を引き上げる17年4月に景気が良くなっている保証はどこにもない。増税先送りはかえって日本経済の不透明感を高め、負の連鎖を招くことになりかねない。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎、山口圭介)
|