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家畜扱いされる国民 国債破綻織り込み済み総選挙
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2014年11月23日 街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
株価の維持が、政権の支持率に直結する不思議な民主主義の国では、株価操作のために、とうとう国民の預託している年金資産にまで、総理大臣が手を付けた。
【第二次安倍政権成立時の年金資産運用基本割合】
【11月以降の年金資産運用基本割合】
年金資産の運用変更問題は、ほとんど報じられず、総選挙のテーマにはならないようだ。
連合は一応、年金資産を主として株式と外国債で運用することには反対しているようだが(末尾に貼り付ける)、民主党の選挙公約になるかというと、そうはならないらしい。
労組幹部も政治家もみんな株を持っているのだろう。
一握りの貴族と大半の貧民に別れていく過程である現在の光景を示す、今朝の中日新聞のグラフが秀逸だったので、貼り付けておこう。
黒線は、預貯金・株を持たない「2人以上の世帯」の割合であるから、少し不正確
メディアが採りあげないこと、あるいは採りあげても、その取り上げ方が小さいことに、問題の本質があるという気がしてならない。
白装束の集団がメディアにしきりに採りあげられたのは2003年3月頃から6月だ。そのとき、国会では、有事3法が審議されていた。
同法が成立した途端、白装束の集団に関する報道はパタリとやんだ。
有事3法の審理の最中の2003年5月頃だと思うが、革新系といわれるジャーナリストの団体が主催する有事法制に関する講演会に行ったことがあった。
参加者から、「白装束の集団」の報道は、有事法制から目をそらすための世論操作ではないかとの質問が出された。
良心的だとされるジャーナリストの講師は、「マスコミはどうしても面白いテーマを採りあげるから」として、意図的な報道であることを否定していた。
講演会では、聴衆の方が講師より賢い場面に、しばしば出くわす。
実は、僕も講師として参加した学習会で、詫びなければならない回答をしたことがある。それについてはおって書く。専門家と呼ばれる者は、わからないことにはわからないと正直に答えるべきなのだ。
以来、左であろうが右であろうが、僕は、専門家と呼ばれる人を肩書では信用しない。
現在の情報統制は、その頃の比ではないから、一番肝心なことにおそらくだれも触れないのだろう。
昨22日の朝日新聞には、GPIFの審議役・企画部長だった、玉木伸介氏へのインタビューが大きく載っていたが、年金資産運用変更自体には合理性があるとしつつ、「30兆円規模の損失が生じるかもしれません」と、政府の説明不足を批判している。
金銭感覚が麻痺してしまったので、30兆円と聞いてもピンと来ないが、国の租税収入が年間40兆円台なのだから、大変な金額である。
税率5%時の消費税収入でいえば、3年分の消費税に相当する。
消えた年金が大問題になったのは、つい7年前、2007年の第一次安倍政権のときだ。
AIJの投資資産消失が大問題になり、企業年金組合の破綻が問題になったのは、まだ3年も経たない、2012年初めのことだ。
AIJをはるかに凌ぐ大規模なバクチを総理が行ったというのに、この静けさである。
この間、国会では、適切なリスク配分との答弁がされた。
厚生年金保険法の「将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことによって、将来にわたって、厚生年金保険事業の安定に資する」という目的にあてはまる、つまりは、日本国債はリスク債券だという。
先週(11月15日)のNHKの深読みでも、政府に対して、年金資産の運用変更を提言した熊谷亮丸氏(「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」有識者委員)も適切なリスク配分だという立場だった。
「これからインフレになっていくと国債も安全ではない、分散投資をする事でリスクは減る」と平然と語っていた。
番組内でも国債が危ないというこの発言は問題にもされなかった。
国債の破綻が既定事項として進められているように見えてならない。
国債破綻は、想像も付かない大混乱を引き起こすだろう。国難には挙国一致で対処することになるのだろう。
今回の選挙は、それを織り込み済みで、日本を解体しようとする集団が、4年間の権力を確実にしようとするものだろう。
仮に今回の選挙で安倍政権が維持されるなら、民主的な装いがこらされた、選挙ができるのは、最後の機会になりそうな気がしてならない。
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