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幻の“3強面会談”戸惑い隠して走る自民重鎮「アベノミクス」封印でにじむ首相との距離
http://www.sankei.com/politics/news/141123/plt1411230025-n1.html
安倍晋三首相による突然の衆院解散に、自民党重鎮の中には、戸惑いを隠しながら選挙戦に臨む前議員も少なくない。二階俊博総務会長は22日、青森県八戸市で大島理森(ただもり)衆院予算委員長のパーティーに出席したが、両氏とも首相が命名した「アベノミクス解散」という言葉を封印。自らの思いを胸に秘めつつ、民主党政権時代の混乱ぶりを強調し、与党の安定的な政権運営への支持を訴えた。
「このタイミングが私の講演の日になるとは…。ある意味、芸術です。『越後屋』さんも来たかったに違いない」
二階氏はパーティーでの講演でそう語ると、出席者は一様に薄笑いを浮かべ、会場に微妙な空気が流れた。「越後屋」とは、公明党の漆原良夫中央幹事会会長のことだ。
実は当初、「越後屋」の漆原氏と「悪代官」と呼ばれる大島氏、和歌山県出身の「紀伊国屋」こと二階氏が安倍政権の行方などを約1時間、自由に語り合う予定だった。名付けて「政界3強面(こわもて)時代劇風鼎談(ていだん)」−。
ところが、首相が前日の21日に衆院を解散。漆原氏は党の選挙準備に追われ、八戸行きを断念した。
二階氏は無理を押して八戸入りしたが、東日本大震災での民主党政権の不手際などを語るのみ。「今回の試練を乗り越えて、もう一度政治を浄化したい」と言い残し、足早に帰京した。
そもそも大島、二階両氏は「再増税先送りと早期解散に慎重な立場」(自民党閣僚経験者)とされる。
大島氏は「景気回復の実感が薄い地方ではアベノミクスがピンとこない」と周囲に漏らす。22日のパーティーでも「なぜ今、解散なのか。この師走の寒い中、(前回衆院選から)まだ2年間しかたっていないじゃないか!という思いもあるでしょう」と語った。
2人は「アベノミクス」という言葉を一切使わず、「アベノミクス解散」と命名した首相との距離をうかがわせた。
ただ、12月2日には、いや応なく衆院選が公示される。大島氏は「税の形を変えようというときに国民に意見を聞くのは、政治の王道で大義だ」と力説し、選挙をにらんで首相と歩調を合わせた。来年4月の統一地方選に出馬する次期県議・市町村議選の候補者を壇上に上げ、「統一選とともに頑張ろう」と拳を上げた。
党執行部は投票率の低下を見越し、衆院選では地方議員の組織票を固めるよう指示している。悪代官は会合後、「お手本じゃ」と頬を緩ませた。
(水内茂幸)
[産経ニュース 2014/11/23]
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