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自民党の政策パンフレットについて
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52667172.html
2014年11月22日 在野のアナリスト
昨日、解散された衆議院ですが、自民が政策パンフレットをだしています。2頁程度の簡単なもので、政権公約前のつなぎでしょうが、まずはこの内容から見てみます。1頁目は数字の羅列です。就業者数約100万人増、有効求人倍率は22年ぶり高水準(1.09倍)、高校生の就業内定率は約13%改善、賃上げ率は過去15年で最高(2.07%)、倒産件数は24円ぶり低水準、旅行収支は44年ぶり黒字化、海外インフラの受注実績が約3倍、女性の就業者数が約80万人増。ざっとこれだけあります。
自民に政権交代してから増えたのは非正規であり、100万人増の意味が異なります。それこそ女性が活躍、といってみたところでその非正規の大半が80万人の女性、では意味がありません。賃上げ率とて、消費税増税分にすら届いていない。そこに物価高が被り、消費減退を起こしているのですから、何の自慢にもなりません。高卒の就労が改善したのは、大卒だと正規雇用を望み、また職種も選ぶために、今のように非正規が増える環境だと改善しないのであって、高卒を安価な労働力とみなして就労させた結果です。倒産件数とて、休業するよう促す金融機関、公的機関の働きかけで減っています。件数が減ったからといって、景気の改善は何も示していない。むしろ、家族経営の業態で9月以降、がくんと就業率が減っており、統計に表れない部分での休業による離職が、相当に大きくなっている懸念が強まっています。
海外インフラの受注では『トップセールス等』と控えめに打たれていますが、全く異なります。円安で安価な額でも受注し易くなったこと、が最大に影響します。相手はドル建てなり、自国通貨で発注するのですから、世界的に最弱通貨となった円ベースで利益がだせるから、受注できるのです。しかもその中に、トルコやベトナムとすすめている原発輸出も含まれるのか? 定かではありませんが、少なくともその受注額は円ベースであって、実は円安で1.5倍に数字が押し上げられており、実情は1.5倍の効果しかない、ということはまったく伝えていません。
2頁目は細目か? というとお題目だけ並びます。例えば少子化対策など『取り組み』とだけ書いてあって、HOWが抜けています。他の項目でも『対策を実行します』、『断行します』とはありますが、やはりHOW、WHENが抜けていて、具体性は一つもない。もうすでに議員定数削減や、公約にないことを優先し、前回の公約を達成せずに今回、解散するという行動にでているため、ここに書かれていることに具体性、時期が明示されなければ一切の信がおけない、となります。
その中で比較的、はっきり書いているのが『拉致被害者全員の早期帰国』です。しかしこれとて全員、の定義がよく分かりません。それこそ1人、2人で北朝鮮から全員、と言われたらそれで終わるのか? 某週刊誌で、金正恩氏から安倍氏は与し易い、だから公示後に拉致問題で大きな進展の報告を入れる、ともされます。朝鮮総連の売却でも、北朝鮮が大きな反応を示さないのは、すでに裏で握っていて、北朝鮮も納得済みだから、という話すらあります。パンフレットに明記できる、他が曖昧であるだけに、そこには何かしらの裏を感じる部分もあります。
TPP交渉は『国益にかなう最善の道』としますが、『自民党支持団体の願いにかなう最善の道』ではないか、と勘繰りたくなります。今回の選挙、まさにTPPについても争点と考えてよいのでしょう。なぜなら、国会の承認によって批准するものだからです。安倍氏がすすめてきた政策、その結果としてよいところの数字だけを並べ、成果を誇りますが、悪い数字をすべて無視し、それをどう改善するか? ということを示さないこのパンフレットは不誠実な限りです。しかも数字自体、よく見えるよう調整されたものである以上、自民の主張そのものに信がおけない、となるような内容なのでしょうね。
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