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民主党、税金で巨額蓄財か 218億円の一部を選挙資金に 同党広報「問題ない」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141122-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 11月22日(土)6時0分配信
11月21日、安倍晋三首相は衆議院を解散した。ところで11月には、もう1つ政治の話題となる資料が公表される。それが「政治資金収支報告書」だ。
振り返ってみると第2次安倍内閣では、「政治とカネ」の問題で2人の閣僚が辞任し、そのほかにも適正に政治資金が使われていないのではないかと疑われる閣僚が続けて出てきた。
しかし、もっと根深い問題もある。それは、本来政治資金として使われるべきお金(税金)が、政党本部にプールされていることだ。
●218億円の政治資金をプールしている民主党
小渕優子大臣や松島みどり大臣の辞任の原因となった「政治資金収支報告書」は、総務省のHPで公表されている。誰もが見ることができるのは、非常にいいことだ。
この2人の問題がクローズアップされた10月、総務省HPを見てみた。ここでは、各政治家の資金管理団体のほかに、各政党本部の政治資金収支報告書も閲覧することができる。しかも11月末には、前年分の政治資金収支報告書が公表されることになっている。
12年の各党本部の政治資金収支報告書の概要は下記のとおりだ。
民主党(収入379億円、支出160億円、翌年への繰越 218億円)
共産党(収入245億円、支出235億円、翌年への繰越10億円)
公明党(収入191億円、支出136億円、翌年への繰越55億円)
自民党(収入182億円、支出168億円、翌年への繰越13億円)
12年は、民主党の野田佳彦元首相が「近いうちに国民の信を問う」と発言し、解散へとつながった前回の衆議院選挙があった年である。選挙があった年にもかかわらず、民主党は、収入379億円(政党交付金165億円、前年度からの繰越額183億円)の内160億円しか支出していない。
参考までに、10年と11年までの民主党の政治資金収支も見てみよう。
10年(収入255億円、支出167億円、翌年への繰越87億円)
11年(収入289億円、支出105億円、翌年への繰越183億円)
10〜12年は、ほぼ民主党政権時代にかぶる。この時期に民主党は、なぜこんなにも多額の繰越金を発生させることができたのか。民主党の収入の大半は、政党交付金が占めている。まるで国民の税金で蓄財しているような状況だ。
●政党交付金も選挙資金に
そこで筆者は民主党本部に電話取材を行った。なお、電話取材に対応していただいたのは、民主党経理部・俊成浩章氏である。
-- 12年の政治資金収支報告書によると、政党交付金が165億円、翌年への繰越額が218億円ですから、政党交付金を使っていないということになります。
俊成浩章氏(以下、俊成) 確かに、政党交付金の繰越は発生しています。
--政党交付金、すなわち税金が各政党に政治資金として交付されることは法律で決まっていますが、それを使わずに内部に留保しているのはいかがなものでしょうか。政党交付金をもらわなくてもいいのではないですか?
俊成 民主党は、収入の中で政党交付金の占める割合がかなり大きいのです。平時はいいのですが、選挙の場合には資金が大量に必要になりますので、繰越をさせて資金を積んでおかなくてはなりません。
--繰り越されているのは、選挙用の資金ということですか?
俊成 選挙も含めて、必要に応じて使うためです。
--民主党は、他党に比べて繰越金が異常に多いです。自民党が13億円、共産党が10億円、公明党が55億ですが、その中で民主党はなぜ218億円も繰り越さなくてはならないのでしょうか?
俊成 必要があるかどうかはそれぞれのお考えではありますが、民主党としては必要であると考えているということです。
--10年度から一貫して繰越額が増えており、政党交付金をほとんど使わずにプールしているような状況ですが、やはり必要な資金であるということですか?
俊成 資金が必要になった時に対応できるように繰り越しているのです。
--自民党や共産党や公明党に比べても、10倍近い金額が必要だと民主党は見込んでいらっしゃるということですか?
俊成 他党のことはわかりませんが、民主党としてはそういう考え方です。
--そもそも、選挙はそんなにお金が必要なのですか?
俊成 どのような事態になるかわかりませんので、常日頃から節約も含めて繰越金を積み上げている状況なのです。
--選挙には議員一人当たり1億、2億のお金が必要になるのですか?
俊成 資金が必要になるのは、選挙の時だけではありません。
--しかし基本的には、平時は繰越ができるように支出を抑え、選挙の時のためにプールしているということですね?
俊成 そういうことです。
--税金をそのようにプールすることを、どう思いますか?
俊成 制度上、何も問題はないと思いますが。
--確かに法令上は問題ないでしょうが、道義的にはいかがですか?
俊成 我々は、そういう考えでやっています。
--民主党は、「クリーンな政治」「議員定数の削減」「身を切る改革」など、政府の予算をなるべく抑えることを掲げていますが、その中で党の資金については、選挙資金として政党交付金を温存するお考えなのですね。
俊成 必要な資金を用意しておくという考え方はあります。
--ありがとうございました。
政界は選挙モードに突入しているが、各政党の政策の判断材料ひとつとして、11月末に公表される政治資金収支報告書も閲覧することをお勧めしたい。各政党の意外な素顔が見えてくるはずだ。
政党交付金は、地方議員の政務活動費と同じように、「額は決まっているが、使用目的があいまい」という問題点を持っている。加えて、政務活動費は余ったら返還を求められるが、政党交付金は余っても返還を求められないため、民主党のようにまるまる繰り越して選挙資金として留保することができてしまう。法律的には許されても、道義的には大いに疑問が残るところだ。
民主党の綱領には、「公正・公平・透明なルールのもと、生きがいを持って働き、互いに負担を分かち合う持続可能な社会を再構築しなければならない。そして政党と国民が信頼関係を築かなければならない」と書かれている。巨額の繰越金は、国民との信頼関係を築く上ではマイナスの行為ではないだろうか。
大坪和博/PLAN G 代表
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