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辺野古移設工事に官製談合疑惑。 翁長氏圧勝&赤旗報道で「どさくさ着工」もできず!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41148
2014年11月20日(木) 伊藤 博敏「ニュースの深層」 現代ビジネス
沖縄県知事選は、予想以上の大差で翁長雄志・前那覇市長が仲井真弘多・現知事に勝ち、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設が、大幅に遅れるのは避けられなくなった。
■移設工事に官製談合疑惑が発覚
この結果を受けて、菅義偉官房長官は「移設は粛々と進めて行く」と述べた。その理由は、「普天間基地の固定化は、絶対避けなければならない。それは政府と沖縄の共通認識であり、辺野古の移設が唯一の解決策だ」というものだった。
しかし、粛々とは進まない。
辺野古移設工事を発注する防衛省沖縄防衛局は、仲井真氏が「移設容認」に切り替わったことで、当初、強引な仕掛けで移設工事に対する反対を乗り越えようとした。
典型が、『しんぶん赤旗』(8月10日/17日合併号)がスクープした移設に伴う「本体準備工事」を、極秘に大成建設に発注していたことだった。
同紙に暴露したゼネコン関係者は、「6月上旬に入札が行われ、大成建設が50数億円で落札した」と、明かしている。その事実を突き付けられた沖縄防衛局は、「本事業の適正な執行に支障を及ぼす恐れがある」と、答えている。
ボーリング調査への反対運動などを念頭に置いていたのだろうが、やがて公開された入札結果で浮かんだのは、本土ゼネコンによる官製談合疑惑だった。
入札日が6月6日。応札企業と入札金額は以下の通り。
・大成建設 55億2000万円
・鹿島建設 60億2400万円
・清水建設JV 60億5000万円
・大林組JV 72億円
予定価格は56億3558万円。従って大成建設以外は、予定価格を超過しており、自動的に大成建設の落札が決まった。スーパーゼネコン4社の話し合いと官庁関与の官製談合を疑うことができる。
■「前知事承認」でどさくさの工事開始はできず!
本体準備工事に続けて、沖縄防衛局は、強引に素早く、予定されていた県知事選の前に本体工事に持って行きたかっただろう。だが、極秘裏に進めることは出来なかった。
『しんぶん赤旗』は、こう牽制した。
「政府は当初、本体工事着工は来年の予定でした。しかし、11月の沖縄県知事選で新基地建設反対派の知事が誕生する可能性も検討し、知事選前に本体工事を着工する方針を変更。そのため準備工事の入札も急いだとみられます」
ところが報道で監視の目が入った。そのせいか、入札公告は、知事選直前の10月24日だった。工区は以下の6つである。
・ケーソン新設(1工区)
・ケーソン新設(2工区)
・二重締切護岸新設
・傾斜堤護岸新設
・中仕切り護岸新設
・汚濁防止膜等
開札し業者を決めるのは来年2月頃。事業規模は明らかにされていないが、政府が7月に閣議決定した本体工事や調査関連費の支出額は637億円である。
この細かい分割発注は、準備工事を、一括で本土ゼネコンに発注したことへの反省だろう。地元業者に配慮して分割した。ただ、時期は微妙だ。
辺野古移設工事は、移設反対派の稲嶺進・名護市長と推進派の仲井真知事という“ねじれ現象”のなか、稲嶺氏が「市長権限」で工事を認可面で妨害。それを避けるために沖縄防衛局は、変更を申請していた。
この申請に対し、県が公示前に審査を終え、承認すると見られていたのに、審査手続きが遅れて県知事戦に突入。移設推進派は、たとえ仲井真氏が敗れるようなことがあっても、12月9日の知事任期の満了までに、仲井真氏が承認して道筋をつけると思っていた。
■民意は明らか、だが新知事の苦悩は続く
だが、民意は明らかに翁長氏にある。約10万票の差は大きく、仲井真氏としても後を濁すような承認は与えられない。翁長氏は、「工法変更の可否については、私に判断を委ねて欲しい」と、牽制した。
結局、県知事選の結果によって、県と名護市が手を組むことによって工事は止まる。既に仲井真氏が埋め立てを承認しているので、国は訴訟に持ち込むことができるが、そうなれば10年戦争だ。菅官房長官のいう「粛々」には、ほど遠い。
だが、県民が諸手をあげて、辺野古の膠着を賛成しているわけではない。県内大手建設業者でも、翁長陣営の選対本部長は金秀建設の呉屋守将会長が務め、もうひとつの大手・国場組は仲井真氏を支援した。
実は、建設業者の多くが仕事の為に移設推進派であり、だから県内業者が潤う「埋め立て工法」が採用された経緯もある。
かつて沖縄には、こうして基地問題がねじれた時、うまく仕切る政治家がいた。橋本龍太郎、小渕恵三、野中広務など旧竹下派の「沖縄族」だが、既に政界にはおらず、後を継いだ鈴木宗男氏も、今は動けない。
仕切り屋不在でギクシャクしているが、米軍は辺野古移設を急がない。
「別に、米軍が辺野古に行きたいわけじゃない。普天間で十分。移設してくれ、というので準備はしているが、移れないのなら今のままでいい」(防衛ジャーナリスト)
民意を受けて辺野古移設は止まったが、翁長新知事は、カネを背景にした国の工作、仕事が欲しい建設業者の本音、普天間を動きたくない米軍の開き直り、といった事態に、今後、対処しなければならない。
沖縄が抱える苦悩は、今後も続くのである。
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