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「プーチン氏は「悪党」:しかし、西側支配層らほどの「悪党」ではないという話」
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/742.html
でいただいたコメントへのレスポンスです。
政治板からは少しずれていると思われるかもしれませんが、現在の日本においては、対露関係や一次エネルギー問題も重要な政治テーマになると思い投稿させていただきます。
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M4ZkO6HPnQさん、コメントありがとうございます。
貴殿の疑問について、簡単で恐縮ですが回答させていただきます。
【引用】
「>原油価格は6月から低下の一途を辿り、今では1バレル=80ドル前後をふらついている。
需給バランスに照らすと、ウクライナや中東に危機的状況がなければ、原油価格は1バレル50ドルを切ってもおかしくない。
むしろサウジが、あの欲深いサウジが、ものすごい勢いで原油価格を下げようと増産している。この説明をしてからこういうことは言うべき
>こうなった最大の要因は、米国やカナダの「シェール&サンド革命」である。
この「革命」とやら、まだまだ実態があるとは言いがたい
そんなものが世界的な原油価格に、そこまで影響するとは思えない 」
【コメント】
まず、シェール採掘は人々の生存環境に与える悪影響が大きいので、フラッキングに代わる採掘方法が開発されない限りシェール革命は長続きしないだろうと考えています。
また、天然ガスについては、おっしゃるように、地産地消的色合いが濃い一次エネルギーなので、シェールオイルほど世界的な価格変動に影響を与えないと思っています。
米国は、シェールオイルの開発・産出によって、10年に700万バレル/日であった原油生産量が今年夏には1000万バレル/日まで増加しています。
米国の原油消費量は1900万バレル/日なので、まだまだ大量の原油を輸入しなければなりませんが、輸入の減少により、ナイジェリアやベネズエラなど対米輸出の割合が高い産油国の経済を揺るがしています。それにより米国以外への売り込みが増えたことが、直接的な原油価格の低下要因になっています。
(米国はシェールガスが低価格であることから、これまで石油を使っていた分野で天然ガスへの転換が進んでおり、それが原油消費量の減少につながっています。G20で米国が中国とともに二酸化炭素排出量の削減目標を打ち出したのも、石油からガスへの転換が進んでいることは背景にあると思っています)
世界の原油需要量は8300万バレル/日から9000万バレル/日のあいだだと言われています。
米国がその多くをシェールオイルの採掘によって増加させた300万バレルとカナダがオイルサンドの採掘で増加させた120万バレル/日を合わせると420万バレル/日で、423万バレル/日である日本の消費量にほぼ相当します。
日本は世界第3位の原油消費国ですから、米加で増えた原油量が世界に与えるインパクトの大きさは想像できると思います。
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【引用】
「>原油価格は6月から低下の一途を辿り、今では1バレル=80ドル前後をふらついている。
需給バランスに照らすと、ウクライナや中東に危機的状況がなければ、原油価格は1バレル50ドルを切ってもおかしくない。
むしろサウジが、あの欲深いサウジが、ものすごい勢いで原油価格を下げようと増産している。この説明をしてからこういうことは言うべき 」
【コメント】
サウジアラビアの原油増産については、オイルウォッチャーのあいだで、「サウジがシェールオイル産業潰しを狙った市場略奪的な価格戦略を採っている」との見方もされています。
元々、OPEC華やかし頃のサウジは、イランの高価格戦略に対し、低価格路線での持続的消費=輸出拡大を主張していました。生産余力もあるサウジは、原油価格があまりに高騰したさいには増産でそれを冷ますという役割を担ってきました。
しかし、現在のサウジにとって重要なテーマは、膨張する財政を支える歳入(原油輸出代金)の確保であり、OPEC衰退の要因でもあった様々な地域での油田開発に対抗してシェアを確保することです。
サウジは、財政的に1バレル=90ドルで600万バレル/日ほどの輸出が必要と言われています。
また、サウジの原油増産情報はあくまで増産であり、そのすべてが輸出にまわるわけではありません。サウジの国内原油消費量は年々増加し、現在ではロシアを上回る300万バレル/日レベルに達しています。
サウジが900万バレル/日の生産を行うとしても、輸出に回る量は600万バレル/日程度ということになります。
「あの欲深いサウジ」であることには同意ですが、サウジは、「ものすごい勢いで原油価格を下げようと増産している」わけではありません。
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【引用】
「>日本を“厚遇”したのは、軍隊の駐留継続など政治的思惑もあるが、より大きな理由は経済的利益である。戦後すぐの米国経済は、世界の生産力の過半を占めていた。戦地への武器弾薬の送り出しで積み上がった供給力であり、それほどの供給力を満たす需要を国内でつくりだすことはムリであった。過剰な供給力が「大恐慌」をもたらすことがないよう、日本などに経済支援を行ったり生産設備などを輸出したりする必要があったからである)
日本に小麦を買わせようとか、まあ色々やってるけど
そこまで計画性があったとは、到底思えない
単に韓国が最前線で、日本が2つ目の防波堤という偶然から、経済的優等生という立場にしておく必要があった
だから冷戦終結後、日本は収奪のターゲットにされた。その必要がなくなったからだ 」
【コメント】
米国は日米戦開始直後(内密には開始前)から、対日占領政策を研究し、政治・経済・社会・文化などに多岐にわたる日本改造計画を練り上げています。日本の敗戦が濃厚になってから着手したようなものではありません。
詳細は戦争を遂行しながら進めましたが、米国支配層は、アジアで興隆してきた日本を制御できる(引き入れて使える)ように改造するため、対日戦争を仕掛けたといえるくらいです。
あの冷戦構造自体が、現在の欧米主要国とロシアの対立的様相と同じく、虚構でしかないと思っています。
冷戦構造の生成は、終わったしまった世界大戦のなかで肥大化した米国軍需産業の需要を維持するだけでなくさらに拡大していくことが主たる目的です。
冷戦構造がなければ、日本や(西)ドイツをはじめいわゆる西側陣営を軍事的政治的に米国のもとにつなぎ止めることができなかったかもしれません。はっきり言えば、工業製品の輸出で稼ぐ日本やドイツに米国製の兵器を大量に購入させることは困難だったでしょう。
さらに、共産主義という抽象的な観念ではなく、ソ連という具体的で現実的な脅威を際立たせることで、西側国民の政治意識や価値観を誘導しやすくなります。
西側陣営の政治的指導者そのものは、東側陣営の政治指導者と同じく、自分自身の利益を確保・拡大するすべとして上位支配層にすり寄るものですから、格別の仕掛けはいりません。
そういう意味で、朝鮮半島の分断も、韓国・朝鮮の人たちにはえらく迷惑は話ですが、戦後世界構造を象徴する地政学的特性として意図的に続けられている仕掛けです。
米国支配層は、勝つ気になれば勝てる朝鮮戦争を勝たなかっただけでなく、結局のところ、開戦前とほぼ同じ地理的条件で境界線を設定しました。
(朝鮮戦争に続いて米国の軍需産業に大量の受注をもたらしたベトナム戦争は、勝てる戦争を勝たなかったことは同じですが、朝鮮半島とは違い南北統一に道を開く選択をしました)
冷戦構造を表立って終わりにした92年ころから、米国は朝鮮半島の分断構造を解消する動きに出ています。
そのための条件作りを担う国として白羽の矢が立てられたのが日本です。そして、それが02年の小泉訪朝につながり、安倍政権にとっての最重要懸案事項となっています。
米国支配層は、朝鮮半島の分断を20年までには終わらせたいと明言しています。
「冷戦終結後、日本は収奪のターゲットにされた」と言うことには同意ですが、経済的利益の源泉にするという意味合いでは、戦後すぐの占領時から言えることです。
プラザ合意以後の日本は、生々しい金融的収奪のターゲットになっていったと思っています。
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