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野党共闘へ水面下で動く小沢氏
小沢一郎氏 総選挙へ暗躍 維新・橋下氏、民主・前原氏と会合の情報も
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141119/plt1411191140001-n1.htm
2014.11.19 夕刊フジ
★鈴木哲夫の核心リポート
安倍晋三首相が衆院解散・総選挙を断行することを受け、野党各党は候補者の共倒れを回避するため、選挙協力を急いでいる。こうしたなか、最近では、すっかり影が薄くなった、生活の党の小沢一郎代表が水面下で激しく動いているという。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が緊急リポートする。
解散風が吹きはじめてから、小沢氏は永田町から姿を消した。定例会見で17日、久々に姿を見せたが、一体、何をしていたのか。側近はいう。
「小沢一郎は表に出ないときこそ動いている。野党の選挙協力のため、意外な人も含めて精力的に会合を重ねている」
私(鈴木)が知る限り、年内解散に向けてどの政党よりも早く、一番厳しく指示を下ろしたのは、小沢氏だった。
通常国会終盤の6月末、所属議員や落選組を集め、解散の時期を「年内」「来年の自民党総裁選前後」「再来年の春から夏」の3つに絞られたと分析。「年内選挙に向けて、地域活動を一生懸命やり、選挙運動を仕上げろ」と指示していたのだ。
さらに、「次の選挙は野党が選挙協力しなければ自民党に勝てない。うち(=生活の党)の公認候補でも、世論調査で他の野党候補が上だったら、そっちに決める」と冷徹に言い渡していた。
小沢氏は当時から野党共闘で動いていた。
維新の党幹部は「民主党と一緒にやる方向で、旧知の輿石東副議長や細野豪志前幹事長らと会っていた。さらに、旧日本維新の会の若手議員との勉強会も重ねていた」という。
そして、今回解散風が吹き始めると、小沢氏はすぐ動き出した。
先週11日、永田町の一部で「小沢氏が、維新の橋下徹共同代表(大阪市長)と会ったようだ」という情報が駆けめぐった。橋下氏はこの日、平日にもかかわらず「公務が休み」だったため、真実味を帯びた。
双方の事務所などは否定したが、小沢氏に近い財界人は「名古屋で会ったはず。選挙協力の形や、今後の新党構想などを幅広く話したはずだ。まだ、手の内を明かす時期じゃない」と語っている。
さらに、永田町には「小沢氏が臨時国会中、民主党の前原誠司元代表とも会合を持った」という情報もある。小沢氏と前原氏は天敵に近いが、「野党がバラバラの現状に危機感を持ち、接触した」というのだ。
民主党地方組織幹部は「京都で会ったという情報だ。2人に近い財界人が『ここは知恵を出し合い、原点に返って非自民勢力の再建に手を結ぶべきだ』と口説いたと聞いている」と語る。
小沢・前原会談の真偽について、当人たちは口を閉ざしているが、関係者は返答が微妙だ。
「知らない。ないと思う」(小沢氏側近)
「答えられない」(民主党の前原氏側近議員)
小沢氏の野党共闘のシナリオについて、小沢氏側近はいう。
「もちろん、新党が望ましいが、それが無理なら『オリーブの木』でも『選挙区ごとの共闘』でもいい。とにかく、野党が1つにならなければ、自民党には勝てない。小沢氏は各党の主要幹部と精力的に会って話し、流れを作ろうとしている」
そして、これまでの小沢氏と違うのは「捨て身」だという。
「小沢氏は、誰と会ったとか、これまで以上に一切言わない。それは、小沢氏が動いても、その存在が知れた段階で『小沢はノーだ』という声が出て、共闘話が壊れることを避けるためだ。小沢氏はそれでもいいと思っている。野党が新党などでまとまるとき、もし『ノー』といわれたら、自分だけ離れて無所属になってもいいと思っているようだ」(同)
小沢氏にとっては「最後の仕事師」の覚悟かもしれない。
■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て、現在、フリージャーナリスト。著書に『最後の小沢一郎』(オークラ出版)、『政治報道のカラクリ』(イースト&プレス)、『ブレる日本政治』(ベスト新書)など多数。
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