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安倍首相(自民党総裁)は、自民党の臨時役員会で、「消費税増税実施の延期」を決めたことを明らかにし、その信を問うという理由で衆議院の解散を行うと説明した。
衆議院を解散する“大義”(理由)は、法律で定められている消費税税率の10%への引き上げ時期を先延ばしすることについて国民の理解と協力が必要というものである。
しかし、消費税増税法案には附則第18条で規定された景気弾力条項があり、最終的な増税実施の判断は、ときの政府が行うと明記されている。(「三党合意」にも明記)
それゆえ、12年総選挙で「三党合意」の一翼を占め消費税増税法案にも賛成した自民党と公明党の連立政権は、消費税増税を延期することであれば国民に信を問う必要はない。
さらに、国民に追加的な税負担を求める政策なら事前に信を問わなければならないが、追加的な税負担を強いるにもかかわらず国民に信を問わないまま三党野合で強行成立させた消費税増税法案に基づている増税実施時期の延期を理由として解散に動くのは倒錯の極みである。
「消費税増税延期」の信を問うかたちでどうしても解散するのなら、新たな消費税増税法案の内容をきちんと説明する必要がある。
仮に、財務省の思惑に従って、“景気弾力条項”を外すようなことになれば、これまで政府を縛りつつ裁量権を与えてきた消費税増税法案が骨抜きになってしまう。
具体的にいうなら、間もなく実施される総選挙を経て自民党・公明党の連立政権が17年4月まで続くなら、どんな状況でも消費税増税を強行しなければならなくなる。
今回、経済状況を勘案して、消費税増税を延期したという経緯があるにもかかわらず「景気弾力条項」をなくすことになるのだから、経済状況が悪いということを理由に新たに成立させる消費税増税法案を“廃案”にするわけにはいかないからである。
今回の解散を“倒錯解散”にしてしまわないためには、消費税の存在意義まで遡る根源的な政策論議を行わなければならない。
安倍首相のような「消費税増税延期」の是非を問うのではなく、消費税は現在の日本にふさわしい税制なのか、消費税に代わる新しい税制はないのか、低所得者対策を実施しなければならないような消費税増税がほんとうに社会保障制度の持続性強化につながるのか、消費税制度を残すとしても、しばらくは税率5%で様子を見るほうがいいのではないか、「軽減税率」導入は犯罪的な増税政策ではないかなどを論議し国民に問う必要がある。
現在の「消費税増税法案」は、国民に信を問うことなく、12年6月から8月にかけて「三党合意」のもとで強行的に成立させられた。
その暴挙の一翼を担った自民党が、どの政党も反対していないがゆえに選挙の争点にはならない「消費税増税延期」を国民に問うことを大義として解散に動くのは笑止千万である。
解散・総選挙で安倍政権の延命をはからなければならない“言えない目的”はわかるが、手続き的違憲性はともかく、国民の多くが説明される理由での解散に納得できないような“倒錯解散”はあまりにみっともない。
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