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2014-11-18 10:04:36
沖縄に新しい知事が誕生し、本当に辺野古基地建設を阻止する手を打つか、さっそく重要な局面に注目が集まっています。もし、辺野古をストップできれば、それは日本をがんじがらめにしている安保体制への大きな一撃になるはずです。
辺野古推進の仲井間知事をひきずりおろすことができたことは、沖縄県民の底力を示すとともに、対米従属路線を取る安倍政権への大打撃になりました。安倍政権の葬送行進曲の始まりといってもいいかもしれないと思います。
最近、非常に高く評価されている本があります。
そのあとがきに、「琉歌」(りゅうか)と呼ばれる沖縄の古い歌の形にのせた次のような歌が紹介されていました。
花ゆうしゃぎゆん (花を捧げます)
人(ふいとぅ)知らぬ魂 (人知れず亡くなっていった多くの人の魂に)
戦(いくさ)ねいらぬ世(ゆ)ゆ (戦争のない世を)
肝(ちむ)に願(にが)てぃ (心から願って)
これは、平成天皇の明仁さんが皇太子のころの1975年(昭和50年)に、美智子さんとともに沖縄を訪問した時に詠んだ歌です。戦時中に多くの犠牲者を出し、戦後も苦難の道を歩んだ沖縄の人々の魂をなぐさめるため、長い時間をかけて琉歌の形式を学び、詠んだのだそうです。
この本のなかで著者は、昭和天皇がいかに日本をアメリカに売り渡したかをきちんと書いています。とくに、マッカーサーにだけでなく、二度目にはマッカーサーを飛び越えてダレスに売り渡したことも記しています。日本の共産化を恐れ、それを防ぐための行動だった。
その後は、最高裁長官の田中耕太郎という男が、砂川裁判の判決の中で、「高度な政治的問題については最高裁は判断しない」という結論を出し、日本の憲法が安保条約の大きな問題には判断停止する前例を開きました。これによって、事実上、安保条約が日本国憲法の上位に位置することになった、と指摘。
現在の日本を支配する安保体制が機能する装置としての「日米合同委員会」にも触れています。日本合同委員会は、月2回、定期的に開かれます。合同委の下には30近い分科会があり、その中には気象分科会、電波分科会などまであります。
日本の大きな方向性については、ホワイトハウスを通じ、また内容のレベルに応じて国務長官や国防長官、あるいは駐日米大使を通じて流されてくるほか、日常的には合同委の定期会議で伝達されるのです。
その結果、「基地」と「原発」から脱することができない仕組みになっていると指摘しています。
著者は、自分はこうした問題については「素人」だったといい、しかし、「なぜ基地と原発が止められないのか」という疑問を追いかけているうちに、この本を書く気になったのだそうです。日本を法的に「属国」にしている安保法体系がよく理解できる本です。最近になくエキサイティングな内容に富んでいます。
本のタイトルは、「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」、著者は矢部宏治氏、出版社は集英社です。一読をお勧めします。
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