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2014年11月17日
2014年11月16日は“オール沖縄”が勝利した記念すべき日になるだろう。政府の「金目でしょう」と云う沖縄統治の常套手段に、毅然と立ち向かった沖縄県民の姿は見事である。有力な対抗馬のいなかった福島知事選ではあるが、福島と云う本土の有権者とはかなり味の違う答えを出したように思える。
「沖縄の誇り」と云う大きな社会学的テーマを前面に出した翁長候補の戦略は、沖縄のアイデンティティとしてしまえば、本島だけの存在理由になってしまう面を上手にハンドリングした点では、高度な選挙戦術だと評価できる。仲井真現知事がどのような言い訳をしようと「最後は金目でしょう」の菅官房長官の掌で踊った情けなさが、今の沖縄県民の意志を強固なものにしていったことになる。
菅官房長官が、飽きもせずに嘯いた「USJ誘致」も「500億基金」同様に胡散霧消するだろうが、よくもまあ恥じらいもなく、このような事を公言できる神経は、宮台氏ではないが「感情の劣化」そのものだろう。官房長官からして、教養の劣化を通り越し、感情の劣化を体現するのだから、永田町が、どんな世界なのか、思わず考えてしまうところである。
また、今回はニュース性をマスメディアには隠ぺいされているが、同日に行われた那覇市長選において、前那覇市長翁長氏の後継者である城間幹子候補が、自民公明推薦の候補を破った選挙結果は、オール沖縄の「沖縄の誇り」を全世界にアピールする権利を取得した選挙だと評価できる。なにせ、沖縄県民、普天間飛行場、辺野古新基地と云う、重要ポイントの地方首長全員が、日米両政府が胡坐をかいたままの沖縄への基地押しつけ行政に反意を示しているのだから、相当手強いものになることは確実だ。
皮肉な話だが、第二次大戦で米軍に上陸された唯一の地「沖縄」の不幸は「生贄」、「金目と基地負担」に翻弄され続けてきたわけだが、21世紀の日本の決断の一端を、その沖縄から教えて貰っているような状況に、本土でぬくぬくと生きている筆者としては、あらためて、権力と闘う民意と云うものを見せられた気がする。
辺野古基地承認の撤回に至る法的プロセス等々は、テクニカルな部分なので、筆者は把握していないので対応は判らない。しかし、瑕疵は必ずあるだろうから、そこを突くのも手だし、世界やアメリカ自身の世論に訴えかけ、「空気」を醸成することも可能になる。沖縄から日本が変わる。正直、日本本土の国民たちの恥を世界に知らせることになるが、致し方あるまい。こういう悲しい言葉を書きたくないが、現状を見ると、そのような気分になってしまう。
≪ 那覇市長選、城間氏が当確 移設に反対、自公敗北
沖縄県知事選に立候補した前職の辞職に伴う那覇市長選は16日投開票され、無所属新人の前副市長城間幹子氏(63)が、無所属新人の元副知事与世田兼稔氏(64)=自民、公明推薦=を破り、初当選が確実になった。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設が争点の知事選との同日選だった。
城間氏は、辺野古反対を掲げる前那覇市長翁長雄志氏の後継であることをアピール。選挙戦では翁長氏と並んで街頭に立ち移設反対を主張した。自民党を除名された那覇市議や共産、社民両党などが支援した。
与世田氏も、辺野古推進の知事仲井真弘多氏と連携した選挙運動を展開したが及ばなかった。 ≫(東京新聞:共同)
◇那覇市長選開票結果
当101,052 城間 幹子 無新
57,768 与世田兼稔 無新
=確定得票=
≪ 沖縄知事選、翁長氏が初当選確実 辺野古移設阻止を主張
沖縄県知事選が16日、投開票され、前那覇市長の翁長雄志(おながたけし)氏(64)が現職の仲井真弘多(なかいまひろかず)氏(75)=自民、次世代 推薦=らを破り、初当選を確実にした。最大の争点だった米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題で、翁長氏は「移設阻止」を主張。県民が移設反対を明確に突きつける形となった。 安倍政権は8月に辺野古での海上作業に着手し、知事選結果に関わらず移設作業を進めるとの姿勢だ。しかし今後、県の判断が求められる工事関連手続きも予想され、計画の進展に影響が出そうだ。
日米両政府が普天間返還に合意した1996年以降5回の知事選で、辺野古移設反対を掲げる候補の勝利は初めて。自民などが支える保守系候補と、共 産、社民などの革新系が争う選挙構図が沖縄では長く続いたが、今回は崩れた。翁長氏は自民系地方議員の一部や県政野党など幅広い層に支えられ、沖縄の政治 史に新たな局面を開いた。同日選となった那覇市長選でも、翁長氏の後継の前副市長が初当選を果たした。
翁長氏は辺野古移設反対を繰り返し主張。「沖縄の誇り」を掲げ、仲井真氏による昨年末の辺野古の埋め立て承認に不満を持つ多くの県民から支持を集めた。当選後は、仲井真氏の埋め立て承認の過程を検証し、承認の撤回や取り消しも視野に入れるとしている。
3選をめざした仲井真氏は、前回知事選では「辺野古移設反対」に踏み込むことは避けつつ「県外移設」を求める立場を取った。しかし今回は「普天間の危険性除去のためには辺野古移設が現実的だ」として、国の移設計画を積極的に推進する考えを強調した。
政府とのパイプや観光客増加、失業率改善などの実績を挙げ、「流れを止めるな」と県政継続を呼びかけたが、埋め立て承認を契機とした逆風を跳ね返せなかった。前回、仲井真氏を推薦した公明は、辺野古移設に県本部が反対していることから自主投票とした。
県民投票による移設問題解決を訴えた前衆院議員の下地幹郎(しもじみきお)氏(53)と、埋め立て承認の取り消しを掲げた元参院議員の喜納昌吉(きなしょうきち)氏(66)は支持を広げられなかった。 県選管によると、11月6日時点での選挙人名簿登録者数は110万8269人。 ≫(朝日新聞:泗水康信)
◇沖縄県知事選開票結果
当360,820 翁長 雄志 無新
261,076 仲井真弘多 無現
69,447 下地 幹郎 無新
7,821 喜納 昌吉 無新
=確定得票=
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